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北京から天津まで~中国の電車

写真友人とはここでお別れ。
後姿を見送って、北京駅へ地下鉄で向かうことにした。新疆飯店からは一駅なので歩いてもよかったのだが、この日は相当な距離を歩くことになるので、けっこう慎重。


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北京の地下鉄はとても動きやすい。
距離によって少し違うのかもしれないけど、普通に近距離なら一律3元。チケット売り場はスタッフがいるカウンターになっているので、地元の人達の真似をして、1元札を3枚差し出すと、ちっちゃなチケットがぽんとだされる。5元・10元札しかない時には、指を3本たてれば大丈夫。

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行き先も漢字表示でわかりやすい。
何分かかるかもちゃんと書かれている。

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北京駅、立派!!!

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チケット売り場はたくさんあるんだけど、「ここでいいのか?」というのがよくわからなかったので、一番右手奥ににあるチケット売り場に行ってみた。ここは非常にきれいで、あまり人がおらず、もしかしたら、特別快速など専用の売り場なのかな?あとでガイドブックを見て確認しておこう(外国人用だったのかも)。

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チケット買うのに苦労するかな?軟座・硬座の区別とか何等の列車を買うかとかどう伝えればいいのかな?そもそも、チケットが午後の分まで買えないとかだったら悲しいなあ・・・なんて思っていたんだけど、一発OKだった。

天津と紙に書いて、「今天(今日)」とだけいうと、向こうが中国語で何かを言う。わからないという顔をすると、自分の紙に「10:30」と書いてくれた。「OK」そういうと、中国語で「30元」と言いながら、指で30を示す(パネルにも便名や発車時間、料金などが表示されるので問題なし)。

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すぐにチケットが発券された。
漢字圏っていいなあ。

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さて切符。
見方が一瞬わからないが、ちょっと駅内を見渡すと何が書かれているのかすぐわかる。基本的には、日本で新幹線のチケットを買ったときと一緒だ。「北京→天津」とある右側の「T535次」とあるのが列車名。駅でどの番線から発車するのかなど探す時のキーになる。その下には日にちと発車時刻、そして「02車下049号」(車は「牟」に似た簡体字)とあるのは、どうも「車両番号&座席番号」らしいことがわかる。みょう~に長いバーコードもついているが、特にこれが必要そうな場面には遭遇しなかった。

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駅の中に改札があるのではなく、駅の建物に入るときに、切符チェックがある。ちなみに「站」と書いて「駅」だ。

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北京駅に入るとこんな感じ。
まんなかの電子掲示板に、列車の便とどこから発車するか表示される。エスカレーターをあがったところにもちゃんと詳細があるので、軽く覚えて通りすぎてしまっても大丈夫。

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一応、近づいて写真撮影(デジカメってこういう時にメモ代わりになって便利♪)自分が乗るべき「天津行き10:20発のT535便」は、「2楼中央●票庁」(●は檜に似た文字)」からの出発なことがわかる。

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エスカレーターあがると、正面が「中央●票庁」右手が「第一候車室」左手が「第二候車室」となっていて、自分の乗る「T535」は、「中央●票庁」の「二楼正南側」のところに書かれている。

なんで、とりあえず正面に進む。
(もうこのあたりは感覚です/一瞬戸惑うので、最初30分は余裕持って動いたほうがよさそげ)

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中央●票庁に進むと、両側にいろいろお店もあって、飲物や食べ物、ちょっとしたお土産なども購入できる。

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あった!発見!
韓国もそうだったけど、「ホームで電車を待つ」というのではなく、出発時刻の少し前まではここで待つ形になる(もしかしたら長距離だけかもしれないけど)。なので、結構たくさんの人が、ホームに向かう階段の上で待つ羽目になる。

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これが何なのかわからないけど、気になったので撮影。お金を入れると一体何が見えたのだろう???

時間もあったので、

「地元の人と同じようなことをしよう」

と思って周囲の人の動きを観察すると、とりあえずお水などの飲物を買ったり、あと新聞を買ったり。そっか、新聞か!漢字で書かれているから半分以上は何が書かれているかわかる。暇つぶしに買ってみよう!と思ったら・・・

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「日本強占中国国宝」

という記事がいきなり1面トップ。
うーむ。

そういえば、同じ記事を、出発前に朝日新聞の一面で読んでいたぞ。日中戦争だったかそのあたりで、日本軍が持ち帰ってきた石碑かなにかが、皇居の中に国宝として保管されていて、一般公開もされていないといった内容だった。

「新聞を買う!」と決めてここでひいたらチキンなので、勇気をだして購入。

まじめに読んでみると、「日本の朝日新聞の報道によると」といった形で、朝日新聞の記事を受けて、中国でも一面記事としてとりあげた形になっていた。朝日新聞では、「中国に返還すべき」的論調にまで踏み込んでいなかったものの、暗にそれを感じさせる記事になっていたが(学者コメント等で)、中国側の記事はもっとストレートだ。

個人的には、日本にあってもさほど意味のないものな気がするし(よく知らないけど)、確かに「強奪」的な形で皇居に持ち込まれたものだから、返還していいものだと思うけど(ただ、中国─朝鮮半島の歴史関係に影響ある政治的遺物かもしれない)。

特に日本政府も日本の世論も「返還なんてとんでもない!」「これは日本の国宝だ!」と主張しているわけでもないと思うものだが(そもそも知らなかったよ、そんな存在!)、中国の新聞では、割と敵対的なトーンで書かれているような印象も受け(あんまちゃんとは理解できてないです)、このあたりが意識差なんだろうなあと。

まあ、確かに他にも相当国宝級のものが日本に持ち込まれている(=強奪されている)という現実、自分含め、あまり知られていない。韓国や中国を旅行すると「ここの黄金の柱は日本軍が・・・」などというガイドブックや説明版の記述を読み、「意識してないよなあ・・・日本人。つか自分」と思うことが多々ある。

同じ事実でも「持ち帰った」「強奪された」、このニュアンスの差は多分大きい(今回こう書かれていたというわけではないです/でも日本の新聞が「日本軍が強奪し・・・」とは、あまり書かないですよね)。

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そして、新聞片手に、ホームに下りてゆく。

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反対側には、上海行きの寝台列車が止まっていた。
二段ベッド。いつかこんなのに乗って旅したいなあ。

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各車両に女性の乗務員がいて、ここでチケットを確認。

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「02車下049号」は、やはり「2号車下49座席」という座席番号だった。車両が2階建てなので、「上下」表記がある。ちょっと自信なかったので、隣の席の女性にチケットを見せ、自分の席を指差し「OK?」と聞くと、にこにこしながら「そうですよ、あなたの席はここで間違いないですよ」と(多分)中国語で答えてくれた。

海外旅行のコツは丁寧に「聞く」ことだと思う。

言葉が通じなくても、たいていのことは「聞く」ことができると思っている(もちろん政治とか哲学とか、抽象的なことは難しいけど)。

そしてその次のコツは、聞いて教えてもらったら、誠意をもって「感謝」の意を伝えること。不思議なもので、好意・悪意は、カルチャーの違う国であっても、間違って伝わることはなく、「ありがとうございます。助かりました!」という気持ちは、言葉を超えて確実に伝えることができるものだ。

この時も、自分が最初に「自分はこの席でいいのでしょうか?」と聞いた女性は、道中ずっと自分のことを気にしてくれていたようで、天津駅に着いたときには、「あなたの目的地はここですよ。自分も降ります。あなたも一緒です」といったようなことを、わざわざ腕を触って注意を促し、言ってくれた。ありがたい!中国の人は親切だ!

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ちなみに、北京─天津の特快は、二階建てで、席は向かい合わせの6人席と4人席。6人席のほうはこんな感じで、テーブルにはゴミを乗せる用なのか、アルミのお盆のようなものが置かれていた(終点近くで、乗務員がゴミ回収をする)


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