七夕は一年に一回の・・・
人間の何がすごいって、その想像力。昔、子供心に思ったのだが、星座に名前をつけたり、神話や民話と結びつけた人はすごい。
・・・だって自分、どう頑張っても水瓶とか大きな熊とかに見えないもん。点だよ、あれ。
まあそんなこと言っても嫌われるので、ちょっとロマンのある話。
七夕といえば思い出すのは、宇宙開発事業団が数年前に行ったあるプロジェクト。当時、友人が広報担当だったのでよく覚えている。
それは、七夕の日に、宇宙空間で2つの衛星をドッキングさせるというものだった。どっちかが織姫でどっちかが彦星。いろいろ打ち上げ失敗が続いていた時期だったこともあるのか、「ロマンチックだね」とメールをだしたら、胃が痛いというような返事が返ってきた気がする。
(失敗したら「一年に一回の七夕の夜に“出会えず”宇宙開発事業団またもや・・・」とか新聞ネタになっただろうから)
結果は見事ドッキングに成功。
「七夕の夜に織姫と彦星を宇宙空間でドッキングさせるなんて、宇宙開発事業団もロマンチックだよね」
と言うと、こんな意見もあった。
「ドッキングって合体ってこと?・・・ロマンチックというより、直接的すぎて卑猥」
うーん、考えすぎな気がするんだけど。
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さて前置きが長くなってしまったが、そんな七夕の前夜に、ここ半年以上会っていない人からメールが来た。ホットスポット関連で知り合った若い男の子(いやもう20代後半とかなのかな?)。何かが普通の人じゃないんだけど、どういうわけだか普通に街中に潜り込んで一般人と同じように生活してしまっているような不思議な風情があって、いつか突然
「わださん、すみません。僕ずっとだましていましたが、本当は地球上の生物じゃなかったんです」
とか言われても、なんか納得しそうな感じ。
(ある意味、KASAIさんもすこしエイリアン入ってるよな)。
そんな非凡な彼のメールはやっぱり変わっている。
ところで突然ですが 七夕な明日 もし12時か13時ころ和田さんがご都合がよろしいようでしたら、恒例の(といってもまだ2年目ですが。。)自作うちわをお渡ししに行きたいのですがいかがでしょうか??
車で移動しておりますので 金町でもどこでもうかがいます。
恒例の自作うちわ?
そんな風習が、日本のどこかにあったのか?
そして、今日の昼、東京マージナル、金町までやってきたHさんと久しぶりの対面。
「なんで七夕に自作のうちわなの?」
パスタ屋に向かいながら話を聞いた。こういうことだった。
年賀状を毎年送り続けていても、それだけの関係になっちゃって全く会うことなく時間だけが経ってしまう人がたくさんいる。
確かにいるいる。でも年賀状には、「今年こそ会いたいね」とか書くんだよね。
じゃあ、一年に一回くらい、本当に会って話をする機会を作りたい。
それはやっぱり七夕しかないだろう・・・と。
おお、自作うちわはそのためのツールなんだ。
こういう「マイ慣習」を作っちゃうというのは、とても面白いし、なかなか会えない人と一気に会う機会をこうして作ってしまうという発想がやはり凡人じゃない。
ところでもうひとつ気になったことがある。
それはうちわの文様だ。
グラデーションで薄くなってゆく青紫や緑の大小の円がいくつも重なり合っていて、そのいくつか濃くなっている中心部周辺に矢印が書き込まれている。幻想的な文様ではあるが、どう見ても「出会う」というよりは、一方がしつこく追いかけて、もう一方が逃げている、そんなベクトルだ。
「あ、それはプレゼンの時に作った図です。無線LANの基地局のまわりに・・・」
ここから先はロマンのない話なのですっとばすが、仕事のプレゼンを行うにあたって、その概要(というかコンセプト?)を示すために作った図だそうな。わずか10分ほどのプレゼンだったが、この図を作るのに、色合いなど悩んでものすごい時間をかけたため、「これだけではもったいない」と、うちわの文様に使ったとか。(矢印は電波らしい)
・・・やっぱ、発想がどこか非凡。
そのまま、近所のイタメシ屋でお昼を食べ、今日発売のハイビジョンハンディカム「HDR-HC1」の話とかして、Hさんは再び車に乗って、次の人のところにうちわを届けに向かった。
そういえば聞き忘れてたけど、
このために会社休んだんだろうなあ(笑)。
Hさん、遠方までどうもありがとう。
久しぶりに話ができて楽しかったです。
(某社のプレゼン図柄付)自作うちわ、大切に使わせてもらいます。