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東京湾フェリー&南房総体験(8)和蔵酒造で蔵見学・試飲

創業140年以上という和蔵酒造の「竹岡蔵」を訪問。

場所は富津市で、湊川の河口にも近いところ。大型バスで入っていくのは難しく、国道でバスを降りしばし歩いて辿り着いた。

代表商品は「聖泉」。

また少し北の君津には「貞元蔵」があり、そちらでは焼酎などを作っているそう。

人数が少々多かったので、半々に別れた。

私は試飲先発組に。

「試飲だからね、飲み放題じゃないんだよ」

そう、蔵見学先発組に念を押される。

まずはこれから。

一瞬「アップルシールド?」と思ったが全く違い、清酒。

「リンゴ酸高生産性多醗酵母」なる、何やら名前長くて絶対覚えられなそうな酵母菌を使っているということのようで、「リンゴのお酒」ということではないようだ。

酸味のある純米酒で、果実を使ったお酒とはまったく違うんだけど、甘みもあってでもさらっともしていて新鮮な味わい。日本酒苦手な人にも飲みやすそうだ。

そしてにごり酒。

沈殿するようなにごり酒ではなく、乳白色でほんのり泡立つ液体。

しゅわしゅわっとした舌触り、にごり酒といってもそれほど癖はなくざらつきもなく、爽やかで美味しい。これはいいかも!試飲なのにお替りしちゃいました。

そして「聖泉」の大吟醸に

特別純米酒「竹岡」。

こちらのほうが好みという参加メンバーが多かったかもしれない。

千葉県の米を100%使用した地産池消のお酒とのこと。

なぜか昼間に飲むお酒は少量でもまわりが早い。
そんな状況の中、蔵見学スタート。入口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて建物に入ってゆく。

その木造の建物は、どこを見ても年季が入っており、天井や壁の木材も歴史たっぷり含んだ色合いに。酒蔵にはその酒蔵特有の蔵つき酵母が住み着いていて、その場所以外ではだせない日本酒の味わいを生み出しているといわれるが、ここで天井を見上げているとまさにそこに何かが生息しているように感じる。

それで思い出すのは、4月に見学させてもらった酔仙酒造の大船渡蔵だ。
津波で跡形もなくなった陸前高田にもともとあり、震災後あらたに高台で再起を図った。近代的な施設をガイドしてくれた蔵人の方の「すべてを失った」という話が印象的だったが、もともとの伝統あるこんな蔵の記憶を全員で共有しながら毎年お酒を造っているのだろうなと思った。

●酔仙酒造・大船渡蔵を見学 ~ 作り手の思いとこだわり

巨大な和釜。
ここで重油バーナーを使い、米を蒸す。

燃料が薪から重油バーナーに替わっただけで、昔ながらの方法ということなのだろう。中の煉瓦もシーズン前にすべて修復などするそう。

一日中多忙を極める酒造りシーズン中は、見学不可かごく一部しか見学できなくなる酒蔵が多いと思うが、ここでは冬の間も毎日上限人数を決めて見学を受け入れている。そしてきちんと衛生状態を保てる状態にしてもらった上で、実際の酒造り過程をがっつり見学してもらっているそう。

金属製のため桶も並んでいた。

貯蔵室は、入ると部屋全体が冷蔵庫状態。
といってもクーラーを使っているのではなく、タンクのまわりに水冷用のジャケットを巻いていてそれによるもの。

この中には、前シーズンに作ったこの酒蔵の一年分のお酒が入っている。そして夏が終わると瓶に詰めて出荷が始まる。

●和蔵酒造 竹岡蔵|上総の蔵元

千葉の地酒は、割と地元で消費されるものが多く、外にはあまり流通していない印象もある。
ここのお酒も、富津・君津以外で入手できるのかどうか不明だが、今度どこかで見かけたら買って飲んでみたいと思う。

そして次はぜひ、実際に蔵人さんたちが仕込み作業をしている冬の時期に見学に来てみたい!

[旅]南房総2016年6月

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