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消防車

写真二日酔い(理由)のお昼時、下界でサイレンが鳴り響いた。カーテンを開けて下を見ると(うちは15階)消防車や救急車が何台も走っている。

どこだろう?近くかな?

そしてサイレンの音は特大になったものの、肝心の消防車や救急車は吸い込まれたかのように視界から消えた。そして通りを歩いていた人やスーパーの買い物客がどんどん集まってきた。その視線の先は・・・

・・・どう見てもうちの団地だ。
斜め前のビルを見ると、うちの団地にはりつくように停車している消防車の姿。

もしかして、のんびりカメラ構えて見下ろしている場合ではないって?

とりあえず、上着を着て、エレベーターに向かった。
同じ階の住人も一人でてきた。

「なんですかねえ?」
「下を見たら、みんなこっちを見上げてるんですよ。気になって・・・」
「ベランダから子供が落ちそうになっているとか?」

これまで会釈程度しかしていなかった人だが、北側は日が当たらず寒いとか、角部屋なので風当たりが半端じゃないとか、そんな話をほのぼのとしながら1階で降りると、いきなり入り口から消防服に身を固めた人が4人どかどかとやってきた。慌てて通路の脇に身をよける2人。

写真「・・・もしかして火事?」

外にでると、すでに人がたくさん集まって建物を見上げていた。

「あ、4階よ!窓の中で火があがっている!」

指の先を見ると、確かにガラス窓の向こうに、身長くらいの高さまで火が伸びている。
まじで火事だよ!中に人はいないようだが、窓のすきまからでる煙のせいで、すぐ上のひさしが黒くすすけてきている。

「ストーブかしら?」
「上の階の人気付いてるのかしら?」(私も上のほうの階の人ですが火事とは知りませんでした)
「人がいないみたいね」
「ちょっと前に新しくしたばかりなのに・・・」(いえ外壁塗り替えただけです)
「木造じゃないわよね」(木造15階建ての建築なんて作りません)
「ドアを蹴破った瞬間に火が一気に燃え上がるんだよ」(目を輝かせながら言わないで下さい)

建物からは、自分のような数人の野次馬以外は、特に人もでてこないようだが、焦げ臭い匂いが漂ってきた。

はしご車が準備をしている。

しばらくすると、中で人が動く気配がし、火はすぐに消し止められた。
よかった・・・大きな火事にならなくて。
(インコとパソコンと、借り物の液晶テレビが部屋に置き去りなんだ・・・)

消火活動は続いていたが、寒くなってきたので一安心して、部屋に戻ることにした。
建物の中は、のどが少し痛くなるような焦げ臭さがする。
上りのエレベーター内では、先ほど話をした同じ階の人など5人くらいが一緒だった。

「とりあえず、よかったですね」
「ええ」

それにしても、ひとつだけ気になったことがある。
 
 
 
なぜ最後まで

火災報知機が鳴らなかったんだ!?

 
 
写真

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