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ソウルの地下鉄(3):防災・事故対策編

写真いったいいつからこうなっているんだろう?

今年頭にソウルに出かけた時には気づかなかったので最近なのかもしれないが、地下鉄の火災対策がすごい。

どの駅のホームにも、こんな大きな棚が置かれている。
小学校にあったようなスチール製の棚。
下の棚には消火器と大きなランプ(割とがっちりしていて、バッテリーが大きそう)、そしてもうひとつは酸素ボンベのようにも見えるもの。

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上には薄いアルミの袋に入った小さなものがたくさん並べられている。一瞬、非常食か何かでも入っているのかと思ったが、棚上の看板の説明を見ると、この中には緊急時に頭にすっぽりかぶって首のところで縛る、黄色いビニール袋が入っているようだ。
同じようなものは自分も持っている。火事の際にすっぽりかぶって、煙を吸い込んで意識昏睡に陥らないようにするためのものだ。ただ、楽天内のショップで買ったその防災グッズは数百円のものなので、単純なビニールで、その中に溜め込んだ空気を吸いきったら終わってしまうもの(その前に二酸化炭素中毒になりそうだけど・・・)。

案内ボードを見ると、この棚にあるものは口のところになにか黒いものがついている。煙を除去して空気を吸うようなものなのだろうか?ハングルが読めないのでわからないが。

自分は今回、地下鉄でソウル内を動き回っていたので、10駅以上で乗り降りしたが、どこの駅にもホームに設置されていた。また改札まで階段を登ってちょっと距離があるところだと、途中の踊り場のようなところにも設置されていたり、改札階でも見かけた。かなり徹底している。

やはり2003年の大邱(テグ)地下鉄放火事件を受けての防災対策の一環なのだろうか。
ここまで徹底しているところを見たことはない。

座席なども不燃性重視なのか、冷たいスチール製だ。

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釜山の地下鉄では、さらに本格的な防煙用品が備え付けられていた。
すごい。。。

しかし、ソウルも釜山も地下鉄は一日中それなりに混んでいる。いざ何か火災が起きれば、この50個ばかりのものは奪い合いの事態となるのだろうか?それとも、パニックの中、これを冷静に装着できる人はごくわずかだろうか?

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駅の構内図。
階段や改札、案内所の場所が示してあるのは日本でも同じだが、よくみると消火器マークもある。うねうねしたホースのようなマークは消火栓の位置を示しているのだろうか?

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防災訓練なんて、前に業務委託で大きな会社の中で仕事をしていた時に体験したのが最後だ。機会があったら、いろいろシミュレーションをしてみたいなあ。そんなセミナーとかコースがあってもいいのかもしれない。2日コースくらいで、「地下鉄で火災が起きた場合」「高層ビルの上層階で大地震にあった場合」「路上で刃物を持った男が暴れているのに遭遇した場合」など、専門家の解説を聞きながら、どう動くべきか、何が危ないのかを教えてもらうとか。実際に直面して体がちゃんと動くかどうかは別として、知識としてもっているかどうかはとても重要だと思う。

なかなか徹底しているなあと感心したのはもうひとつ。

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ちょうど自分が滞在していた時、メインで利用していた2号線は、ホームと線路の間にガラスを設置する作業がものすごい勢いで進められていた。ホームの隅っこにガラスが大量に積んであると思ったら、その翌日にはもう自動扉部分以外のガラスが設置されている。

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その次に見たら、既に自動扉部分も・・・といった具合だ。
地元の人達も、「あらこの駅にもついたのね」「いつの間に・・・気づかなかったよ」なんて口々に話しながら、真新しいガラスを触ったりしている(・・・感じ。ハングル語はわからないけど、人間って何となく何をどう会話してるのかわかるもんですね。特に日本人と韓国人みたいな近しい存在だと)

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突貫工事としかいいようがないスピードに、ちょっと驚いてしまった。まあ・・・確かにエレベーター工事などと違って、床と天井部分の取り付け部分だけできれば、ガラスはめ込みはさほど大変な作業ではないのかもしれないけど。

仁川のほうに向かう路線でも、さすがに地上駅をガラスで覆うことはしていないものの、電車の乗降口以外のところに柵を取り付ける作業が行われていた。誰か子供が落ちるなどの事件が相次いで、いっきに対策をとる事になったのだろうか?なんてことを考えてしまった。


防炎マスク(←一番安いやつですが一応買って玄関においてあります)


asahi.com「世界有数のソウル地下鉄 鉄道(3)」

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