クリエーターに感動・感謝伝える投げ銭システム「ポチ」スタート
ネット上には、「すごい!」と唸らされたり「これは助かる!ありがたい!」と心から感謝できる個人コンテンツがたくさんある。
涙しそうな感動動画作品の場合もあるし、
自分で調べたら気が遠くなる時間を要しただろう情報一覧の場合もあるだろう。
地方のことわざ辞典なんかも、何年もかけて作りこんでいる人がいる。
帰宅後の深夜や土日の貴重な時間と労力を投じて「誰かに見てもらえたら」「困ってる人の役に立てれば」という思いで作っているのかと思うと、本当に偉いなあと感心するし、ありがたい。
そんなクリエーターに感動・感謝の気持ちを伝える投げ銭サービス「ポチ」を、NECビッグローブが4月18日に開始した。気持ちといってもいわゆる「いいね!」投票ではなく、105円とか315円とかの、いわば“おひねり”。個人が個人に小額のお金を簡単に送るための決済サービスだ。
●コンテンツへの感謝を“投げ銭”で 100円から支払えるBIGLOBE「ポチ」(ITmediaニュース)
AMNタイアップ企画で開発者インタビューできることになり、先週、大崎ゲートシティにあるNECビッグローブを訪れてきた。
サイトへの設置はとっても簡単!
これが「ポチ」公式サイト。
柴犬風なキャラクターの名前も「ポチ」。
心付けなど入れる「ぽち袋」、ネットで何か注文したり応援クリックしたりする時の「ポチする」からこのサービス名称が決まったという。
- コンテンツへの感謝の「きもち」を伝えることが出来る
- 手軽に安全にクリエイターへ入金できる
- コンテンツを応援している仲間がわかる
まずクリエーター側から見てみよう。
決済システムだけど、導入はとっても簡単。もちろん初期コストなども一切ない。
メールで登録申請をして、承認されたら、自分のサイトにスクリプト(JavaScript)を張り付けるだけ。デザイン何種類か用意されていて、はてブやFacebook「いいね!」アイコンを設置するような感覚。
現在想定されている「作品」としては・・・
- WEBサービス
- スマートフォンアプリ
- ブログ
- ニュースサイト
- 動画
- オンラインコミック
などがあるという。
従来も、フリーウェア開発者などが、ドネーション(寄付)受付先として銀行口座情報をサイトに掲載しているケースが結構あったが、「ポチ」なら本名や銀行口座番号など明かさなくてもすむし、また振込手数料の負担もないので、105円など小額でも支払いやすい。
正直、一体どのくらいの人がポチしてくれるものかは全然わからないが、仮に一人でもいれば結構なモチベーションアップにもなるかも。
ユーザは「ポチ」ボタンをクリックして金額選択
一方、クリエーターに心付けしたい側はどうするのかというと、まずそのサイトに設定された「ポチ」アイコンをクリックする。飛び先はそのサイトのファンページだ。
詳しい使い方はまた別途紹介するが、よし自分も投げ銭しようと思ったら「ポチする」をクリック。
次の画面に進み、100円(税抜)以上100円単位で金額を選び、BIGLOBE IDでログインし決済方法を選んで、支払いを完了させる。クレジットカードやWebmoney、Edy、Bitcashなど利用できるとのこと。
ファンページには、どんな人がポチ!したかがアイコン一覧で確認できるようになっている(ちなみに上の写真はインタビュー時のデモ画面/自分はまだポチなしなので)
ポチする際に入力したメッセージもここで読める。
他の愛用者の感想やどんな風に使っているかなどが読めると、それ自体でも結構面白いちょっとしたファンコミュニティ的なコンテンツになる気がする。
こんなコンテンツに「ポチ」したい
↑NECビッグローブのサービス開発者の方々
個人的にも、こうした仕組みが普及し定着することに大きな期待をしている。
正直、自分自身はブログ中心で、かつさくっと書いた軽い記事ばかり。小額とは言え一回100円以上の金額をポチしてもらう価値があるクリエーターではない。
ただユーザ側として「ポチ!」したいニーズはある。
- 地域情報とか足使って調べ尽くしてまとめた情報サイト
- APIやHTMLのサンプルソース公開してくれているサイト
- 深刻なPCトラブル発生時に、解決に導いてくれたサイト
- 自分にとって大事な居場所であるコミュニティサイト
- とっても人の役に立つよなあと感心してしまうサイト
主に「この人よく調べてまとめてくれたなあ。自分でやったら確実に丸一日作業だったぞ・・・」といったコンテンツだ。
その人がAmazonや楽天のアフィリエイトを導入していれば、次に買い物する時にそこ経由にすることもあるが、実際にはタイミングが合わないことのほうが多い。愛用のフリーソフトなら、銀行振込の手間をかけてドネーションすることもあるが、一般サイトだとそこまではなかなか・・・。
インタビュー時の冒頭、NECビッグローブの担当者からこんな話を聞いた。
「ニコ動の振り込めない詐欺ってご存知ですか?」
「振り込めない詐欺」とは、ユーザーが自発的にお金を払いたくなるほど素晴らしい動画やツールを無償で公開した作者に対して敬意と感謝の気持ちを示すタグである(「ニコニコ大百科」より)
もともと「ポチ」は、こうした素晴らしいコンテンツに対し、手軽で安心安全にお金を払えるようにするための仕組みとして作られたのだという。
だとすると、やはりこの仕組みを導入するクリエーターが増え、「ポチしたい」と思った時、かなりの確率でアイコンが設置されているという状況まで広げてほしいもの。現時点ではまだβ版的な状況で、参加クリエーターもほとんどいないが、プレスリリースによると、「2012年3月末までに5000コンテンツの参加、利用者10万名」を目指すとのこと。
・・・ということで、まずは自分が導入したので、別途その手順を記事にする。
> 続く