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知床羅臼体験&知床岬クリーン作戦(9)山麓で5月に雪上ウォーク

羅臼岳はじめ知床半島の山は5月でも雪が残っており、知床峠に向かう道の途中の両脇も至る所、雪景色だ。私達か知床岬に向かった5月29日には山頂部で雪が降っていたという。

そんな雪の上を歩いて羅臼湖まで行くトレッキングツアーを、羅臼の宿まるみご主人の湊さんが企画してくれた。以前は宿でガイドツアーも行っていたようだ。

●羅臼の宿まるみ~知床羅臼観光案内「羅臼湖トレッキング」

残雪が硬くなった雪渓的なものかと思ったら、実はズブズブと足がめり込む柔らかい雪。やはり前日に降雪があったというのは本当のようだ。

途中から腰まである熊笹の中を藪漕ぎ。さらに冷たい雪解け水が流れる小川も越えて再び雪原に。

ここで個人的には今回のツアー最大のショックを受けることになる。

国道から雪の中に降り立ち30分も歩いた後だと思うのだが、なんと・・・

スマホを紛失していた!

途中まで持っていたのは確かだ。
スマホで動画撮影している途中、うっかり足元への注意が至らず、雪の下が空洞になっていたところを踏み抜いてしまい、ズボッと片足落ちてしまった。その時の貴重な動画がこれだ。

▼知床半島・羅臼湖雪上ウォーキング(で雪を踏み抜いて転倒)

その後、背負ったバッグにスマホを入れるべきだったが、動揺もあり、ついダウンの浅いポケットに突っ込んでしまった。次に立ち止まった時にバッグにいれようと思いながらすっかり忘れてしまったのだ。

雪の上か。
いや道なき道を進んだ熊笹エリアか。
小川に降りた時と、そこから再び雪の上に登った時も勢いつけたので、落下リスクは高かった。

聞くと帰りは行きとは別の道を辿るというので、私一人そこから引き返し、足跡を辿ってバスが停まっている国道まで戻ることにした。
7人以上が歩いているので、足跡はしっかり残っていたが、広い場所だとすこし散らばってしまうためわかりにくくなった。またもともと硬い場所は足跡も不明瞭。そして困ったことに、熊笹の中は、どう歩いたか全くわからなかった。この中でもし落としていたら見つけるのはもはや不可能だ。

それ以前に自分自身が方向を見失いそうになり、ちょっと焦った。

結論としては、無事ひとりで国道まで戻れたものの、スマホは見つからず。
雪上で見落とすはずはないので、熊笹エリアの可能性が濃厚だ。ああ仕方ない。100%自分の凡ミスだ。10万円以上する代物だが高い授業料だと思うしかないだろう。

できれば午後ずっと一人で探したいところだが、クマも出没する場所でそんなこと許されないだろうし、最終日なのに他の人の時間を私のために浪費させるのは心苦しい。

帰りに交番に寄ってもらおう。
そう決意したのだが、今回の取材ツアーの幹事役の板倉さんがこう言ってくれた。

「お昼食べたらみんなで探そう。一人では見つからないものも大勢なら見つかるかもしれないし、ダメでも諦めがつく」

そして本当に申し訳ないことに、午前中別件で雪上ウォークには参加していなかった人も含め、7人が探索に同行してくれた。

雪上では見つからず、熊笹エリアはどう歩いたか全くわからなくなっていたにもかかわらず、奇跡が起きた。
小川に降りたポイントに辿り着き、そこで奇跡的に見つかったのだ。

私のiPhoneが!!!

歓喜の笑顔。

それは小川の脇で、溶けて張り出した屋根状態の雪の下だった。真上から見ていた自分には全く見えていなかったのだが、斜め上にいた別の人が私の足元を指差して「あったー!」と叫んだ。

この瞬間、どんだけ嬉しかったか。
いやー、諦めないって大事なんだなあと。

雪の丘を二度も登って熊笹かき分け捜索してくれた、
板倉さんはじめとするメンバーの方々に深く深く感謝だ。

何かうまくいかないことがあったら、この時の写真を見直そうと思う。

[旅]知床羅臼2016年5月

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