和田玉を探そう!
ウルムチ以来、どの街に行っても「和田玉」の看板を見かけないことはなかった。タクラマカン砂漠の南にある街「和田(ホータン)」は、玉(ぎょく)と絨毯で有名な街だった。
絹の交易よりずっと以前に和田を起点とする「玉の道」が東西に延びていたほど、その歴史は古いのだとか。
そんな和田(ホータン)の散策は、
ずっと前から気になっていた街なだけに、なかなか楽しかった。
公園には、なぜか馬が放し飼いになっていたり(いいのか?芝生をむしゃむしゃ食ってるぞ・・・)
街のあちこちにモスクが建っていたり、
モスクの尖塔を撮影していたら、男の子達が覗きこんできたり(自分の顔が写っているので大喜び中)、
はじめて見るこの屋台で売っているものは、
とっても赤みを帯びたかぼちゃだったり(しょうゆかなにかで煮つけているのかな?)。
そして街中散策の後、最初に向かったのが、路線バスで街の中心部から10分もかからないところにある「ユルンカシュ河」。
ガイドブックには「ホータンの特産品である白玉(はくぎょく)は、この川で発見されることもある」とあった。
玉はともかく、旅行に来てからまだ、大きな川の近くに行ったことがなかったので、水が流れる風景を見て少し癒されようかなあと。
気づいたら橋に差し掛かっていた。
崑崙山脈を水源とする河で、水の流れはそんなに多くなかったが、河原はかなりの広さだったので、雪解け時期などはもっと大きな流れになるのかもしれない。
橋を越えたところでびっくり。
突如、ものすごいたくさんの人の姿がそこにあった。
なんだなんだ???
こういう風景は、街中だとところどころにある。
何をしてる人たちが集まっているんだろう?と思って近づいてみると、中古の携帯の売買をしていた。
その風景に似ている。
手に何かを握って見せ合ったり、
なにやら激しく交渉してるらしいところとか。
しかし、バスを降りて近づいてみたら、
手にしているのは携帯電話ではなく、石だった。
いや「石」って言っちゃいかんのかな、
「玉(ぎょく)」だ。
数千年の歴史を誇り、アラブやヨーロッパ諸国でも珍重されてきた和田玉だ。
いくつかの玉を手に、立ったまま交渉・売買する人もいれば、もっとたくさんの玉をこうして水につけて売る人もいる。さらには、板の上に大量の玉を山積みにして、じゃらじゃら売ってる人も。
どこまでがただの「石」で、どこからが「玉」なのか、素人の自分にはよくわからないが、目利きな人たちは、価値の高い玉を買い集め、加工して、製品として売るのだろう。
ウルムチにも、たくさんの和田玉の専門店があった。
よし!私も探すぞ♪
景気づけに、屋台で売っていたゆで玉子を一個買って食べ、河原に降りてゆく。
・・・あたりまえだけど、石だらけだ。
いったい、どのあたりにあるんだ? 和田玉。
せっかくだから、まっ白くて透明感のある「羊脂玉」とか見つけたいなあ。
河原に降りて改めて眺めると、
いい年した男性達が、点々と歩きながら、ずっと下を向いて足もとの石を見続けたり、穴を掘って石を拾い集めているのは、なかなか不思議な光景だ。
シャベルを持ってきて、本格的に掘り起こしている人たちも。
撮影してもいいですか?と近づいて行ったら、
ポーズをとってくれた人たち。
いや、その、撮りたいのはその後ろの穴掘りなんだけど・・・でもありがとうございます。ラハメット。
川の中に穴を掘って探す人も。
毎日たくさんの人が、何千年もの間こうして探し続けてきたんだろうなあ。
それでもまだいい玉がたくさん産出されるのってすごいかもかも。
流れは浅く速く、水は冷たかった。
私もいくつか、川の中から石を拾ってみた。
そしてびっくり。
適当にいくつか拾っただけなのに、どれもきれい!
河原の石が埃まみれだっただけに驚いてしまった。
記念に和田玉の加工品を何か買おうかと思って少し物色していたんだけど、なかなかぴんとくるものがなかった。記念品、これでいいや♪
今日の戦利品を嬉しそうに見せてくれる人。
ウイグル語なのでなんといっているのかわからないけど、すれ違うとみな同じような言葉をかけあっている。おそらく「いい玉はあったか?」みたいな挨拶なんだろうな。
のどかな風景。
ここで玉を探しながら暮らすなんてのも素敵だなあ・・・と思ってしまったり。
橋のたもとには、「玉」ハンティング用のグッズも売られていた。
もしいつかここを訪れる人がいたら、ぜひ本格的なグッズを一式そろえて、旅費の足しになるような見事な和田玉を探し出してみてください!
> 続く