やはり、一等寝台は快適だった!
ウルムチは、わずか10日でぐっと寒くなっていた。朝夜の気温差もすごいが、夏から冬にかけての気候の変化も激しいみたい。
ガイドブックによると、7月の平均最高気温・平均最低気温は「30.5度/18.2度」、10月にはそれが「13.5度/2.8度」になり、11月には「1.4度/-7.1度」になる。寒いわけさ!
ウルムチには一泊だけして、翌日は移動。
15時にウルムチをでて、深夜0時に柳園という、敦煌からバスで2時間のところに到着する便をとった。
ウルムチ駅の前には、長蛇の列が3つもできていた。
どうやら、座席指定がない二等席で、席を確保するための順番待ちみたいだ。
私は前回二等席で、(自分のせいなんだけど)パソコンを壊してしまった痛い思い出があるので、今回は奮発して一等寝台! 学生の頃とかだったらありえないけど、やはり社会人になって、ある程度金銭的に余裕ができると、こういう時に贅沢しちゃいます。
・・・といってもまあ、262元なので日本円にすると3,930円。為替相場に感謝。
(逆に中国の人が日本に旅行にくるって、すごい割高になるよなあ・・・北海道にもたくさん来ていたけどすごいことだ)
列車毎に待合室が決まっている。
自分の列車は、三回の第五待合室。
・・・なんてのんきにビデオ撮影してる場合ではなかった。
待合室に入って、さらに撮影しようとしていたら後ろから駅員さんが大声をだす。
「そっちじゃない!早く行け!もう移動が始まってるぞ!」(←たぶんこんなこと)
少し前に、待合室からホームへの乗客誘導が始まっていた。
慌てて(でもビデオは撮影モードのまま)列車に乗り込む。
一等寝台ぜ!わーい!
一等寝台(軟臥)は、扉のあるコンパートメントにわかれていて、1つの部屋に4名。二等寝台だと三段ベッドだったので、高さが違う。
いい感じ♪
同じコンパートメントは、割と無口で静かな中年男性がひとり。
最初に入った時、荷物はそっちに乗せることができるよ、とだけ教えてくれたけど、後はまったく話をするタイミングも作れず、最後までそのままだった。
(ちらっとみたら、何か難しそな数学の本を読んでいたので、学校の先生とか研究者とかなのかも)
今回は上段をとってみた。
下段よりもこっちのほうが安い。
どっちにしても0時には着いてしまうので、寝るというよりはゆっくりデジカメ写真整理でもできればいいかなと。それなら上のほうがひとりで気ままにできる気がしたので。
上段の足元のほうには荷物置きも。
このあたりも、やはり二等寝台ならでは。
(一等寝台は通路の上の棚に置くので、油断すると場所がなくなってしまうし、ちょっと不安もあった)
各ベッドには、こんな網棚があったり、枕もとには蛍光灯もついている。
下のおじさんは、持ってきた携帯ポットでお茶を飲みながら、本や新聞を静かに読んでいるようだ。時折、携帯でメールを送っているような音も。ちなみにお湯は、列車内で自由にくめるようになっている。
上段は、普通に座ってもまったく頭が天井につかない。
二等寝台や、寝台バスのような窮屈さはまったくなく、のびのびと過ごせた。
たまったデジカメ写真を整理したり、ブログ記事を書いたり。
外の風景は、あいかわらずこんな感じ。
時折、町に近付くと、この風景がいっぺんして、緑豊かな農村地帯になる。
大陸の夕日。
通路にでて夕日撮影をしていたら、隣の車両が食堂車なことに気付いた。
食べ物はどれも高かったが、せっかくの機会なので食べてみることにした。
チンジャオロース。
イメージしていたものとはかなり違ったけど。。。
トイレもきれい。
女性の車掌さんが新聞を売りに来たので、一部買ってみた。
旅遊なんちゃら・・・と書いてあったので、もしかしたら駅中心に売っているものなのかも。
敦煌にある鳴沙山で、ファッションショーが行われたらしい。
モデルも大変だなあ。
世界十大奇人奇事には、日本であった事件も書かれていた。
昨年のことだが、冬山で遭難か何かした男性が、低体温のまま21日間かな?冬眠状態で生存していて発見された・・・みたいな記事。あったっけ、そんなこと?
あと、少女と少年がキスをしたら、少女がもともと何か食材か物質に過敏に反応してしまうアレルギーか何かを抱えていて、少年の口の中にそれが残っていたため、死んでしまった話など。
ここ十年で、中国人の性格が大きく変わったという話。
興味あったんだけど、ここはよくわからなかった。
ちょっと仮眠して、気づいたら到着していた。
(車掌さんが、ちゃんと起こしにきてくれる)
到着が0時で、敦煌までは2時間かかるので、
駅近くのホテルに適当に入ることにしていた。
・・・が、その時間帯はさすがに駅周辺の商店も閉まっていて暗く、タクシーの運転手たちにわーっと囲まれそうになりながら、「自分はあそこに泊るからいいの!」と駆け込んだ先は、「招待所」というネオン看板が目立っていたところ。
以前から、駅周辺でたくさん見かけていて「どんなところなのかなあ・・・」と怖いもの見たさな気持ちで眺めていたんだけど、入ってみたらフロントは普通のホテル。
寝ていたおばさんが起きてくれ、さくさく手続きしてくれる。
よかった。
料金は過去最低で50元(750円)。
部屋に入ってびっくり。
普通のツインだ!
テレビもあり、机もあり、ハンガーもあり、バスタブこそないが、ちゃんとシャワーもついている。十分すぎるほどだ。
なんだこれだったら、この間も、クチャ駅で寒い待合室で深夜2時半まで震えていなくても、普通に招待所使っちゃえばよかったんだ・・・。
ちなみに翌朝撮影した写真がこれ。
「良友招待所」と書かれた看板が、まっくらだった駅周辺できらきら光っていた。
ミニバスに乗って敦煌へ。
寒い・・・指先の感覚がなくなるほどに寒い。
敦煌の11月の最低気温は-5.8度。
水たまりも凍っていた。
そろそろ限界だ~と思い始めたころに敦煌に到着した。
夏の間は国内はもちろん、世界中から大量の観光客が集まる街。
なにか違和感を感じていたら、「市内クラクション禁止」ということで、中国の町にはつきものの「ぶーぶー」鳴らし続ける車のクラクションがほとんどないのだ。
でも別にそれで困ることもないみたい。
なぜ他でもそうしないんだろう。
ショッピング街も、観光客を意識したおしゃれなつくりに。
ただ、ウイグル族の姿も、アラビア文字併記した看板も姿を消してしまったのは、ちょっとさみしい気も。
(早くも、新疆エリアが懐かしくなっている)
この寒さは、単に気温のせいだけじゃなく、半日近く食事をしてないせいもあるな・・・ということで、ちっちゃな食堂がいくつも集まった場所で、四川料理の店に入ってみた。
マーラー麺。
いっきに体がほてった。
ということで、旅行もそろそろ残り少なくなってきたけど、敦煌観光開始!