帰国!~一期一会&次回は中国語を話すぞ!
本当に言葉が通じなかった。
これまで旅行した中ではもっとも人と話す機会が少なかった気がする。
英語通じないとは言われていた他の国でも、外国人の宿泊が多いホテルスタッフは片言話せたりして、観光相談に乗ってもらったり、自己紹介したり、それなりにコミュニケーションはあった。
今回は、星付きホテルでも、英語まったく通じずというところがほとんど。
筆談や中国語会話集に載っている簡単な文章で、とりあえずの用件はすむものの、会話にはいたらず、こちらが話したくても、相手が面倒がってしまうことが多かった。
「やはり中国に来るなら、最低限の会話はできるようにならなくちゃ」
と強く思った。
そんな中でも、楽しい思い出をくれた人達がいる。
最初は、トルファンで一日ツアーに一緒に参加したカナダ人女性。
アジア好きの格好いい旅人。
「日本ではカプセルホテルに泊まるの」
「高野山では修行するわ」
なんて通な話にびっくりさせられた。
12月初旬には東京に来るそうなので、その時に再会するのが楽しみだ。
そのトルファンの一日ツアーを手配したのは、日本語ぺらぺらのウイグル人。
なぜかここのバスターミナルには、日本語を話すウイグル人が3人もいた(もっといるらしい)。
日本語を話す地元の人にあったのは、
ここと蘭州の日本語学科の学生さんくらいだ。
夜もカナダ人女性、運転手さんと4人で食事に行き、
ウイグル族のこと、トルファンのこと、いろいろ話ができよかった。
まったくお互いに言葉通じないのに、
そんなことお構いなしにだーっと話しかけてきて、
結構長い間、一緒にカメラで遊んでしまったのはクチャのモスクで出会った女の子たち。
子供って、やっぱりすごいと思う。
和田(ホータン)の川で会った人達とも、
じっくり話はしていないが、ジェスチャー交えながら、楽しいひと時を過ごさせてもらった。
見た目はまったく漢族と同じ自分。
街を歩いていても、駅でぼーっとしていても、電車に乗っていても、いろいろな人が漢語で話しかけてくる。
一番の理由は、自分が持っているビデオカメラだ。
「何を撮っているんだ?」
観光地で遺跡撮影してる人は少なくないが、
自分は割と街中で面白いものを見つけると撮ったりしていた。
「あの屋根の瓦のところから植物が生えているでしょ」
日本語とジェスチャーで話す。
「クーリエー(韓国人)?」
「ヤップンイエー(日本人)」
ああ、日本人か。
それにしてもお前、変なものを撮ってるなあ。
ははは。
ははは。
そして周りの人も寄ってきて覗き込む。
せっかくなので、巻き戻して再生。
ハイビジョン撮影できる「HDR-HC3」は、液晶で見てもものすごく映像がきれい。日本人に見せても「おおっ!」と驚かれる程だ。
ど素人が撮影した5秒ずつくらいのシーンが単純につながってるだけの短い映像でも、格好いい「作品」になってしまうのが凄いところ。
今回も、地元の人にとってはなんの変哲もない街中風景に、多くの人が「おおっ!」と驚いてくれた。
「どこで買ったんだ?」
「いくらする?」
「この映像は何にするのか?」
たぶんこんなことを聞かれたのだと思うが、質問攻めにあうことも多かった。
ウイグル語まではできなくても、せめて次回来るときには中国語を・・・。
毎回思うのだが、今回は痛切にそう思った。
敦煌では3人の日本人と会った。
西安までの列車では、仲のよい中国人夫婦と、筆談と中国語会話集でお話させてもらった。
「お会いできてよかったです」
西安が近づき、列車が徐々に減速しかかる中、
最後に中国語会話集のこの文章を指差して、カタカナを読み上げると、なんとも素敵な暖かい笑顔を向けてくれた奥さん。
もう二度と会うことがない人達がほとんどだけど、
写真やビデオを見ると、何度でもその時の情景が思い出される。
「谢谢您」
> 続く