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[夏読書] 大人のための寓話

写真ベストセラー本を買うのはなんか流されているみたいで照れくさい。ましてや流行の自己啓発本なんかは「この間△△△を買って読んだらさ・・・」と誰かに薦められると、(相手にもよるが)つい「ふーん」と冷たい返事をしてしまう。

なのにこの本、「Good Luck」は買ってしまった。

 
それは新聞か雑誌(確か朝日新聞の週末版だったと思う)でこの本を紹介する記事を読んだためだ。そこには、この本を日本でもベストセラーにすべく、出版社のポプラ社が人手と時間をかけてじっくり準備した舞台裏が書かれていた。

例えば・・・この本のカバーはリバーシブルだ。
写真のカバーは四葉のクローバーが真ん中に浮かんだ深緑色だが、裏返すと全く違うデザイン・色になる。

中には「グッドラックの言葉」と書かれ、二段階に閉じこむように折られたしおり(?)がはさまっている。
開くとクローバーの群生の写真の上に白地で本文中に登場する「教え」が書かれており、さらに開くと偉人の言葉が並ぶ。これのことかどうか不明だが、初版本にはさまっていたしおりは、一種類だけでなく、何パターンか用意されていたという。どちらも話題づくりと、店頭で「どれどれ?」と本が手に取られることを狙っている。
(実際、自分も買うつもりなど全くなく、最初は単に「リバーシブルのカバー」を確認したくて手にとっただけだった)

本を開いても凝った作りになっている。
四葉のクローバーが描かれたページは格子状に透ける紙になっていて、その向こうには本のタイトルや著者名が重なって見える。

日本語訳も、たくさんの人に読ませて印象を集めつつ、
どうしたら最適なものになるか推敲を重ねたそうな。

そんな、出版社の気合の入ったマーケティングを頭の片隅に置きながらページをめくってゆくという体験も初めてだったので面白かった。

あ、内容?
もちろんとっても面白かった。

こういう類の自己啓発本というか、大人のための寓話って、どっか読んでいて素直になれない自分なんだけど(初めに「教え」ありきで、それに説得力を持たせるために組み立てられたストーリーの計算づくなとこが鼻につき、ついつい斜に構えたくなってしまう)、今、ちょっとローな気分のせいか割とすっと入れた。

買おうとまでは思わないんだけど、「チーズはどこに消えた?」とか「ペンギンの国のクジャク」とかも、図書館で探して読んでみるか・・・なあんて。

まあ、でも寓話は所詮寓話(頭と要領がいいコンサルがベストセラーを狙って書いた)。
自分はやっぱ、実体験に基づいた本のほうが好き(←レビュー「南の島のとびうお」は自分です♪)。

Good Luck
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