天池バスツアー
3日目(21日)は、ウルムチ観光の目玉「天池」バスツアー。
朝9時半に集合場所にいかなくては!ということで早めに起きたのだが、7時過ぎでまだ窓の外は真っ暗。
前日、なかなか外が明るくならないのでずっとベッドに入っていたら8時半過ぎになっていた理由がやっとわかった。
中国は東西に広い。
その全土で、日本と時差1時間の北京時間を使っている。
(非公式には、さらに2時間差の新疆時間というのがあるらしい)
そりゃ、7時じゃ真っ暗なわけだ。
で、無事集合場所にたどりいついたのだが、そこでトラブル発生。
「迎えはどれ?」状態になったのだ。
まったく関係ない「天池一日遊」バスに乗り込んでしまったり(というか、ツアー申込証を見せたら引っ張り込まれたのだが、結論としては違っていた)、旅行会社のオフィスに連れて行かれたり、全く言葉が通じない中でたらいまわし状態になりながら痛感したのは、
「次に来るときは最低限の中国語を・・・」
ということだった。
全く英語も通じない中で、ツアー参加をあきらめかけた時、バスガイドの女性がやってきて、やはり中国語で何かばーっとまくしたてた後、バスに連れて行ってくれた。ハムドッラー。自分のせいで、9時半出発のツアーは20分遅れで出発となってしまったらしい。
中国人で満員のバスの中、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、「対不起(ドゥイブチー)」と心の中でつぶやきながら一番後ろの席に座った。
片道2時間半の行程、なにがすごかったって、バスガイドの女性が、激しい剣幕の中国語で(自分にはそう聞こえる)ずっとずっと話し続けたこと。それこそ、ガマの油売りか、アメ横の乾物たたき売りか?というようなすごいスピードと迫力。
普段、理解できない中国語も「たぶんこんな話をしてるんだろう」と、勝手なイマジネーションで翻訳してる自分だが、彼女の話は全くわからなかった。
途中、バスツアー会社と契約してるらしいお土産物屋さんに止まるのは、世界各国共通の習わしらしい。
ここは、漢方薬を売っているところらしい。
売り場に入る前に、椅子がいっぱい並んでいる小さな部屋に全員入り、何か歴史や効用について話を聞かされたようだ(自分は席が足りなかったことと、入ってもまったくチンプンカンプンなので、遠慮した)
天池エリアは、環境保全のため車の乗り入れが制限されていて、全員ミニバスに乗り換える。
ミニバスは、ぐんぐん坂をあがってゆく。
ミニバスを降りたところは、観光客向けのお店がたくさん並んでいた。
雰囲気としては、日光か箱根って感じ。
10月第一週あたりは、国慶節はさんで中国国内は観光ラッシュになるみたいだが(日本でいうところのGW)、その反動もあって、今はかなり空いているとのこと。確かにホテルもどこもガラガラで、宿泊料も半額以下になっている。
ミニバスを降りた場所から天池まで、まだかなり距離がある。
ここも、乗り物があったが、自分たちのツアー一行はてくてく歩いて行った。
で、ここが寒い!
自分は、薄地のタンクトップ、長そでのコットンシャツ、その上に少し厚地の綿のジャケットを着ていて、ウルムチ市内ではまあ、ちょうどいい服装かなと思っていたのだが、ここでは震えた。
なにせ、日陰には雪が積もっていたのだから。
この後、シルクロードはどんどん寒さが増してゆくので、どこかでタイツとマフラー、手袋を買おうと思った。
暑いのはまったく問題ないんだけど、寒いのはほんと苦手な自分。
そしてたどりついた“中国のスイス”天池。
いやー、たしかにこの風景は見事だ!
ちなみに海抜1910m。
標高5445mのボゴダ峰の中腹にあり、
湖の向こうには、天山山脈が見える。
絶景。
湖畔では、ウイグル族?カザフ族?の女性の民族衣装がはためいていた。
どうやら、これを着て記念撮影ということらしい。
観光船に乗った。
一人60元(約960円)とちょっと高めだったので、ツアーの中でも、これに乗ったのは少数だった(私は、中国語がわからず、てっきり全員乗るのかと思って乗ってしまったのだが)。
さすが高級遊覧船で、こんなおやつが配られた。
ドライフルーツ。
さらに民族舞踊も。
実はほとんどの人が乗らないのだと気づき軽くショックを受けていたのだが、これが見れるならよしとしよう。
なかなかよかった♪
同じツアーにいて、遊覧船でも一緒だった女の子3人組。
大学生かな?リッチなようで、その後、ヒスイなど“和田玉”お土産店でも、いろいろ買い物してたみたい。
その中の一人が持っていたデジカメがサイバーショットTシリーズで(たぶんT100)、思わず見合ってしまった。
続いて、今度は男性の歌手登場。
熱唱していた。
・・・が、なにぶん観光オフシーズンなもんで、なにかさみしい。
全員でちゃんと心をこめて拍手したが、それもなんだか空しい感じだった。
雪をかぶった山脈を背景に・・・
記念撮影。
この撮影しているほうの人は、なんとブラジルに30年以上住んでいる人とかで、久しぶりに中国に来て観光をしてるのだとか。日本語も話せてびっくりした。
今度は、かわいい2人の女の子が、かわいい踊りを披露。
うまいのか下手なのか全然わからないが、とにかくかわいかった。
最後は、お客さんを舞台に引き込んで一緒に踊る。
3人連れの女の子のうち2人が舞台で踊っていた。
中国の人は、国内旅行でもこれだけ“異国情緒”たっぷりな体験できるのだから、いいよなあ。
(日本でいうと、アイヌコタン体験とか、琉球舞踊体験とか、そんな感じなのかな)
お昼も天池で。
「ライスかヌードルか」とだけ聞かれ「ライス」と答えたらこれがでてきた。
とにかく人参がやたら入っている炒飯だ。
その後、ガイドに「3時半にバス集合」と念を押され、自由行動に。
朝、ひとり遅刻状態になってしまったので、今度遅れるわけにはいかない・・・と、早めに天池湖畔を離れ、ミニバス乗り場近辺のお土産売り場で時間をつぶすことにした。
まだ、旅程が長い自分、民族衣装とかには全く興味なく、「見るだけ~」。
唯一興味がわいたのが、この「ナン」。
ウイグル族の主食で、かなりおいしいらしい。
値段は一個5元。
まわりの人は、20元の羊肉湯(ヤンロンタン)とナンを注文し、スープにナンをつけながら食べたりしてるみたいだった。
ナンは、その場で焼いていた。
まず生地を力強く練って、丸く広げてゆく。
そして木製の型で、ぽんぽんぽんと模様をつけてゆく。
そこに、ゴマをたっぷりつける。
ゴマは、油のようなものが加えられてどろどろっとしたものになっていた。
それを、大きな丸くこんもりした台の上に乗っける。
そして、縁を成型。
ちょっとよくわからなかったが、たぶん粉を上からつけていたんだと思う。
そして、最後の台座ごと窯の中に入れて、勢いをつけて、窯内側の壁面にたたきつける。あの台はそのためのものだったみたいだ。
そして、焼けたころを見計らって、二本の串で取り出す。
焼きたてほくほくのナン!
ずっと撮影していたらムショウに食べたくなって、買っちゃいました。
丸いままかと思ったら、その場で包丁で切ってくれた。
油たっぷりで、ふわふわで香ばしく、ちょっと塩気もある味。
おいしい。
チャーハンも大量に食べていたのに、ついばくばくと食べてしまった。
残ったものを翌朝も食べたが、やはり焼き立てが一番♪
帰りがけに、入口のパネルを見たら、温度10度になっていた。
そりゃ寒いはずだ。
その後、再びバスに乗って、砂漠地帯みたいな荒涼とした風景の中、ウルムチ市内に戻ってきた。
言葉はまったく通じなくてドキドキものだったけど、
それなりに楽しめた気がする天池ツアーだった。