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薪能(たきぎのう)

写真ずっと観に行きたかった薪能。銀行勤めの頃、JR浅草橋駅で成田山の薪能のポスターを見たのが最初のきっかけなので、かれこれ10年近く「いつか・・・」と思いつつ、その機会を逃していた。
数年前、友人が「土浦でやる」という情報をくれ、一緒に観に行ったのだが残念ながら雨。屋内になってしまった。


ところが、昨日、金町駅前で小さなリーフレットを見かけた。
なんとこの金町で薪能をやるという。場所は縛られ地蔵で有名な(多分)南蔵院の境内だ。水元公園の少し手前にあり、以前円海さん手術の時にお参りにいったところだ。

そして今日の夕方、電話をしてみた。
S席(8000円)、特A席(7000円)、A席(5000円)、B席(4000円)で全席指定。席数どのくらいだか忘れたが(席図をみると400前後かな)、半分がS席とのこと。

できることならば、一番よく舞台を見ることができる席がいいなあ・・・と思ったのでいろいろ聞いてみた。電話の向こうの女性は、言葉遣いの本当に丁寧な方で、近いのであれば実際に来ていただければ空いている席を見て、選べるとのこと。どうも正面じゃないところでおすすめの席があるが、電話だとその場所をうまく説明することができない・・・会話の端にそんなニュアンスがにじむ。

「そちらは何時までやっていらっしゃいますか?」
「5時までです」
「あと20分ですね。今からそちらに行きます!」
「お気をつけてお越しください」

お寺の奥のある墓地を突き抜けてゆくと、その一番奥にプレハブの事務所があった。電話の声どおり、品のいい女性がいた(書道とかお花とかお茶とか教えていそうな雰囲気の人)。
席の図が机の上に広げられていた。

写真

ピンクがS席。正面のブロックは、もう一番後ろの2列ほどしかあまっていない。
ところが扇形に広がっている舞台向かって右側のブロックは2列目の真ん中までくらいしか埋まっていない(反対側はぴあが押さえている)。薪能の舞台はまた別物かもしれないけど、能楽堂だと、こっち側は地謡座(じうたいざ)の地裏で席がない。

能楽協会公式ホームページ

「でもここ、すごく舞台に近いし、いいですよね」
「ええ、お電話だとみなさん正面をとおっしゃるのでこちらからお席を入れていってしまいますが、やはり近くで見る迫力は違うので、いいと思うんですよ」

さあ、どこがいいか。

5時ぎりぎりにもかかわらず、スタッフの女性はせかすことなくゆっくり相談にのってくれた。二列目の右半分も空いているが、さすがに角度が真横になってしまい、地謡座にもさえぎられてしまうとのことなので、もう少し後ろの左端にした。通路もあり、舞台までの直線上にまったく席がない。脇柱が視界をさえぎってしまう可能性はあるが、囃子方もよく見えそうだ。傾斜もなく、舞台もさほど高台にはならないだろうと思うので、正面ブロックの最後部で人の頭と頭の間から必死に覗き見るよりはるかにいいだろう。

日時:平成16年10月3日(日) 開演午後6時
会場:業平山南蔵院(しばられ地蔵尊)境内(特設会場)
出演:観世流能楽師 梅若六郎 他
演目:能楽レクチャー(能の楽しみ方)
    声明・火入れ式
    狂言「伯母ヶ酒(おばがさけ)」 シテ:梅若六郎、アド:遠藤博義
    能「花月(くわげつ)」 シテ:梅若六郎、アイ:山本則孝

「本当にぎりぎりにお邪魔しちゃってすみませんでした」
「いえいえ。演目は伯母ヶ酒花月になりますので」
「はい。予習してからまいります」
「それがいいですね」

そしてプレハブの外まで(お墓の真ん中なんだけど)、わざわざお見送りしてくれた。 
さあ、楽しみ。ちゃんと予習しとかなくっちゃ♪雨になりませんように・・・。

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