中国の開放的なトイレの話
中国旅行話でよく盛り上がるトイレネタ。
中国のトイレは、扉がないところが多い・・・という話。ホテルやスーパー、駅などのトイレは、足元まで扉があって全く違和感なく使えるけど、街中の公衆トイレとか、長距離バスで移動している途中の、バスターミナルのトイレなどは、敷居だけあって、扉がないものも多い。
「えええっ、本当に全くないの~!?」
と驚かれるが、割とすぐ慣れちゃう。
慣れてしまえば大丈夫だ。
変に狭くて汚い扉や壁の個室トイレで、出入りする際に洋服や荷物がぶつかってしまうことを気にするよりは、むしろすっきりしてたりもする。
すべてではないが、街中の公衆トイレなど驚くほどきれいに清掃されている。街中美化の一環なんだろうか。
もちろん、最近の日本のトイレは(特に都市部)「ここまできれいじゃなくてもいいだろ・・・」というほどに、清潔通り越して、過剰に美しかったりするので、それと比べちゃったらあれだけど。
昨年秋、シルクロードエリアを旅行していた時、何度か「撮影したい・・・」と思いながら、なかなか実現しなかったのが、そんな中国の「開放的なトイレ」だ。
やっと撮影できたのは、阿倍仲麻呂の記念碑を見に、西安の公園を訪れたときのこと。
公園の隅っこのほうに、その公衆トイレはあった。
これが日本の地方都市だったら、はっきりいって、中はちょっと不安なシチェーションだ。できれば、駅かスーパーまで我慢しちゃおうかな・・・という。
ただ、旅先では、行けるときに行っておくが基本。
で、入ってみた。
やはりここも、一日何回も清掃が入っているらしい清潔な公衆トイレだった。
そして・・・
すごく開放的なトイレだった。
慣れない外国人旅行者は、誰もいない状態で初めて「開放トイレ体験」すると、大きな間違いを犯してしまう。
壁に向かって、手前にお尻を突き出してしゃがんでしまうのだ。
正しくは、手前を向いて用を足す。
つまり後から入ってきた人は、しゃがんでいる人の顔と上半身、膝が見えるだけで、お尻は見えないし、何かがぽとんと落下する瞬間なんかも見ることはない。
ごくたまに混んでいて、手前に順番待ちの人が立っている時がある。
マナーとして、人が用を足している姿が見えない場所で立っているのかなと思ったらそうでもなく、若い20代の友達同士らしい女性二人が、一人はしゃがんで用をたし、もう一人はその手前に立って、普通に何か世間話をしていたりする。
慣れるまでは、なかなか不思議な光景だ。
(というか、自分が用をたしてる時に前に人が立つと、真剣に焦る・・・)
個室・・・というかブース内はこんな感じ。
写真で見るとちょっと汚れてる感じに見えるが、実際はそうでもなく、きれい。
(穴のまわりは、清掃の後だからだと思うけど単に濡れているだけ)
この記事を書きながら、ひとつ思い出したことがある。
自分が中国でトイレを撮影したのは、これが最初ではなかった。
2004年に旅行した時にも、上海でものすごいきれいな公衆トイレを体験し、撮影していた。
噂に聞いていたのとは全く異なり、通りにゴミひとつないきれいな上海の通り。
その道路標識をよく見たら、なんと公衆トイレの場所を指し示すものだった。
50m先トイレって・・・。
私が入った公衆トイレは、観光客も多く訪れる豫園近く。
そのためか、建物も真新しくぴかぴか、標識がなかったらトイレとわからないほど。
中国の公衆トイレはだいたいどこもそうなんだけど、入り口に管理人さんがいて、5角(今の換算レートだと8円くらい)払って利用する。
なかも非常にきれいだった。
↑ただし、扉はないけど(笑
このトイレは、白いタイル張りの溝部分に用をたす。
水はちょろちょろ流れているが、重たい固体を押し流すほどの力はない。どこにも水を流すレバーとかなかったので、きっと定期的に、管理人のおばさんが何かの方法で水を流してきれいにしてくれるのだろう。
このパーテーションみたいなところには、ちゃんと荷物を引っ掛けるフックもついている。
2004年の自分は、中国式公衆トイレ初体験をこう書いている(該当記事)。
溝部分はタイルが張られているのだが、こちらも紙ひとつ残っておらず、洗剤で磨いているかのようにきれい。せせらぎのように、あるいは流しそうめんでもやってきそうな感じでちょろちょろと水が流れている。
なんかプールサイドのシャワーみたいだ。
まあ、おっきな個室だと思えばいいや。
確かに「大きな個室」だと思えば、あまり気にならなくなる。
欧米人が、銭湯とか旅館の温泉に入るのとか、そばを音たててすすって食べるのとかに、「勇気がいる」と語るのと、同じレベルかもしれない。
今年はきっと、北京オリンピックで中国を訪れる人も増えると思うけど、でかけた際には、ぜひ中国式公衆トイレを体験してみてください♪