東京・西多摩エリア"渓谷を望む絶景温泉"めぐり(4)檜原村の滝巡り~紅葉舞い散る払沢の滝~
瀬音の湯をでて、少し走るとそこはもう「檜原村」。
東京都民でも実は一度も足を踏み入れたことがないという人が多いだろう、伊豆七島以外では都内唯一の「村」だ。
105平方キロメートルと広いが、人口は約2200人。
1平方キロメートルあたりの人口密度は21人だそう。
立派な村役場。
「平成の市町村合併の時に隣接市町村とくっつかなかったのは何でだろう?」
という素朴な疑問からWikipediaで歴史を読んでみたところ、明治以降「村人の間で村政の主導権を巡って争い」が続き、分損問題はかなり長い間続いたらしい。山で集落が分断されている中でひとつの自治体を形成するというのは結構大変なことなのかもしれない。
興味ある方はぜひ。
ちなみに村内にコンビニはないとのWikipedia情報(最新情報かどうかは不明だが確かに見なかった気がする)。
檜原村内の温泉施設のオープンが10時からだったので、それまで滝巡りをすることにした。
村内には11か所の滝があるが、その中でも最も有名なのが「払沢の滝」。
日本の滝百選にも選ばれているのだという。
道路からも徒歩15分ほどなので、行きやすい。
「檜原村ということはじゃがバーガーですね!」
とFacebookでコメントをもらったが、残念ながら土日祭のみでかつ11月末日までだった。
じゃがいもは、傾斜地だらけで田畑作るのが大変な檜原村で、比較的作りやすく生育に条件もいい作物なのだという。
朝日を浴びて輝く紅葉。
まるで雲のようにふんわりして見えるのは、すでに葉が落ちてしまっている気も多いからなのかもしれない。
払沢の滝への遊歩道はきれいに整備され、しかも地面には木材チップが敷き詰められとても歩きやすくなっていた。林業の町ならではなのかもしれない。
途中にはおしゃれな喫茶店も。
こんなポスターも張られていた。
なんと冬は氷結もするらしい。まさか都内で氷瀑が見れるなんて思ってもいなかった。フォトコンテストも開催されている。
突如現れたレトロな校舎づくりの建物。
郵便局?
一般的にこういう淵は、許婚と無理やり引き裂かれ庄屋に手籠めにされて身を投げた若くて美しい村娘の名前がつけられたりしていると思うのだが、忠助いったい何があった!?
道はさらに奥へと続く。
傾斜も緩やかなので疲れることはまったくなく、森林浴を楽しみながらのんびり歩くことができる。こんな楽で気持ちのいい山歩きだったらいいなあ~。
そして途中から「遊泳禁止」の看板を多数見かけるようになった。
ペットの遊泳は・・・とあるが、下の張り紙を見るとおそらく人の遊泳も不可なのだろう。
水の源と書いて「水源」。
このあたりはまさに、山から染み出した水が集まり川へと育ってゆくそんな鼓動を感じさせてくれる清らかな風景だ。
そんなわけで、くどいようだけど水泳禁止。
あれ、檜原村の「檜」って簡略字でもOKなんだ。
そして遂に見えてきました、払沢の滝!
ピークは越えてしまったものの、このあたりは紅葉も多い!
渓流の岩に張り付く紅葉たち。
紅葉の錦、神のまにまに。
いや、錦ってほどではないか。次はもう少し早い時期、地面が真っ赤に染まっている頃に来てみたいな。
四段あり全段あわせると60メートルの落差。
僧侶の払子からこの名がついたそう。
ちなみにすみません、私は「はらいこ」と読んじゃいました。
勢いよく落ちる滝。
足元には形もきれいに残る紅葉。
岩には青いコケ、そして水面には青空もうつりこんでいて、そのコントラストも美しい。
再びどこかふんわりした紅葉の山並みを眺めながら、緩やかな坂を下った。
今回時間がなかったので、滝はここしか訪れなかったが、どの滝も檜原街道から近いので、村内の滝コンプリート目指して滝巡りしてみるのも楽しそう。
「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、「青ヶ島」を二泊三日で旅し、記事を書いています。