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絵本「はしるってなに」

写真

「大人にもぜひ読んで欲しい絵本」と、この一冊をいただきました。表紙は白波たつ青い海に沿ってひとり走る、麦わら帽子の、よく日焼けした男の子の絵です。


はしるってなに (とぴか)

立て続けに3回も読んでしまいました。
読むたびごとに立ち止まる箇所は変わります。いろいろ考えさせられます。

絵本なので、ボリュームは32ページ。


あの日の不条理を前に少年は、いかに自立の道を悟るのか?

日本を揺るがしたあの日、あの不条理なできごとが未来への希望に大きな影を落としました。しかしそれでも、人には生きていこうとする力と意思が備わっているはずです。そんな人間の姿を、親しい人との別れを余儀なくされた少年の、成長と悟りの中に託した絵本です。


福島関連ですが、決して重たい内容のものではありません。


はしる
はしるって
なんだろう


そんな問いかけから始まります。

見開き2ページに描かれた絵からは、真っ青で大きな海、そこを吹く風も感じられます。絵には描かれていませんが、前を走る男の子を見つめるお父さんの笑顔まで浮かんできます。

父親と走って、テトラポットに座って海を見ながら一緒にジュースを飲む男の子。

でもそんな日常はある日突然終わります。
友達とも離れ、仕事で残った父親とも別れ祖母宅へ避難する男の子。


うみがきらきらしていた


生まれ育った故郷、少年の成長と自立、父と子、生きること、前に進むこと、未来、いろいろなメッセージが込められた一冊です。

この絵本をきっかけに、夏の終わり、親子で一度ゆっくり話し合ってみるのもいいのではないでしょうか。


はしるってなに (とぴか)

絵も本当に素敵で、見ているだけで海に行きたい衝動にかられます。
(私も10歳まで、茨城の先っぽの海辺の街で育ちました)

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