<いわき>四倉から久之浜まで海辺ウォーキング
いわきツアー2日目も、他のメンバーとは別行動をすることにし、いわき駅前から四倉行の路線バスに乗った。いわきから四倉・久之浜まではJRも走っているが、次の電車まで時間があったこともあり、車窓風景をより楽しめるバスを選んだ。
最初の目的地は「道の駅よつくら港」。
ここも小名浜港の「いわき・ら・ら・ミュウ」同様、いわき特産を買ったり食べたりできる、地元の人だけでなく観光客にも人気の場所だそう。
同じツアーメンバーのコグレさん達は、前日ここで「ウニの貝焼き」がどかんと乗った黄金丼を食べていた。
●[N] ウニの貝焼きドーン!「黄金丼」道の駅よつくら港にて海鮮丼 #勝手にいわきガイド
↑時間ある方はぜひ、この記事の写真見てほしい。
四倉来たからにいはこれ食べなくちゃ!!!と思ったんだけど・・・
まさかの定休日!!!
つか18日(火)ってそもそも「第3火曜日」なのか?
まあ、ちゃんと公式サイトに「3月18日(火)定休日 」とあったので私の確認ミスだ。黄金丼は次の機会ということで(涙)
四倉も津波で大きな被害を受けた場所で、この道の駅も2012年にリニューアルオープンした。2階にフードコートとカフェがあるそう。
四倉港も、岸壁修理などの復興工事が終盤を迎えているようだった。
ちなみにこのあたりは、幹線道路もJR線路も海沿いを走っている。
国道6号線は、東京の日本橋を起点に、千葉の松戸から我孫子、茨城の取手・水戸・北茨城、そして福島のいわき・双葉・相馬などを経て宮城県の仙台までを結ぶ。
「水戸街道」のさらにその先といったほうがわかりやすい人も多いだろう。今は無理だけど、いつか通しで歩いてみたいルートだ(総距離は345.5キロ)。
前日から楽しみにしていた黄金丼を食べそびれ、失意と空腹を抱えたまま北に向かって歩きはじめたところ、右手に「いわき蟹洗温泉 太平洋健康センター」という大きな建物が見えてきた。
日帰り温泉施設だが、レストランの利用だけでもOKと書かれていたので、素直に吸い込まれてみた。
ここ入って大正解!
目の前に広がる太平洋の迫力と言ったら!
波が黒い岩に激しくぶつかり、雄々しく砕け散っている。灯台から見た穏やかな海とは全く違う風景だ。
お昼にはちょっと早い時間だったこともあり、レストランは貸切状態。
ここからも太平洋一望だ。
せっかくなので、朝から贅沢すぎるが「うに釜飯定食(1,700円)」もしくは「海鮮釜飯(1,600円)」を食べようかと思ったが、こちらはなんと40分かかると言われ、海鮮丼に。
2日連続で海鮮丼を食べるなんて贅沢、おそらくこれが最初で最後だと思う。
しかしここの海鮮丼、本当に美味しかった!
盛り付けも本当に丁寧できれい。
そして刺身の種類も多い!
いくらも全く臭みがなく、魚もまったく筋なく、口の中でトロケル感触を最初から最後まで堪能しながらいただくことができた。
海鮮丼で元気復活したので、ふたたび北上再開。
四倉から先は、断崖絶壁で「右海・左崖」という道一本分のエリアも多い。
国道6号線の中でも、山が海にせり出したこのエリアが難所のひとつだそうで、現在山側を抜ける片側二車線のバイパス工事が進められている。
●27年度にも供用開始 久之浜バイパス四倉-久之浜間 | 福島民報
そしてトンネルも多い。
どこまでも砂浜が続く関東平野の先っぽ、鹿島灘で育った人間には、海と山が隣り合わせになっている風景というのはちょっと新鮮に感じる。
ちなみにこのトンネルは歩行者・自転車専用。
これは全長108メートルの「江之網トンネル」を抜けたところ。
続く波立トンネルの出口の先には歩道橋のようなものが見えた。
この先は波立海岸で、次の目的地久之浜も見えてくるはずなんだけど、一体どうなってるんだ?
そう思ってトンネルを抜けてびっくり。
すぐ右手が、ガイドマップにも載っている弁天島だった。
残念ながら、島へは渡れない。
手すりだけならすぐ直るだろうから、きっと橋自体の強度の問題なのだろう。
ここから久之浜にかけて弓なりになった砂浜が伸びている。
波立(はったつ)海水浴場だ。
初日の出の人気スポットでもある。
●高速道路情報満載のフリーマガジン『Highway Walker』~海上に浮かぶ奇岩と、神々しい初日の出を眺める
このサイトには、弁天橋の上にあがる初日の出の写真が掲載されている。
波立海岸から道をはさんだ反対側には波立薬師。
「津波浸水区間」の看板もあった。
防潮堤も新しい。
バイパス工事も含め、工事関係者が多く滞在し作業にあたっているようだった。
建設途中の久之浜バイパスだろう。
完成するとJR路線より山側の少し高いところを走ることになる。
かなりお年召したと思われる土蔵も。
過酷な環境にも耐えてきたのだろう。
ドライブもいいけど、やっぱり私はウォーキングがいいなと思う。
道沿いで出会った風景や建物、看板に人に草花やなぜだかぽろぽろ落ちているウニの殻まで、目にしたものすべてをゆっくり眺め、いろいろ考えながら通り過ぎるだけの時間の余裕がある。
久之浜は古くからの街道沿いだったこともあり、西行も訪れ歌を詠んだそう。その歌碑が立っていた。
陸奥の古奴実の浜に一夜寝て 明日や拝まむ波立の寺
いわき市の南端にあったとされる勿来関(なこそのせき)から北は陸奥国。
昔の人にとって勿来関から先はどんな場所だったのだろう。
やはり好奇心とロマン、そして冒険心もくすぐられる未知の土地だったのだろうか。
四倉から久之浜にかけても、津波被害は大きい。
家屋のコンクリ土台の撤去作業がここでも進められていた。
「3年前にボランティアで来た時と全然変わっていない」と言う人もいる。「まだ2011年のままなんですね」というと地元の人も「そうですね」と答える。そして「防潮堤もできて、基礎撤去も始まったんですね」と言うと、「この3年、どんどん風景は変わってきましたよ」という声もかえってくる。
復興の進捗が実際のところどうなのかは、そこに住んでいる地元の人にしかわからないこと。私達外部からふらりやってきただけの人は、「復興が全然進んでいない」「新しい街の建設が始まっている」など口にするが、きっとどれも正しくはない。
それでも外部の人間にとって、現地がどうなっているのか旅行兼ねて訪れることには意味があると私は思う。三年が経過し、被災地以外の地域の人にとって震災が「過去の出来事」になりつつある今は特に。ほんと、それで何ができるというわけでもないのだけれど。
海岸からも近いところにJR久ノ浜駅はある。
ここの駅の裏に回り込み、山側に少し進むと、福島県で最初にできた復興商店街「浜風商店街」がある。
東日本大震災により甚大な被害を受けた久之浜の商店街。苦難を乗り越え半年を迎えた2011年9月3日(土)、久之浜第一小学校敷地内に仮設店舗の「浜風商店街」がオープン致しました。「1日も早い久之浜の復興を!久之浜に1人でも多くの笑顔を!!」掲げ、元気に笑顔で営業中です。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
店舗は全部で11軒。
この時は関西から来た3人組が、いわき市から広野町・楢葉町を越えたところにある富岡町まで車でいった帰りに立ち寄っていた。
他の地域でもそうだが、復興商店街・復興屋台村のお店の方は、外からやってきたボランティアや観光客に対し、語り部的な役目を担ってくれている。この時も震災後にボランティアで来た京都の人達が、「この地域では女性が亡くなると一番好きだった着物をかけて送る習慣がある。でも家も流され着物も一枚もなくなってしまった」という話を聞いて、知合いなどからたくさんの立派な着物を集め送ってくれた話など聞かせてくれた。
サービスで入れてくれた珈琲をいただきながら、商品の味見もさせてもらい、ごぼうチップスと漬物を一個ずつ買ってきた。そのごぼうチップスをまさに今食べながらこの記事書いているんだけど、ガーリック味なかなか美味しい。もうひとつ買ってくればよかったとプチ後悔。
こうして浜風商店街を後にし、JR久ノ浜駅から電車に乗って湯本に行き、歩き疲れた体を日帰り温泉でほぐし、再びいわきで他のツアーメンバーと合流し打ち上げ飲み会をし、帰途についた。
たった二日間だけど、いわきの海辺をひとりのんびり歩くことができたのは、非常に貴重な体験だった。
いわきは見所たくさんだということを改めて実感。
今回他のメンバーが訪れたトマトランドにも行きたいし、1日目の夜に行ったスパリゾート・ハワイアンズも予想していた以上に充実の内容だったので、次は一泊プランで改めて遊びにいきたい。国宝の白水阿弥陀堂も時間がなくて行くことができなかったので、次こそ。
そうそう!
ウニ山盛りの「ウニの貝焼き」も食べそびれてるじゃん!!!
●いわき市観光情報サイト:(社)いわき観光まちづくりビューロー
実は今回含め3回も訪れているいわきなんだけど、また来たいと思う。
最後に「勝手にいわきガイド」の管理人Kさんこと矢野さんに御礼をいいたい。
ユニークなメンバー揃いの素晴らしいツアーを企画してくれたおかげで、同時進行する10名それぞれの視点でのいわき旅を、Facebook通じて垣間見ることができた。これは非常に面白い経験だった。
その情熱と行動力、類まれなる手配力にあらためてリスペクトだ。
本当にありがとうございました。