廃校になった小学校に宿泊できる!岩手県・陸前高田市「二又復興交流センター」
今、三陸を旅行すると普段泊まれないような場所に宿泊できるシリーズのその2。なんと廃校になった小学校に泊まれるのだ。
実は小学校に泊まるのはこれが二度目。
前回は2012年、一階部分が津波によって破壊されてしまった大槌北小に泊まった。
●大槌町に新しいボランティア無料宿泊所「きらりベース」が誕生!(1)
それまでボランティアが宿泊できる施設が大槌町内にほとんどなく、ボランティアは内陸部の遠野からバスで通わないといけなかったため、小学校の二階を無料の宿泊施設にすることになり、その大掃除に参加した。
今回は陸前高田市の、かなり内陸に入った山間部にある旧・矢作小学校。
統廃合によって2011年3月に閉校となったが、改築工事を行い、ボランティアや復興支援活動、または観光や帰省で陸前高田市を訪れる人のための簡易宿泊施設として、2013年7月にオープンした。
●二又復興交流センター
●岩手日報・東日本大震災ニュース「陸前高田・旧矢作小を宿に再生 7月オープンへ改修」・・・現在は宿泊無料ではありません
校舎正面には、校歌を刻んだ石碑と朝礼の時に校長先生が立つお立ち台?が置かれていた。138年の歴史があるというからすごい。
中央入り口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて中に入る。
私はツーリング途中で立ち寄ったのだが、静岡からのボランティアバスも到着していて、他のボランティアチームも何組か入っており、なかなかの賑わいっぷりだった。
とっても親切で感じ良かったフロント。
ちなみにここ、鍵もかかるセパレートタイプの客室は一泊3,500円、大部屋タイプは2,500円だ。トイレ・洗面所は共同で、男性は共同の浴室があり、女性は6つあるユニットバスを個人利用できる。
一階はフロントや事務所、会議室や風呂、食事スペースなどがあり、宿泊ゾーンは二階だ。
確かに小学校の廊下なんだけど、壁も扉も窓もおそらくすべて新しくしているのだろう。床にも落ち着いた濃茶色のカーペットが敷き詰められている。
ちらっと覗かせてもらった大部屋。
教室をいくつかつなげて広くし、カーペットの上に畳を敷き詰めてある。それぞれ好きな場所に布団を敷くようになっている。
この日の宿泊者はほぼ男性で、女性で宿泊していたのは自分とあと1人だけ。
観光で来ていたのは自分くらいだったようで、後はみなボランティア作業帰りという感じでちょっとアウェイ感もありつつ、そんな場所なので廊下ですれ違う時は必ず互いに挨拶を交わす。
実は自分、かなり髪短くしてツーリング仕様の服装だったこともあり、挨拶するまではおじさん達に男性と思われていたらしい。踊り場で「あれ、にいちゃんじゃなくてねえちゃんだったぜ」なんて声も聞こえてきた。「おばさん」じゃなく「ねえちゃん」と呼んでもらえるのはとりあえず光栄だ。
廊下には鍵のかかるロッカーも。
私は今回セパレートタイプの部屋にした。
それも教室の中に作られている。
この廊下との間に窓があり、その上と下も開閉する窓になっているあたりの構造が、昔ながらの小学校だな~と。大幅改装してあるが、きっとこうした小学校らしい部分はあえて残して作りなおしたのだろう。
教室の中に入っていくと・・・
おおっ!
中央の通路両脇に3つずつの部屋。
壁で仕切った作りになっている。
公式サイトに「ブース形式となっており、隣の部屋と完全に仕切られておりません」とあったが、見て納得。壁は天井まではないので上部でつながっているのだ。ただ中に入ってしまえば個室と変わらず、鍵もかかるので問題なし。
この時、他5部屋は誰も泊まっておらず教室内は自分一人だったので、音も気にせず済んだ。
室内はこんな感じ。
ベッド1つに机、ロッカー。
テレビもなくさっぱりした部屋だが、正直こんな真新しい設備で、寝心地のいいベッドまであるとは思っていなかったので期待以上だ。ツーリング途中にブログ更新していた自分にとっては、しっかりした机まであり集中作業できるいい環境だった。
机の前から扉側を見たの図。
セパレートタイプの部屋は全部で42室ということなので、教室7部屋×6室ということなのかもしれない。
食事スペース。
部屋は大部屋もセパレートタイプの部屋も飲食禁止なので、食事はすべてここ。
近くにコンビニもあり、テイクアウトできる食堂もあるので、そこで買ってきてここで食べることもできる。厨房などはない。あとお酒を売ってるお店はちょっと離れたところで、車が必要かも。
電子レンジや電気ポット、冷蔵庫もある。
洗面所は階段途中の踊り場にあった。
見てお分かりの通り、水回りもすべて新しくしてあり、とてもきれい。
ここは女性のお風呂スペース。
中に入るとこんな感じ。
一角にドラム式洗濯機も設置されていた。
利用は有料で、ちょっと高めだったかな。
そしてお風呂スペースが6つ。
シャワーだけでも十分だと思うのだが、なんとユニットバスでお湯を張れるようになっていた。
ちなみに場所は陸前高田の中心地からは少し遠く、一本松茶屋からは13キロ・車で20分ほどかかる。また気仙沼までは県道34号(気仙沼・陸前高田線)を通って18キロほどだ。
車がないと移動はちょっと難しい場所ではあるが、ボランティアや三陸観光の際にちょっとだけ遠回りして泊まってみるのも面白いと思う。こんな機会でもなければ、なかなか廃校になった小学校の校舎に泊まる機会なんてないと思うので。
「怖くなかった?」
と何人かに聞かれたが、上の写真でわかるように、中はとってもきれいに全面改装され、個室もあるので全く問題なし。是非!
●二又復興交流センター
●岩手日報・東日本大震災ニュース「陸前高田・旧矢作小を宿に再生 7月オープンへ改修」・・・現在は宿泊無料ではありません