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<青ヶ島2泊3日ひとり旅>地熱で蒸しイモ&ゆで卵~地熱釜・青ヶ島ふれあいサウナ

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青ヶ島は活動度ランクCの活火山で、外輪山の内側はまさに火口。中央の丸山の斜面などいくつもの噴気孔があり、そこから熱い水蒸気が噴き出していて、地面も熱を帯びている。

その地熱を利用した施設が「青ヶ島ふれあいサウナ」だ。
元村長もつとめた民宿オーナーの佐々木さんによると、ふるさと創生資金で作られたそう。

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その佐々木さんが畑で作ったハバネロの乾燥のため青ヶ島ふれあいサウナに行くというので、一緒に。

どこか干す場所があるんだろうか?と思っていたら、建物裏側にまわり・・・

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そこに新聞紙を敷いて並べていった。
天日干し?と思ったが違った。
実はここ、地面に座るとわかるのだが、コンクリ越しでも熱いのだ。

地熱すごい!!!

私も平らに広げるのをちょっとだけお手伝い。

「ハバネロ直接手で触ると大変なことになるぞ」

そう言われたものの、当のご本人は素手だし問題ないだろうと。

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その後、佐々木さんと大阪の女性(一緒に大杉を見に行った)は車で去り、自分だけがサウナに残った。受付に行くと、サウナ担当の男性が外を指さして言った。

「外にさつまいも置いてあるから、蒸して食べろ」

なんでも1時間ほどで蒸しあがるのだという。

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遠慮なくサツマイモ2ついただき、網の中へ。

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そして丸い金属製の蓋を閉め・・・

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地面と平行に倒れている赤いコックを90度まわして垂直にたてる。

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これでセットアップ完了だ。
一番左側のところに私のさつまいもが2個入っている。

ちなみに赤いコックを縦にすると一気に水蒸気があがってくるので注意が必要だ。必ず閉めた状態で蓋を開け、中のものの出し入れをすること。

そしてこの頃、自分はちょっと危機的状況に陥っていた。
先ほどハバネロを触った指は特に問題なかった。

ところが地熱の暑さゆえ汗がじんわりにじみだし、うっかり額をぬぐってしまったのだ。ハバネロ触った右手の指で。

さあ大変。
額が火を吹き始めた。

サウナ入って額を早く洗わなくちゃ!!!

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300円の利用料を払い、サウナ用のマットとタオルを貸してもらい、地下のサウナへ!

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男性と女性で分かれており、女性浴室は誰もおらず貸し切り状態。

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手前には細長くてきれいな浴室があり、奥の扉の向こうがサウナになっている。

でもまずはサウナよりハバネロ。
お湯を出し慌てて額を洗ったのだが、ここでもうひとつ致命的なミスを犯した。

先にボディソープ使って両手指先をしっかり洗い、それから顔を洗うべきだったのだ。この順序を間違えたため、今度は鼻の下までが熱くなってしまった。

その後も必死に顔を洗い続け、焼けるようなヒリヒリ感が収まったのは30分後。

ハバネロ舐めちゃいけない。
そして指先の皮は意外と丈夫。

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木で囲まれたサウナはこんな感じ。
熱すぎずちょうどいい温度で、割と長い時間いられる。

火山の地熱による自然のサウナだと思うと感慨深い。

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更衣室の隣にはこんな休憩スペースもある。
テレビにマッサージ機、冷蔵庫や雑誌もあり、サウナに来た人達がのんびりくつろぎながら交流したりするのだろう。地元の方もこのエリアの畑仕事の帰りなどによく立ち寄るとのこと。

冷蔵庫には冷たいお茶も入っていて、自由に飲めるよう紙コップも置かれていた。

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地熱サウナの奥には、製塩工場がある。
青ヶ島特産品のひとつ「ひんぎゃの塩」はここで作られる。

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最近はこだわり塩ブームもあり、塩専門ショップでは必ず見かける塩だ。

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以前は見学客も受入れていたそうだけど、希望する人の数が増えてまわらなくなってしまい、今は行っていないと、ちょうど軽トラで帰ってきた工場の女性の方が話してくれた。

残念だけど確かにいちいち案内していたら大変だもんね。
食品工場だから衛生管理もあるだろうし。

そんなわけで、ガラス窓越しに中の写真を撮らせてもらった。

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ひんぎゃの塩の「ひんぎゃ」とは、地熱蒸気の噴気孔のこと。
語源は「火の際」説があるという。

その地熱蒸気を使って海水を結晶化させ、乾燥させて手作りで塩を作っている。3トンの海水から約90キロの塩しかとれないというので、貴重なものだ。

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ちなみに「ひんぎゃ」こと地熱蒸気噴気孔は、サウナ・製塩工場の周辺至る所で見ることができる。

写真右手、地熱釜の奥で白い蒸気があがっているのがわかるだろうか。

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道路脇に積み上げられた岩の間から、白い蒸気がひっきりなしに出ているのだ。

翌日もう一度訪れた時に佐々木さんに教えてもらったんだけど、この岩の間にタバコの火を近付けると・・・

理由不明なのだが、それに刺激されたかのように蒸気が激しく吹き出す。不思議~!!!

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周囲はぐるり外輪山。
日差しが強いせいもあるが、地熱の影響もありこのあたり一帯はかなり暑い。

パッションフルーツなど南国果物を育てているというのも納得だ。

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少し坂を上がるとこんな休憩スペースも作られていた。そして一角にはやはり地熱水蒸気を使った蒸し器と思われる装置が。

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他にも水蒸気は至る所で確認できる。
この道路脇の苔含む植物がびっしり生えた斜面もそう。

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写真だとなかなかはっきり写らないが、
手をかざすと温かい空気が出ているのがわかる。

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少し離れると、光の角度によっては水蒸気がはっきり見える。

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周辺散策して戻ってきて、一時間前にサツマイモを投入した地熱釜の蓋を開けた。もちろん開ける前にコックを閉じることを忘れないように。

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中までほっくほく!
甘みもあって美味しい!!!

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これは翌日の写真だが、卵なら15分ほど。
時間を調整すれば半熟卵も楽しめる。

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そしてハバネロもたった一日でこの通り。

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ちなみに、観光パンフレットなどで紹介される代表的な「ひんぎゃ」こと池之沢噴気孔群は、この地熱釜とサウナから道を挟んで反対側の崖の途中にある。

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隙間から白い蒸気が噴き出しているのが遠くからでもよく見える。

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近付いてみるとこんな感じ。

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熱い蒸気が絶え間なく噴き出している場所でも、苔はしっかり生息していた。

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「自分は今、火山口の中にいるんだよなあ」

ひんぎゃから周囲取り囲む外輪山を眺め、あらためてその事実を再認識させられた。

伊豆諸島の島々はすべて、海底火山の山頂部だ。
三宅島など2000年代になってから爆発し全島避難を強いられた島もあるし、大島の三原山も巨大な火の柱を噴きあげている。当時自分はまだ子供だったが、まるで映画の世界のような映像に言葉を失った。

青ヶ島が最後に爆発したのは1780年代の天明の大噴火で、その時は多くの島民が犠牲になり、生き残った島民も八丈島に全員避難した。避難する船に乗れず取り残されて亡くなった方も多かったという。

再びいつか噴火することもあるのだろうか。
この穏やかな風景を見ていると全く想像ができない。

何はともあれ、美しい青ヶ島の二重カルデラの真ん中で食べるサツマイモも茹で卵も美味しかった。訪れる人は是非、宿か集落で何か調達して持ってくることをお勧めする。

「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、「青ヶ島」を二泊三日で旅し、記事を書いています。
[旅]青ヶ島2015年10月

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