<青ヶ島2泊3日ひとり旅>お茶目な元村長が営む民宿・マツミ荘、居酒屋でカラオケ三昧の夜!
青ヶ島の民宿は「3食付き」が基本。
食堂やレストラン、カフェなどがないためだ。
集落には5つの民宿と池之沢に村営キャンプ場があり、私は「マツミ荘」という民宿に2泊した。場所は駐在所の並び。
他に宿泊客もおらず、二階にある4部屋のうち、海が見える側の6畳和室を提供してもらった。ここからの眺め最高!
窓の外はすぐ海だ!
いわゆる本当の民宿で、一戸建ての普通の家の部屋貸しのような感じ。部屋には鍵もない。ただそもそも外出時に家に鍵を閉めてゆく必要もない島なので、部屋に鍵があったらむしろ違和感あるのかもしれない。
食事は民宿オーナーの佐々木さんが毎回用意してくれ、一階の広い食堂でいただく。
その部屋にたくさん飾られていた表彰状を見て知ったのだが・・・
佐々木さんって・・・
元青ヶ島村の村長さんだ!
しかも三期12年も務めあげた!!!
ふるさと創生資金を使った「ふれあいサウナ」や小中学校なども、その任期中に手掛けたそうで、流し坂トンネルの入り口の文字も佐々木さんのものだとか。
凄すぎる。
今は民宿に畑に青酎作りに・・・と、マルチなご活躍をされている。インターネットもバリバリ駆使してとってもアクティブ。
滞在中もあちこち案内していただき、夜は居酒屋にも連れて行ってもらい、島の話をたくさんお伺いすることができた。
奥さまを亡くされてからは宿泊者の食事用意などもひとりですべて。クックパッドなども参考にしているそう。毎回食べきれないほどの量で、美味しくいただいた。
朝食一例。
昼食一例。
テーブルの上にはひんぎゃの塩やひんぎゃの島とうがらしも(この瓶詰の一味唐辛子も佐々木さんが作られている)。
一日目の夜訪れたのは、居酒屋池之沢。
分厚くて長い一枚板のテーブルが迫力もので、よく見たら椅子もすべて丸太。
船欠航で帰れずにいた大阪の女性は、この居酒屋と同じ経営の民宿に泊まっていたため夕食がいつもここ。毎晩居酒屋にやってくる島の人達とも顔なじみになっていた。
夕食食べすぎて満腹だったので注文はしなかったけど、おつまみこんな感じ。
八丈島のお酒「情け嶋」がメジャーなようで、ボトルキープもそれが多かった。
佐々木さんに見せてもらった、靄たちこめる池之沢の写真。幻想的だ。
たっぷり飲んで居酒屋を出た後、佐々木さんに星空がきれいに見えるという神子の浦展望広場に連れていってもらった。コンデジのオートモードで星空が撮れるはずもないが、肉眼で見た夜空は、ただただ言葉を失う程、それはもう見事なものだった。
滞在2日目の午後、既に集落も池之沢も大凸部もまわって特にやることもなかったので、佐々木さんの畑仕事のお手伝いをすることにした。前日一緒に飲んだ2人も同行することになり、4人で池之沢の畑に。
黒々とした土。
火口の中にある畑とはとても思えない。
ハウスではパッションフルーツ。
地熱効果もあり、ハウス内はまるでヒーター入れているかのような高温だった。
そしてサツマイモ畑の草取り。
このサツマイモは、青酎の材料にするため11月に収穫するのだという。
最初見た時は永遠に終わらなそうな広さに感じたが、4人での作業だとやはり早く、気付けばすっきり!
薄紫色のサツマイモの花。
この花を見ると、サツマイモが朝顔と同じヒルガオ科に属していることがわかる。
私の地元ちばらきでもサツマイモ栽培は盛んなんだけど、花はまず見ないなあ。
ちなみに花言葉は「乙女の純情」なんだそう。
他にも、ししとうやハバネロなどを栽培している。
前日額と鼻の下から火をだす原因となったハバネロ。
こうして実っているのを見たのは初めてだ。
ししとうも大量に。
草とり作業が終わった後は皆で地熱釜に行き一服。
佐々木さんが持ってきた卵を地熱釜で茹でて、いただいた。白身も柔らかくて美味しい。
その夜はもう一軒の居酒屋もんじへ。
昼間見るとかなりうす汚れた建物なのだが、夜の明かりに照らし出された外観はむしろ恰好いい。
ここは元々千葉の船橋出身だというマスターが面白かった!
そして青酎もいろいろ。
ボトルキープされている名前を見ると、村長に駐在さん、郵便局長など役職もたくさん。
この日は「居酒屋でいろいろ食べてみたいので夕食はちょっとでいいです」と佐々木さんに言ったところ、「それなら居酒屋で夕食にしちゃおうか」という話になり、チャーハンセットを注文してくれた。美味しかった♪
焼いた銀杏は「ご自由にお取り下さい」と。
こんな贅沢な食べ方をしたのは初めてだ。そんなに高くなかったそう。
佐々木さんのキープボトルを遠慮なくいただいてしまった。
そのうち、次々と島の方々がやってきてカラオケ大会に。
佐々木さんはびっくりするほどお上手で、高得点を次々出していた。
伊豆諸島の歌も。
なんかもう、楽しすぎる!
そのうちに大凸部に付き合ってくれた出張中の人や、大阪の女性も合流し宴会に。
実はこの翌日のヘリコプターのチケットを、その女性も私もキャンセル待ちで取ることができ、これが青ヶ島最後の夜だった。出張中の人も同じヘリコプターで八丈島に帰るという偶然。
最後に佐々木さんのボトルに寄せ書き。
久々に大笑いして盛り上がったよ。
昼間畑作業手伝ってくれたからと、ここは全部佐々木さんのおごりに。
かえって恐縮です。ご馳走様でした。
この夜の星空は前日以上。
ヘリポートの先の草むらをかきわけて辿り着いた場所で佐々木さんと自分と大阪の女性、3人ごろり寝転がって星を見上げた。
隙間ないくらいびっしりの星。
これだけあるともはや星座もよくわからない。
人口少なく集落の明かりもほとんどない絶海の孤島ゆえの光景だ。
今でもまだあの星空が目に焼き付いている。
マツミ荘の佐々木さんには本当に感謝!
おかげでたった二泊三日とは思えない盛り沢山で充実の青ヶ島滞在になった。
また次に行く機会があったら、必ずここに泊まりたい。
本当にありがとうございました!
おまけ:宿で出会ったかわいい奴
「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、「青ヶ島」を二泊三日で旅し、記事を書いています。