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<青ヶ島2泊3日ひとり旅>簡単には行けない島!?青ヶ島へのアクセス(船&ヘリコプター&飛行機)

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伊豆諸島の有人島の中で最も本土から遠くにある島、青ヶ島。まるで巨大隕石が落ち巨大クレーターができたかのような独特な地形がテレビでもよく取り上げられ、日本で最も人口が少ない地方自治体としても知られている。

「人生で一度は行ってみたい島」

なのだが、実は青ヶ島、行くのが結構大変な島でもある。


八丈島─青ヶ島間の船の就航率は50~60%

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東京の南の海上に浮かぶ島で、八丈島からさらに先。
八丈島までは東京・竹芝桟橋から毎日定期便が出ており、またANAの航路もあるが、青ヶ島行きはないため、八丈島での乗り換えが必要となる。

●<最速・確実>羽田空港─(飛行機/1日3便/約50分)→八丈島─(ヘリコプター/1日1便/約20分)→青ヶ島
●<バランス>竹芝桟橋─(船/1日1便/約11時間)→八丈島─(ヘリコプター)→青ヶ島
●<最安値>竹芝桟橋─(船)→八丈島─(船/1日1便/約2時間30分)→青ヶ島

船は時間かかるが、費用は安い。
ただ問題は時間でも費用でもない。八丈島─青ヶ島間の定期船は、欠航となる可能性が非常に高いのだ。

天候不良等による欠航もあり、就航率は50~60%(青ヶ島村公式サイト「アクセス」

就航率50~60%!!!

船で行こうとしても約半分の確率で欠航となって八丈島で足止めになってしまう。しかも海が荒れている時は3~4日、時に一週間以上船が出ないなんて事も。

その就航状況はここで見ることができる。

●あおがしま丸実績

青ヶ島に渡れず八丈島止まり・・・ということならまだ幸せで、行ったら今度なかなか帰ってこれなくなるリスクも大きい。会社勤めの人にとってはそっちのリスクのほうが大きいだろう。

なので、休暇が短く余裕のある日程を組みにくいのであれば、少なくとも八丈島─青ヶ島間は往復ヘリコプターを押さえておかなくてはいけないだろう。


ヘリコプターは1日1便、乗客わずか9人

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ところがヘリコプターも容易ではない。
1日1便のみで、乗客はわずか9人しか乗れない。それを島民や仕事で島に渡る行政関連の人や業者さんも利用するのだから、そう簡単に予約できるはずがない。

●東邦航空「東京愛らんどシャトル」

予約受付開始は一か月前からだが、あっという間に埋まってしまうのだとか。
特に週末を挟む日程は激戦区で、9時に電話しても延々話し中。やっとつながったと思ったら既に完売とのこと。

現地でお会いしたご夫婦で来られた方も「苦労してやっとチケット取れた」とおっしゃっていた。


青ヶ島2泊3日観光の最速・確実プランは?

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ところで飛行機+ヘリコプターの最速・確実プランで青ヶ島2泊3日観光するとしたら、どんな日程になるだろうか。

●1日目羽田発7:35─八丈島着8:30(ANA1891便)
八丈島発9:20─青ヶ島着9:40(東京愛らんど11便)
10時半頃から観光
●2日目一日観光
●3日目青ヶ島発9:45─八丈島着10:05(東京愛らんど12便)
八丈島発14:20─羽田着15:15(ANA1894便)
もしくは八丈島発17:15─羽田着18:15(ANA1896便)

羽田の出発時間がかなり早目ではあるが、9:40には青ヶ島に付き丸2日間みっちり観光ができる上、帰りは八丈島でも3時間もしくは6時間程度の観光が可能となる。レンタカーを借りれば八丈島の主要観光スポットをたっぷりまわれるはずだ。

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料金は時期によっても異なるが、仮に2015年11月に行くとして一か月前から予約する場合・・・

羽田空港─八丈島往復 24,780円
八丈島─青ヶ島往復 23,060円
───────────────────────────
合計 47,840円

§羽田─八丈島はANA便で「旅割28」適用した料金


ちなみに私はヘリコプター予約なしで青ヶ島へ

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さてところで肝心の自分。
どんな日程とルートで行ったのかと言うと、諸事情で「行きの八丈島行き船」と「帰りの八丈島─羽田空港飛行機チケット」だけ押さえ、八丈島─青ヶ島間の船のチケットは現地で購入する予定だった。

つまりハイリスクの「ヘリコプター予約なし」状態だ。

台風が2つ発生してフィリピン方向に進んでいたが、小笠原諸島よりはるかに南方だったし、予報では小笠原接近もずっと先だったので大丈夫かなと。日程的にも2~3日余裕あったので、仮に船がでなくてものんびり島で待とうと思った(実際には私が出発した16日から22日まで、あおがしま丸は一週間もの間欠航となった・・・)

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現在、三宅島・御蔵島を経て八丈島に向かう船は、2014年に就航したばかりの新造船「橘丸」。二等室は頭部が1席ごと仕切られており、上部にかぎ付きロッカーがあるタイプだ。

マットレスはないが、毛布を1枚100円で借りることができる。

私の部屋は10人部屋だったが、三宅島出身の年配女性と自分のふたりだけだった(不思議なことに深夜消灯した後に他の部屋から移ってきたらしく、目覚めたらうひとり増えていた)

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まだ暗いうちに三宅島に着き、御蔵島では横殴りの雨だった。
この島も海沿いに平地がない断崖絶壁の島で、波止場の先に見える白い線は集落のほうから勢いよく流れおちている水だ。

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御蔵島を出たあたりから、波が非常に大きくなり、船は前後左右に大きく揺れ、壁につかまらないとまっすぐ歩くこともままならない状態になった。

どんな感じかと言うと・・・

▼大荒れの八丈島航路~2015/10/17・御蔵島─八丈島間

大型の新しい船なので、これだけの波でも問題なく航行できてしまうし、揺れもかなり押さえられているのだが、恐らく乗り物酔いしやすい人だったら一発ダウンだ。

私ですらちょっと気持ち悪くなりそうになった。
(こんな動画を窓に張り付いて必死に撮影してたからなんだけど)

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幸い三半規管だけは強靭なので、ゲロゲロ辛そうな音も漏れ聞こえてくる船内を散策。

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レストランの他に、自動販売機コーナーでも軽食を購入できる。

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うっかり二度寝していたらレストランの朝食時間を過ぎてしまったので、ここでおにぎりと唐揚げのセットを。

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船内はどこも新しくきれい。
階段の他、エレベーターでデッキ間移動もできる。

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そうこうしているうちに八丈島に到着!
と言っても、荒天で八丈島到着予定時刻の8時50分を大幅に越え、船を降りたのは9時50分過ぎ、しかも通常着岸するメイン集落に近い底土港ではなく島西側の八重根港だった。

八丈島─青ヶ島間を定期運航するあおがしま丸の出航時間も既に過ぎていたが、覚悟していた通り欠航。さらに珍しいことにこの日はヘリコプターも欠航だった(視界不良により)。

八丈島に急きょ宿をとり一泊することになったのだが、非常にラッキーなことが起こった。

前日ヘリが飛ばなかったため、翌日臨時便が出ることになり、通常はなかなかとれないキャンセルチケットが取れたのだ。

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そんなわけで、翌日八丈島空港の東京愛らんどシャトルのカウンターへ。ヘリコプターなので、ここで体重を申請し、荷物の計量を行う。

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私の荷物は2キロオーバーだったので、1キロにつき230円の超過手荷物料金を払うことに。

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出発時間まで八丈島空港のお土産ショップなどをぶらぶらと。ここでも青ヶ島の名物焼酎「青酎」は販売している。ヘリコプター荷物は超過料金がかかるので、八丈島でも販売しているもので値段がさほど変わらないなら、帰りにここで買ったほうがいいだろう。

時間あれば何を売っているか事前にチェックしておこう。

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そして搭乗。
9人乗りだが、席は特に決まっていないので早い者勝ち(あまりに大柄な人がどちらか一方に固まった場合調整されると思うが)。

私は窓側席を取りそびれたが、できれば前列右側の窓側席をとると、飛び立った後、八丈島の海岸線がよく見え、その後、正面に現れる青ヶ島の全貌もしっかり見ることができるはずだ。

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八丈島も火山の島。
海から山へと切り立った崖が周囲を取り囲んでいる。

まだまだ遠くにある台風の影響なのか、うねりがすごかった。

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そして人生初ヘリコプターに興奮すること10分ちょっと。

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操縦席の先に島影が浮かび上がってきた。

青ヶ島だ!!!

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海からせりあがってきたかのような険しい地形の島。

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でも近づくと、上の高台はまるで牧場のようなきれいな緑で覆われたなだらかな台地で、建物が点在していた。本土から遠く離れた160人が住む離島。

テレビや雑誌でしか見たことがなかった青ヶ島が目の前に!!!
これから降り立つというのに、思わず写真を撮りまくってしまった。

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そしてあっという間に青ヶ島到着!
ヘリコプターに乗っていたのはわずか20分だ。

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乗客が降りて箱に入った荷物も下ろすと、今度は八丈島に向かう人達がすぐに乗りこみ、着陸から数分後にはもう飛び立っていった。

それを見送る島の人達。
単に観光客の見送りというのではなく、誰か島を離れる人がいたのかもしれない。

民宿マツミ荘オーナーの佐々木さんがヘリポートに迎えに来てくれていた。

「帰りのヘリコプター取っていないんだって?船はしばらく出ないから長くなるよ」

助手席に乗り込むやいなや、そう言っていたずら気な笑顔を見せた。

「時間はあるので、キャンセル待ちしながらのんびり待ちますよ」

ずっと憧れていた島・青ヶ島での滞在が遂に始まった。

「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、「青ヶ島」を二泊三日で旅し、記事を書いています。
[旅]青ヶ島2015年10月

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