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2007年1月11日

2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(4)レビュープロモーション

写真世の中的にも「ブログのレビュー」に
注目が集まっている。

WEB2.0とかCGMとかブログマーケティングとか。流行キーワード振りかざすのはあまり好きではないが、「ネット上に集積した一般消費者の声が大きな影響力を持ち、企業にとっても無視できない存在になっている」という状況がある。

「レビュー」に注目が集まるのは嬉しいことだが、過剰な注目は弊害も生む。

企業が対価を払ってレビューを書かせる。
そうした動きが活発化してきている。

最初に言っておかないといけないが、自分自身、仕事としてレビューを書くことがある。その場合、もちろん対価をもらう。モニターと言う名目で商品を提供され、そのレビューを自分のブログに書くことも度々ある。「企業に抱えられてレビュー書くブロガー」と誹謗されたこともある(本人にはそのつもりないのだが、もしそう見えたなら、それは自分の責任だ)。

だから、企業がブロガーに働きかけてレビュー作成を促進する動きを、
否定する立場ではない。

レビューブロガーとして記事をいろいろ書いていると、企業側から「うちの商品もぜひ使ってレビューしてほしい」などのアプローチがくることもある。興味ある商品であれば、それはブロガーのメリットにもなるし、そういう形で、企業担当者と直接交流し、情報交換できるのは非常に貴重な体験でもある。なにより、そういう形で自分の記事やブログが認められるのは、うれしいものだ。

一方、企業側から見ても、自社商品の購入者や、自分のお店を通じて商品を買ってくれたお客様が、その後ブログにレビューを書いてくれているのを見つけて読むと、それは純粋に嬉しくもあり、感動もし、また耳の痛い話も含め貴重な情報源になる。そして何より、認知度アップや販促につながる。

そうして、バズマーケ支援企業などのサービスを使ったり、あるいは個別にアプローチしたり、アフィリエイトを導入している企業であれば提携サイトに対してオファーするなどし、レビュー作成を前提とした商品提供や、対価を払って記事を書かせるといった動きがでてくる。

その時、オファーを受ける側として気をつけないといけないのは、
レビューを書く自分自身の軸をぶれないようにすることだ。

ブログに限った話ではない。
個人で細々と運営していたサイトの人気が高まり、
企業から商品提供を受けたりスポンサーがついたりした結果、


「好きなことを書くためのサイトだったのに、好きなことが書けなくなった」


なんて状況に陥って、サイト運営が面白くなくなり、
時に訪問者の反発を買ってしまったなんて例はいくらでもある。

企業のモニター企画やバズマーケティングサービスなどを「利用」して楽しむのはいいが、単に「利用されるだけ」の存在になってしまってはいけない。ましてや自分のブログの読み手を「利用する」立場になってはいけない。

ブログ存続のためにもっとも重要なつながりは、ブログの書き手と読み手との間にあり、その関係は絶対的に対等だ。


+++


MONO-PORTALでは、正式オープン以降たくさんのキャンペーンを実施してきた。
トラックバックキャンペーンに応募してもらい、企業から提供してもらった商品を送ったりもした。

≪2006年に実施したMONO-PORTAL企画一覧≫

MONO-PORTAL章(2月~8月)
第1弾!MONO-PORTAL正式オープン記念トラックバックキャンペーン
第2弾!MONO-PORTAL正式オープン記念トラックバックキャンペーン
第3弾!MONO-PORTAL正式オープン記念トラックバックキャンペーン
リンクシェア×MONO-PORTAL共同企画レビューブロガーコンテスト2006秋
お歳暮をもらおう倶楽部★2006
MONO-PORTAL体験&撮影ツアー


多くの場合、当選者決定は「選考」によるもので、MONO-PORTAL事務局で一度すべての応募記事を見てコメントをつけたデータを商品提供企業に送り、最終的に企業の方に「この人にぜひ自社商品を使ってもらいたい」という人を決めてもらった。

当選者はレビュー作成が前提だが、条件は「一ヶ月以内を目処に」くらいで他は縛りは特につけていない。
企業の方にも「レビュー記事の内容に条件をつけたりすることはできない」と伝え、またそれをきちんと理解してくれそうな、ブログを深く理解していそうな企業を中心に選んだ(あと微妙~な商品はレビュー書く人も大変なのでお断りした)。

ブロガーの方には、レビュー作成の楽しみをひとつ増やしてもらえたらと思っていた。
そして、変な形で企業の紐付きになることなく、でも商品提供などのメリットを享受してもらいたかった。
そのためには、ブロガー側に立つ「MONO-PORTAL」が仲介する企画には意味があると考えた。

企業に対しては、まっとうなレビューを書いているブロガー達の存在、その実力を知ってもらいたかった。単なる「駒」として見るのではなく、ひとつひとつのブログを訪れ、貴重な情報発信者としてリスペクトする─そんな土壌を作りたかった。

まだまだ未熟な部分も多く、今後さらに運用数を増やしながら手法確立していきたいところだが、今年も、まっとうな「レビュープロモーション」を、MONO-PORTALの場を使って仕掛けていきたいと思う。


> 続く


2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(1)はじめに
2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(2)モチベーション
2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(3)参考になるレビューを目指して
2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(4)レビュープロモーション
2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(5)そしてさらに・・・
2007年「レビューブログ」を真面目に考えてみる(6)そしてさらに・・・続

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●レビューを書く自分自身の軸をぶれないようにすることだ。 (WADA-blogから引用させてもらいました。) この記事を書く前に、書いた記事で、軸がぶれそうになってました。 続きを読む

コメント(15)

感動しました。
さすが和田さん。

和田さんのような方がいるからこそ、レビューブログは素晴らしい将来につながっていくと僕は信じています。

MONO-PORTAL、そしてレビューブログの正しい成長に微力ながら最大限ご協力させて頂きます。

しっかり読みました。

私、今までレビューについて
こんなに真剣に考えていなかった。
今回、わださんの記事を読み
私なりにレビューについてきちんと考えようと思いました。


レビューを書く時は常に正直な気持ちで書きたいですね。
いいことも悪いことも隠さずに書きたいです。

KASAIさん、
KASAIさんにそう言っていただけるのは非常に嬉しいです。
おそらく(というか確実に)このあたりの方向性は、KASAIさんが目指しているアフィリエイトのあり方と合致していると思っていますので、ぜひ今後、いろいろな形でご一緒できたら嬉しいです。

夢子さん、
いいものはいい、駄目なものは駄目とはっきり書いて、
家族和気藹々の雰囲気も一緒に伝わってくる、夢子さんの凛としたレビューは大好きです。
同時にあれですよね、私がそうなのですが、時として「レビューに追われてしまう」時がありそうですよね。昨年は途中で、楽しかったはずのレビューが、なんかタスク化してしまって「いかんいかん」と思ったことがあります。
自分もこれを機に、もう一度初心に戻って、自分のレビュースタイルを見つめていきたいなと思ってます。

レビューブログも随分身近になった気がしますが、「タダの広告塔」になっているブログも多々あったりして…フクザツな心境です。マーケティングが絡むレビューは色々と気を遣うフシも多いそうですし…

読んで面白く、それでいて役に立つレビューというのは、結構重労働ですよね(苦笑)。

濃くて面白いレビューが書けたら、Mono-PortalにTBしたいと思います。

彼方みこさん、
本当に「タダの広告塔」もありますよね。
あとバズマーケティングサービス専用に立ち上げたブログ(トラバ企画専用ブログ)とかも増えてきましたね。そういうのは、そもそも集客しようとも思っていないものが多いので、逆に賢くて潔いなあと思ったりもして眺めています。
> 濃くて面白いレビューが書けたら、Mono-PortalにTBしたいと思います。
彼方みこさんの記事は、そのまんまで濃くて面白いですので(ブログ初年度とは思ってませんでした!)、レビュー書いた際にはぜひぜひトラックバックを!
コッコちゃん写真掲載、ありがとうございます!しかも花崎社長(うさぎ)とのツーショットで!光栄です!
http://maybell.blog.ocn.ne.jp/kanata/2006/12/post_d278.html

学生のときに作っていたミニコミ誌の編集方針をめぐった激論?を思い出しました。

個人(含む集団、アマ、インディーズ)で作るものをどこまでプロ的、商業的にするのかっていうのは、BlogとかCGMとかインターネットとかいうものよりずっと前から議論され、結論のでないテーマですよね。

とりあえず、商売(広告)なら商売って明記するのが真摯な態度だよなぁって思います。

さすが和田さん、すごい考えさせられました。
ブログを続けること、それによっていくばくかの報酬を受け取っている自分について、その、「軸というもの」がぶれていないのか、考えさせられました。
もともと自分がブログ始めたきっかけは、大好きなソニーと島根をいかによく思ってもらえるか、ということを思ってスタートしたのですが、コメントやトラックバックをいただくかたがたとの交流が面白く、ついつい脱線することが有り、でもそれが又きっと面白いんだろうなぁと思ったりしてます。
ただ、そこで紹介した商品を購入されることで、あわよくば収入を得ちゃおう、なんて気持ちも密かに有り、それをおおっぴらにせず、なんか楽しく記事書いているのって、ちょっと後ろめたい気持ちも感じたり・・・。
でも、アフィリエイトって自分がお薦めした商品を購入されたかどうかわかり、特に島根やソニーがらみのものだったりすると本当にうれしかったりするので、そうして、またモチベーションが上がったりするし・・・。
ということで、結構かんがえましたが、結局まあ、いまのまま楽しく続けてみます(^^;)

さすが和田さん、かんがえさせられた挙げ句、コメント長くなりました、すみませんでした。こんなんだったら、トラックバックで記事書いた方がよかったかも、ですね。
失礼しました。

あ、モノポータルのトラバキャンペーンでいただいたソニーの非常用ラジオ、いまはいつも車にのせ、緊急時の携帯充電に使ってます。(^^)その節は本当にありがとうございました。

わださんのお考えに、私も同感できます。
上手く表現できませんが、今までは、アフィリエイト側は消費者の立場から商品を見て、消費者にその商品の良さを伝えて来たし、企業側はただブログを広告の媒体としてみるだけではなく、アフィリエイターがその商品をどのように見ているのか、買い手の反応はどうかと身近に感じて販売の増加に資して来たのだと思います。

それが、「レビュー」の場合には、企業側の委託によることによって、アフィリエイターは、一方的に企業側の代弁者に変容しかねなません。そこに危険が確かにあるように思います。

しかし、多面その商品が優れた商品でアフィリエイターも皆さんによく知ってもらいたいと思う場合には、とてもいい制度ではないかと思います。
なぜなら、今までは、広告を貼って、熱心に記事を書いても、見た人がそのブログから購入せず、或いは、見るだけでお店へ行って買ってしまった場合には、企業は利益(広告効果)が上がってもアフィリエイターは空振りになってしまい、全く不合理な面があったわけですから。
つまり、広告効果は上がってもアフィリエイターは、ただ、空手で指を銜えてみていなければならなかったのです。

問題は、ブログ(アフィリエイトター)が元は企業側と消費者側の中間にあって、社会的に有用な一つの役割を果たしていたのが、「レビュー」になって企業側の代弁者になり消費者から見捨てられてしまう危険を如何に避けるかにあるように思います。
企業側の期待を頭に置きながらも、本来のアフィリエイターの立場を忘れずに、ブログの運営を図る事が必要になると思いました。アフィリエイトターの自戒が求められるのだなと思いました。

長文失礼いたしました。

追伸

先の私のコメントに誤字や書き違いが、ニ、三箇所程ありました。
お許しと、ご判読をお願いいたします。

和田さんこんにちは。
私は最近サイトの縁より仕事でコラムを書くようになりました。今まで好き放題?に書いていた文章だけど企業のチェックが入ることによって少し戸惑いを感じています(こんな事書いたら侮辱になるだろうか・・・とか気を遣ってしまう)。
自分が少しでも影響を与える立場になれたことは嬉しい反面、これからも同じ調子で正直すぎるコメントをしていくとは考えられず、やはり気を遣わずを得ないというか・・・。

でも、気持ちはぶれない、その意識をする事が大事なのだと思い直しました。またmonoportalのような対等の立場である場所を提供してくれた和田さんに感謝です。

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

プロフェッショナルは『軸がぶれない』。
私はそれが正しいと思っています。

ですが、素人はあっちにフラフラこっちにフラフラ、軸ぶれまくり…。
これも、正しいのではないかと…。

私は、究極の素人おばさんレビューブロガーとして、プロフェッショナルとは対極の、興味の向くまま気の向くまま、自分に正直にレビューをつづけていきたいな、と思いました。

子どものように何にでも興味を持ってレビューの対象を見つけ、オバサンの厚かましさでいいたい放題思ったことをレビューする。
広く浅くで、ハンドルネームどおり何でも『オールいまいち』だとしても、それが本望かも、です。

素人の、そしておばさんのよさを最大限出せるように、今年も思ったままの気持ちを素直に伝えられる文章目指して、レビューしていきます。

ので、どうぞ今年もよろしくお願いいたします♪

mamazouさん、ふろすです。さん、hbritさん、つつじさん、いまいち☆さん、
コメントありがとうございます!
ここでレスすると、果てしなく長くなりそうだったので、記事にさせてもらいました。

こんにちは。ものぐさ主婦のらりです。
すみません、トラックバックが2つになっちゃいました。
お手数お掛けして申し訳ありません。

のらりさん、
記事トラックバックありがとうございます。
いろいろ考えさせられました。別途コメントさせていただきます。トラックバック削除の件、了解です。

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このページは、wadaが2007年1月11日 12:26に書いた記事です。

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