【PR】マウンテンバイクが"電動アシスト付"に!?欧州で大ブレイクの「Eバイク」日本定着なるか~スポーツサイクル向け電動アシストユニット「シマノSTEPS」搭載バイク試乗体験
初めて「電動アシスト付」のスポーツサイクルを目にしたのは今年の夏。
小型バイクでのソロツーリングで立ち寄った東海道の要所・さった峠の駐車場でロードバイク乗りの男性に会った。愛車にまたがってひとりで何処へでも出かけてしまうというその方の年齢は・・・
78歳!
「スゴイですね、こんな峠にまで!」
「いやもう年だから。実はこれ、電動アシスト付なんだよ」
パッと見は普通のロードバイク。
でも言われてよく見たら、バッテリーの箱がついていた。
長い登り坂などで稼働させるのだという。鍛えられた身体の持ち主の方だが、それでも「電動アシスト付じゃなかったらもう無理だよ」とも。
目次
欧州で大ブレイク!電動アシスト付スポーツサイクル「Eバイク」
それ以来「電動アシスト付」のスポーツサイクルに興味を持ち始めた。
日本ではまだレアだが、欧米とくにヨーロッパでは数年前から爆発的な大ブレイクをしており、日本メーカーも参戦する熱い市場になっているそう。
ロードバイクやマウンテンバイクなど新製品が次々発売となり、
「Eバイク(E-bike)」
として、愛好者を急速に拡大させている。
●スポーツ自転車に電動アシスト 欧米で人気、日本にも|NIKKEI STYLE
例えば、参加者・観客合わせて延べ人数約7万人以上を誇る北米最大規模の自転車イベント「シーオッタークラシック」では、プロ選手からシニアのアマチュアライダーまで参加する電動アシストMTBのXC(クロスカントリー)レースを開催。欧州のアルプス各地では、電動アシストを使ってきつい上りコースを走り、アシストをオフにして爽快なダウンヒルを楽しむといった遊び方の人気が高まっている。
世界最大規模の自転車部品メーカーである日本のシマノは、海外で電動アシスト自転車ユニットの販売をすでに開始しており、今後は日本での展開も期待される。
記事内にもあるが、世界最大の自転車部品メーカー・シマノも3年前から欧州向けにスポーツバイク用電動アシストユニットを発売している。
それでは日本はどうなのか。
そもそも電動アシスト付自転車が誕生したのは日本。ヤマハ発動機が1993年に発売開始しており、体力に自信がない女性や高齢者の買い物の足として普及してきた。スポーツサイクル分野でも2年前からヤマハが発売を開始しているが、まだ欧米のような大ブレイク状況には程遠い。
なぜか。
日本の電動アシスト付スポーツサイクル事情
最大の要因はやはり、電動アシスト自転車に関する規制だ。
電力駆動の乗り物は、道路交通法によって厳しく規制されている日本。
- 時速10キロ以下:人力の2倍までの電力補助
- 時速10キロ以上:その比率は段階的に下がる
- 時速24キロ以上:電力補助はゼロに
自転車の平均速度に関してはこんな記事がある。
●自転車の平均的な速度は?長距離・長時間走行のコツは? | BICYCLE POST
国土交通省が行った調査によると平均で時速14.6キロ。ロードバイクなどスポーツサイクルなら時速20キロは割と軽く出るだろう。
ところが時速20キロを越えるあたりから、電動アシストはあまり効かなくなり、ユニットの重量分だけ「車体が重たい」ということになってしまう。
「欧州基準の電動アシスト付バイクなら魅力的なんだけど・・・」
そう語る人が多いのも納得だ。
しかしながら「時速24キロ以上でゼロアシストなら意味はない」と決めつけてしまうのはもったいない。目的設定次第でスポーツサイクルでも
「電動アシスト付ならではの可能性」
は大きいからだ。
- 登り坂での補助力活用
- ロングライドで疲弊する後半に活用
- 初心者・体力に自信のない人でも気軽にスタート
例えば冒頭で紹介した70代後半のベテランサイクリスト男性のケースもそう。鍛えていても筋肉量低下は避けられないシニア層。長い登り坂など中心に電動アシストの補助力を活用すれば、山道でも十分楽しめる。
初心者や体力に自信がないけど、ロードバイクやマウンテンバイクに挑戦してみたい。そんな人にとってハードルを下げてくれる役割を果たすだろう。実際40代後半の自分も、電動アシスト付があると知り、スポーツサイクルに挑戦してみたくなっている。
規制が厳しめの日本だからこそ、電動アシスト付でもしっかり運動になるし、スポーツサイクルとしての魅力も損なわれずに済むとポジティブに考えることもできるだろう。
日本で最初の電動アシスト付スポーツサイクルを発売したのは、「PAS」など電動アシスト付自転車のトップメーカー・ヤマハだ。2015年にロードバイクタイプの「YPJ-R」を、翌2016年にはクロスバイクタイプの「YPJ-C」を発売した。
パナソニックもクロスバイク仕様の「ジェッター」、マウンテンバイク仕様の「ハリヤ」を2017年にリリースしている。
そしてつい最近、シマノが電動アシストユニット「STEPS」の日本市場版を発表した。
2017年11月3日~5日に幕張メッセで開催された「サイクルモード2017」でも注目の話題で、「シマノSTEPS」を搭載したBESV(ベスビー)の「TRS1」と、ミズタニの「Seraph(セラフ)E-01S」の試乗枠はあっという間に埋まってしまったほどだ。
●日本攻略を狙い、電動のスポーツバイクが続々と登場するワケ | ニューズウィーク日本版
それらが出揃うのは来年春。
ネットで電動アシスト付スポーツバイクに関する記事を読んでいると、こんな予言も散見される。
「2018年は日本のEバイク元年になるだろう」
電動アシストユニット「シマノSTEPS」
さて少々前置きが長くなったが、
本題は電動アシストユニットの・・・
「シマノSTEPS」
シマノと言えば、世界最大の自転車部品メーカー。
欧州市場でシェアを伸ばしている電動アシストユニット「STEPS」の国内市場向け製品を発表し、来年2018年には複数のメーカーが「シマノSTEPS」搭載バイクを発売する。
●シマノが送り出すeバイク向けコンポーネント「ステップス」が来年国内向けに展開開始!その乗り味は? | サイクルスポーツ.jp
仕様詳細は上記記事を見ていただけたらと思う。
ユニットは、サイクルコンピューター、ドライブユニット、バッテリーなど複数のパーツから構成されている。参考展示されていたモデルを見ると、実際にこれらのパーツが埋め込まれているのがわかる。
最後まで場所がわからなかったスピードセンサーはどうやらこの中に埋め込まれているようで、リアディスクブレーキに取り付けられた磁石とセットでスピードを感知するとのこと。
「シマノSTEPS」搭載用としてデザインされたものはバッテリーも車体と一体化していて目立たなくなっている。
一方、マウントで取り付けられたものはややバッテリーが目立つ形に。
気になるのはやはり、重量と走行距離。
ミヤタサイクルから発売されるクロスバイク「CRUISE(クルーズ)」の場合、搭載する電動アシストユニットは「シマノSTEPS E8080」。3つあるモードのうち「エコ」モードなら115キロを電動アシストで走行できるという。
平らな道では電動アシストをオフにする人が多いだろう。充電スポットがなく予備バッテリーを持参しなくても、100キロ以上を電動アシスト付で走行できれば十分なのではないだろうか。ノーマルモードで106キロ、ハイモードで78キロ。
車体重量は18.7キロ。
これが電動アシスト付バイクとして重たいのか軽いのかはちょっとよくわかっていないが、別の記事によると「シマノSTEPS E8080」は2.8キロで非常に軽量コンパクトだとのこと。
●シマノがeバイクコンポ「ステップス」発表 新型アルテグラDi2も登場 - cyclist
●ミヤタがシマノ・STEPS搭載の電動アシスト自転車「CRUISE」を発表 - CyclingEX
欧州でEバイクが爆発的ブレイクをしている背景には技術進化がある。
- 電動アシストユニットが軽量コンパクトになった
- バッテリー性能があがり走行距離が伸びた
「ツーリング後半は電動アシストも使えず単なる重し」ということがなくなり、バッテリー残量をそれほど意識しなくても最後までしっかり走行アシストしてくれるようになったのだと、「サイクルモード2017」で説明を聞いたスタッフの方が話されていた。
「シマノSTEPS」搭載Eバイク続々登場
今回の「サイクルモード2017」では、シマノブースに3メーカーのバイクが展示されており、そのうち2モデルは各メーカーブースで申込をすれば試乗もできるようになっていた。
- BESV(ベスビー)「TRS1」 462,000円(税別)/2018年3月発売予定
- ミズタニ自転車「Seraph(セラフ)E-01S」 380,000円(税別)/2018年春発売予定
- ミヤタサイクル「CRUISE(クルーズ)」 269,000円(税別)/2018年2月発売予定
3モデルともに最近発表されたばかりで、発売は2018年春予定。
会場では、スタッフに質問しまくり、いろいろな角度から写真を撮っていた来場者の姿を何度も見かけた。取材の人だけでなく、来年の購入を視野に入れ情報収集中だった人たちも相当数いたのだろう。
サイクルモード2017でEバイク初体験
さてそんなEバイク。
私はそもそもノーマルなロードバイクすら乗ったことがないのだが、試乗もできるということで2つ体験させてもらった。
会場の一角には初心者向けのこんなコーナーも用意され、これから始めたいという人に少々複雑なギアチェンジ方法を教えるレッスンも行われていた。
まず試乗したのは、日本の電動アシスト付自転車では高いシェアを誇るヤマハ。
クロスバイクタイプの「YPJ-C」に試乗させてもらった。
既に発売されているモデルで試乗可能な店舗も全国にあり、公式サイトから試乗店舗を検索できるようにもなっている。
最初にスタッフからスイッチの使い方を教わった。
シンプルで、ボタンは4つだけ。上下向き矢印のボタンに電球アイコンのボタン(バックライト)、そして「S」と書かれたボタン。
電動アシストの走行モード「ハイ」「スタンダード」「エコ」の切替を行うのが上下向き矢印ボタンだ。
まずは「スタンダード」の状態で走り始めたのだが、いきなりびっくり。完全に平地なのに、まるでなだらかな下り斜面で漕ぎだしたかのようにすっと滑り出したからだ。
違和感は全くなく、スピードが出過ぎて不安になる感じもない。ただただ「ふわっと」自分と自転車が軽くなったかのような感触だ。
これが電動アシスト付の世界なのか!!!
その心地良さにいきなり興奮してしまった。
そして本命、シマノSTEPS搭載のBESV(ベスビー)「TRS1」にも試乗した。
私が到着した午後にはすでに整理券はすべて配布終了してしまっていたのだが、たまたま会場内で会った知人が午前中に取得していて「別のメーカーのシマノSTEPS搭載車に乗れたからあげるよ」と、親切にも試乗権をゆずってくれた。
こちらはマウンテンバイクタイプでタイヤもごつい。
ボディはとてもスタイリッシュなデザインで、バッテリーもしっかり埋め込まれボディに美しく一体化している。
自分には少々サドル位置が高かったが、なんとか乗ることができた。
スイッチは左側についており、大きな上下のボタンで走行モードを切り替える。
真ん中のボタンも何か機能が割り当てられていたのだが忘れてしまった(バックライトかな?)。
サイクルコンピューターはスリム。
走行モードは「ハイ」「スタンダード」「エコ」の3つになっており、スイッチを下に押し続ければ電動アシストはオフになる。
そして走り出したらもう何も問題なし。
マウンテンバイク自体が初体験だったが、こんなにも安定しているものなのかと驚いた。
最初に試乗した「YPJ-C」同様、ふわり滑り出すかのようなスタートで、加速しても減速しても違和感は全くなく、電動アシスト付であること自体を忘れてしまうほどに自然なアシスト。
試乗コース内の坂道にも突っ込んでみた。
自分の事前イメージでは、坂道に入り急にペダルが重たくなりスピードが落ち、その後、電動アシストが出力を上げて再び元の軽さとスピードになるのだろうと思っていた。
実際は違った。
どこまでも「シームレス」
なのだ。
坂を坂と感じさせない。ペダルが急激に重くなったり軽くなったりすることもなく、ガクガクとスピードが変わるということもなく、登り坂でも下り坂でもシームレスに滑るように漕ぐことができた。重力から解放された心地良さは、普段自分が乗っているエンジン付きのバイクともまた違うものだ。
もちろんそれじゃ物足りないという人は電動アシストをオフにすればいい。
とくとみぶろぐの徳富さんも試乗。
スタート直後の表情からは、心地良さに驚いている様子が見てとれる。
もう一台、ミズタニ自転車の「Seraph(セラフ)」も会場で試乗可能だったが、早々に整理券がなくなり、私は試乗することはできなかった。こちらも別のブログ運営者の方が体験していたので、興味ある方は記事を読んでみてほしい。
●【PR】#サイクルモード でe-Bikeに試乗 自然なアシストで加速や上り坂の楽さに感動 #Eバイクスポーツ #シマノSTEPS | Digital Life Innovator
誰もが無理なく楽しめるEバイクの可能性
初めてスポーツタイプの電動アシスト付自転車に乗ってみて感じたのは、
自分もこれなら楽しめるかも!
ということ。
私は今年47歳。
同世代女性の友人がロードバイクを最近始め、その様子をブログ・Facebook越しに見ているととても楽しそうで興味そそられるのだが、体力に自信がない自分が始めると考えるとかなり躊躇してしまう。
でも電動アシスト付なら大丈夫かも!
離島旅好きなので、アップダウンが厳しい地形も多い離島を電動アシスト付のスポーツサイクルで走ってみたい。そんな夢も生まれた。
「サイクルモード2017」会場の一角には、Eバイクの魅力を紹介するコーナーも作られていた。
みんなで楽しむ"最共"アイテム 電動アシスト自転車 スポーツ e-BIKE1993年に日本で誕生した電動アシスト自転車。海外ではe-BIKEと呼ばれ、今や日本だけでなく欧米などでも高い人気を誇る。とくにヨーロッパでは、日常使用だけでなく、MTBやロードバイクなどのスポーツタイプのe-BIKEも多くリリースされ、新たなスポーツ・レジャージャンルとして人気が拡大中!
コーナーに展示されているのは、スポーツEバイク大流行中の欧米のサイクリストたちの写真。
ヨーロッパではMTBレースの中にe-BIKEカテゴリを設ける大会も増えてきているそう。
そしてe-MTBで世界的に有名な峠に挑戦するサイクリストも。
少し前に中欧チェコを訪れたが、そこでも観光客向けのEバイクツアーが人気で、7つの丘の街とに言われる古都プラハを多くの人達が電動アシスト付ロードバイクで走っていた。
充電スポットもかなり整備されているそう。
アルプスには充電設備が設置された山小屋もあり、そこでバッテリーチャージしながらロングライドを楽しめるのだとか。
シェアバイクでも電動アシスト付モデルがあり、観光客の散策の足にも。
日本だったらレンタカーとなるところだろうが、やはり風景を思う存分楽しむには自転車がいい。電動アシスト付なら、日常生活で乗りなれていない人でも、無理せず長距離を快走できる。
電動アシスト付自転車を使ったツーリングツアーも多数実施されている。若い人から高齢者まで、そしてベテランから初心者まで、体力に自信のある人・ない人、大人に子供。
経験・スキル・体力などレベル差がある人が一緒に楽しむためのサポートをしてくれるのが「電動アシスト」だ。
現在日本では、電動アシスト付自転車というと、子供の送り迎えをするママのための乗り物というイメージも強いが、スポーツタイプの電動アシスト付自転車が普及することで、もっと多くの人が自転車へと戻ってくる可能性もあるだろう。
健康増進にもつながるし、週末を使ってのツーリングなど行動範囲がぐっと広がるきっかけにもなる。
私自身、40代になってからの普通自動二輪免許取得がきっかけで、日本中を旅するようになったし、仲間も増え、キャンプなどもするようになった。一言で言って世界が広がった。
Eバイクなら、より手軽に行動範囲を広げることができるし、エンジン付きバイクよりもじっくり風景を楽しむこともできる。車やバイクでは入り込めない場所に突撃してゆくことだってできる。なにより趣味と健康維持の一石二鳥になる。
今回発表・展示されていたモデル以外にも、今後続々と電動アシスト付スポーツサイクルが日本に登場するのだろう。
「サイクルモード2017」で試乗体験をさせてもらったことで、自分の関心も高まっている。
今はまだスポーツサイクルのカテゴリの違いすらよくわかっていないド素人だが、もう少し勉強して、今後登場する電動アシスト付スポーツサイクルをウォッチしてみたいと思う。
そこに新たな世界が広がっていそうな気がするので。
●日本最大のスポーツバイクイベント「サイクルモード」がお届けするスポーツ自転車の総合情報サイト
●シマノ
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