<青ヶ島2泊3日ひとり旅>番外編:秋晴れの八丈島観光
青ヶ島から空路で帰る場合、八丈島までヘリコプターで飛び、そこで飛行機に乗り換える必要があるのだが、実はここで結構な乗り換え時間がある。
青ヶ島発9:45─八丈島着10:05(東京愛らんど12便)
八丈島発14:20─羽田着15:15(ANA1894便)
もしくは八丈島発17:15─羽田着18:15(ANA1896便)
八丈島空港は小さいので、チェックインさえ済ませておけば20分前保安検査場通過で問題ない(搭乗ゲートもすぐ)。
そんなわけで14:20発の2便なら約3時間半、17:15発の3便利用なら6時間以上時間がある。
八丈島は青ヶ島と比べたらはるかに大きな島で、しっかり観光するなら1泊2日は必要なのだが、主要観光スポットを駆け足で見て回るなら、タクシー2~3時間チャーターでも可能だ。
青ヶ島で知り合ったひとり旅女性も同じ便で羽田に向かうので、ふたりでタクシーをチャーターして2時間観光することにした。
雲がかかってしまっていることも多い八丈富士だが、この日は頂上までくっきりと! これ以上ないくらい見事な秋晴れの日だ。山の中腹に四角く木を伐採した場所があるが、そこには牧場がある。以前車で行った時には牛がたくさん放牧されていた。
タクシーの運転手さん。
島の歴史に非常に詳しく、詳細にわたって説明してくれるのは非常にありがたかったが、目的地に着くまでに話が終わらないくて時速20キロ以下ののろのろ運転で進んだり、写真を撮っていると「先に話を聞け」的になってしまい、ちょっとだけ疲れたかな。
八丈小島。
以前はここも有人島で、1955年以前は鳥打村・宇津木村という村があったという。
ただ人口は少なく水道施設などインフラも整備されておらず、1969年に全島民が八丈島に移住しその後は野ヤギの島になった(今は駆除済み)。
南原千畳敷は八丈富士が噴火した時に熔岩が流れて固まった場所。
真っ黒な岩が波打つように固まっている独特な風景ゆえ、映画やテレビドラマの撮影舞台としてもよくつかわれるのだそう。
宇喜多秀家と豪姫の像。
パンフレットから受ける印象と違いちょっとこぶり。
八丈島は江戸時代、「遠島」の刑に処せられた人が送られる島だったが、その第一号と言われているのが関ヶ原で敗れた西軍の宇喜多秀家。妻の豪姫が前田利家の娘だったため、配流となった後も前田家からずっと支援物資が届き続け、明治時代になって赦免がでて子孫が本土に戻った時には前田家の江戸屋敷内に住まいを与えられたという。
そんな話や、膨大な資料が「八丈島歴史民俗資料館」におさめられている。
建物自体も古く、旧八丈支庁舎。
黒潮の上にある八丈島の地理風土・海上ルートでの文化伝来など、結構楽しめ勉強になる場所なので、時間あれば是非ここも(自分は行きの乗り換えの時に訪れた)。
そして見事な玉石垣。
大きな通り沿いだけでなく、細い道に入っても延々と続いていて、いつまでもカメラを構え続けてしまう場所だ。
夕日スポットでもある大阪トンネル展望台。
八丈一周道路の途中にあり、このトンネル手前までの長い長い高架の道をレンタルバイクで走ると実に爽快!
黄八丈の工房。
細い縦糸をものすごい数並べて織っている作業を間近で見ることができる。
庭に干してあった白い絹糸もキラキラ輝いていて美しかった。これを染めるための染料と材料も展示されている。
裏見ヶ滝温泉は無料で誰でも入れる温泉。
男女混浴なので水着が必要だ。
冬で海で泳ぐことはないかなという季節でも、この温泉のために水着を持参しよう。私は持っておらず後悔したので。
足湯「きらめき」。
底には丸石が埋め込まれており、歩くと足つぼ刺激してくれる。
大海原を眺めながらぼーっとできる。
この近くには他に2つの温泉がある。
そのうちのひとつ「みはらしの湯」は前回来島した際に入ったことがある。露天風呂は日によって男女交代なので、事前にチェックしてから行こう。
中之郷の中田商店のあしたばソフトクリーム。
店内には、ここでソフトクリームを食べた人達のメッセージ色紙がたくさん飾られている。なぜか航空会社のCAさんと警視庁の警官チームが多数。
キリシタン灯篭があるとも言われている優婆夷宝明神社。
そして東京都内でもっとも長い直線道路と言われた空港西側の道。滑走路延長にともないその一部がほんのちょっとうねっと曲がったので、今も最長かどうかは不明。
最後に島寿司を食べながら・・・
ビールで乾杯!!!
初日から最終日まで、大阪からひとり旅行で来ていたTさんとは何かと一緒に行動させてもらった。大杉ウォークに夜の居酒屋、そしてサツマイモ畑の草むしりに再び夜の居酒屋も。
明るくて楽しい方で、ご一緒できたことに感謝。
そしてヘリコプターキャンセルチケットも同じタイミングで取れて本当によかった。
つまみには明日葉とくさやのマヨネーズ和え。
とこの時、突如携帯が鳴った。
青ヶ島に出張で来ていて同じヘリコプターで八丈島に戻ってきた方がお土産にとくさやを持ってやってきてくれたのだ。
「昼間っから・・・(笑)」とジョッキ見て笑われてしまった。
この方にも二日間、本当にお世話になった。
そんなわけで八丈島も大満喫。
出張中だった八丈島の人からは沢登りの話やダイビングの話など伺って非常に興味湧いたので、また夏に改めて来たいと思う。
「後ろ!」
そう言われて振り返ると、まるで天空に浮かぶ島。
夕日に照らされた波模様まで美しい。
最後に雲の上に顔を出す富士山を拝み、羽田へと着陸した。
16日(金)夜22:30竹芝桟橋を出る橘丸に乗りこみ、船中泊した後、八丈島で一泊。その後2泊3日の青ヶ島滞在を経て、20日(火)無事帰宅。
「なんだか一週間は滞在していた気分」
そう言ったら、2泊の予定が5泊になってしまったTさんは「私なんて一か月くらい青ヶ島にいた気がする」と笑っていた。そうだろうなあ。でも来て本当によかった、足止め食らったけどそれもいい思い出と満足げに話していた。
青ヶ島は確かに簡単には行けない島だと思う。
でも事前にヘリコプターチケットさえ取れれば、それほどリスクはない。
そして仮にヘリコプターがとれず船も欠航で青ヶ島へ渡ることができなくても、八丈島は非常に魅力的な島だ。
11月には離島イベント「アイランダー」も開催されるので、東京&近郊在住の方なら、まずはそれに足を運び、青ヶ島&八丈島ブースで話を聞いてみてはどうだろう。