"電気で走る"日産車6台乗り比べ体験~最先端技術がぎゅっと詰まったスゴイ車たち
キャリア30年超の筋金入り「ペーパードライバー」だったが、親の介護などもあり遂に脱ペーパーを決意したのが今年7月のこと。ペーパードライバー講習や、レンタカー練習などに励んでいたところ、すごい貴重な機会をいただいた。それは・・・
「日産の試乗会」
それもタダの試乗会じゃない。
日産横浜工場の一角にある試乗コース「GRANDRIVE (グランドライブ)」で、"電気で走る"日産車5台+1台を乗り比べするというもの。
その6台がこれ。
・日産アリア
・日産リーフ
・日産サクラ
・日産エクストレイル e-POWER
・日産ノート オーラ e-POWER
・日産デイズ
私は車に関しては「知識も経験値もほぼゼロ」。
今回の試乗会テーマは「体感!電気で走るクルマ」だが、「電気だけで走るEV車」と「ガソリン&電気の両方で走るハイブリッド車」の2種類があるらしい程度の知識しかない。
日産の電動車比率がすごい勢いで伸びていることも初めて知った。
2022年7月の統計では全体での電動車比率は50%ほどだが、日産は8割超。しかもEV割合も高い。
●電動車比率トップは日産。2位は三菱。主要メーカー別パワーユニット比率(2022年7月)- carview!
そういえば最近バイクで公道を走っていると、後部に「e-POWER」というエンブレムを貼った日産車を頻繁に見かける。それが何なのかも今回初めて知った。日産のe-POWER車って・・・
「ハイブリッド車じゃなかったのね」
正確には「エンジン+モーター」なのでハイブリッドなんだけど、「エンジンでもモーターでも走る」のではなく、走行は電気(モーター)のみ。そしてエンジンは発電のためだけに存在する。従来のハイブリッド車とは大きく異なり、100%モーター駆動という点では、むしろEV車に近い存在なんだとか。
●日産のe-POWERとは?仕組みやEV・ハイブリッドとの違い、採用車種など | MOBY [モビー]
知らなかった~!
ちなみに今回試乗した車を「EV」「e-POWER車」に分けるとこうなる。
【EV:電気を充電してモーターで走る】
・日産アリア
・日産リーフ
・日産サクラ
【e-POWER:ガソリンエンジンで発電しモーターで走る】
・日産エクストレイル e-POWER
・日産ノート オーラ e-POWER
§他に「日産ノート e-POWER」「日産キックス e-POWER」「日産セレナ e-POWER」
【軽:エンジンで走る】
・日産デイズ
試乗会は、私がイメージしていたものと全く違った。
想像していたのはこうだ。日産スタッフ込みの4人1組チームを作り、一緒に一台ずつ乗り込む。運転してくれる日産スタッフの性能・機能解説を聞きながら写真撮影とかし、その後「誰か運転してみます?」的な流れかなと。
ペーパードライバーでびびりな自分も、走りやすそうな小型車があれば直線をちょっと運転してみてもいいかも。メーカーの人が一緒ならきっと大丈夫だろうと。
( ̄□ ̄;)!! 全く違った
「今から最初に試乗する車を読み上げますので、乗って発進準備をしてください」
えええっ、いきなり!?
しかも1人1台!?!?
先導車の後ろに6台の車が並び、6人の参加者が1人1台ずつ乗り込んで試乗コースを一周する。そして戻ってきたら1台ずつずれて次の車、という流れだった。運転の苦手意識・恐怖感が多分に残る自分には正直・・・
めちゃハードな試乗会だった!!!
ドライブへの入れ方もわからない。
サイドブレーキどれよ!?
最初プチパニックになったほど。
とは言え、変化に富む試乗コースをそれなりのスピードで走りながら、個性豊かなEV・e-POWER車を次々乗り換えてゆくなんて機会は滅多にない。
最初に乗ったのは、比較参考として用意されていた「日産デイズ」。
その後、「日産アリア」「日産サクラ」試乗。
少しずつ緊張がほぐれ、試乗コースにも慣れてきて、電気で走る車ならではの気持ち良さを感じる心の余裕もでてきた。
軽のEVとして今注目度も高い「日産サクラ」は小柄なボディで本当に運転しやすく、加速も減速も自由自在、行きたいところにすっと進む。そして乗り心地が最高に気持ちよかった。どう表現すればいいかわからないが、爽やかという感じ。
乗り心地のよさは、EV・e-POWER車すべてに共通した。
・スムーズ!滑るかのごとく走る!
・とにかく静か!
・加速より減速の早さにびっくり
運転経験なさすぎて、エンジン車との詳細な比較や、ましてや今回試乗した各車両の個性の違いまでは全く感知できていないのだが、この3点は強く実感した。
実はバイクではEVを既に体験している。
2019年春、ホンダが公募した「PCX ELECTRIC」のモニターに選出され、2か月間走らせてもらったことがある。
●新感覚の走り心地にはまる!電動バイク「PCX ELECTRIC」引き渡し日(WADA-blog)
●ホンダの電動小型二輪 静寂な走り、燃費100キロ超(NIKKEI STYLE)
走り出し時の抵抗感のようなものがなく、ツツーッと滑り出す。
四輪の電動車にも、初めて「PCX ELECTRIC」のアクセルを回した時のそんな感覚があった。
そしてこれは当然だけど静か。
耳から入る音はもちろんだけど、それだけじゃなく振動がないことで静かに感じている部分もありそう。視界は動いているから走り出したことは理解しているんだけど、体感として車が動いている感じがしないという、ちょっと不思議な違和感に襲われたほどだ。
よく「車の程よい振動で眠気を誘われる」的なことが言われるが、静かで振動がないと、それはそれで疲れている時など危険な気もした。
直線コースでは、車内に設置された無線経由で「100キロまで出してください」という指示がでた。運転慣れしていない自分には「100キロ」とか怖くて仕方ないスピードなんだけど、滑るように走り抵抗が少ないため、割とあっさり100キロまでアクセルを踏み込むことができた。
というか加速が早い。
それ以上に驚いたのは減速だ。アクセルを緩めるだけでスピードがぐんぐん落ちていくのはモーター駆動の車ならではなのだとか。操作に不慣れなこともあり、直線コースの終盤で割と一気にアクセルを緩めてしまったところ、急激に減速して驚いた。
慣れてくると、「ブレーキを踏まなくてもアクセルだけで確実に加減速」できることがとても快適に感じられた。
後半は、「日産ノートオーラ」「日産エクストレイル」「日産リーフ」。
エクストレイルは、自分が初めて乗った大きな車。
「ちゃんと曲がれるのか」「はみ出さずに走れるのか」と不安しかなかったが、スピード出ていても驚くほどくいくいスムーズに曲がり、加速も減速もあっという間で驚くほど。
思わず「おお!」と叫んでしまったのはヘッドアップディスプレイ。
フロントガラスに車の時速が浮かび上がるものだ。
今回試乗した中では、日産アリアと日産エクストレイルに搭載されている。
「あれは一体どんな仕組みなんだろう?」
と不思議だったんだけど、このYouTube動画で解説されていた。
時速だけでなく、ナビ情報もここに表示されるらしい。これは便利~!
バイクでも風防にこんな情報を映し出されないかしらん。
いやその前にスマートヘルメットか。
走りながら「きっとこれが安全のための機能なのだろうな」というものも体験できた。
ひとつは、白線を踏んでしまった時のハンドル振動だ。
コースの中に連続カーブのところなどがあり、運転超不慣れな自分は曲がりやすい車にもかかわらず何度か白線はみ出してしまった。対向車がいない試乗コースだから問題はないんだけど、大きなカーブでスピードも出ているとハンドルがぶるっと振動した。
あと、何かに接近しすぎた時にも通知のようなものがあったと思う。
ここはちゃんと覚えていないんだけど。
試乗が終わった後、「車の目」についても教えてもらった。
どの車も、外装に何か所ものセンサー。そして前方も側面も路面も監視し続けているのだという。
そして車周辺の環境をリアルタイムに認識把握し、必要とあらば制御する。
「高度な制御が可能なのも、電気で動く車ならでは」
という話がとても興味深かった。
最新の車には、どんな技術や安全性能が搭載されているのか。
車種によって異なるが、日産サクラの公式サイトでチェックするとこんな感じ。
・プロパイロット
・プロパイロットパーキング
・e-Pedal Step
・360°セーフティアシスト
・回避操作支援
このうち、今回体験させてもらった「プロパイロットパーキング」は、YouTubeに動画が公開されているのでこれを見るのが一番だ。
ここ二ヵ月ほど、ペーパードライバー講習やレンタカー練習でひたすら「駐車」特訓してる自分。動画に登場する・・・
「今までの駐車の苦労はなんだったんだ・・・」
ほんと、これ思った!!!
車の運転を「できるようにならなくちゃ」「できるようになりたい」という切実な思いを抱えつつ、駐車で他の車にぶつけたり細い道で左側面をブロック塀にこするのではという不安・恐怖感のほうが遥かに大きく、最初の一歩を踏み出せずにいた。
でもその間に、車の技術が何十歩も先に進んでいる。
プロパイロットの動画はこれがおススメだ。
同世代ペーパードライバー仲間と話をすると「早く自動運転にならないかなあ」「でもその前に私たちの寿命がきちゃうよ」なんて会話になるんだけど、実は現時点でも、最新技術が搭載された車に乗れば、自動化や運転サポートシステムで、それほど苦手意識抱えなくても済むことを今更ながらに理解した。
会議室では、どんな先端技術が搭載されているのかや、日産が目指すEVの話などもあった。
開発現場の、半端ないこだわりに圧倒された。
脱ペーパードライバー挑戦と、クルマ購入の検討を開始したばかりの自分にとって、今回この試乗会に参加させてもらえたのは、非常に大きな意義があったと思う。
「原付あれば買い物に便利かな」程度のFacebook投稿をしたのをきっかけに、なぜか免許とってなぜかはまって、日本一周沿岸ツーリングまでしてしまったのはバイクだが、車も割とはまるかもしれない。