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今年最後の上尾ボラバス(ReVA)で陸前高田へ

写真復興ボランティアチーム・上尾(ReVA)のボランティアバスに参加して、先週末、陸前高田に行ってきた。今年2月に初めて参加させてもらい、7月に続き3回目。そして今年最後となる。

●ReVA 復興ボランティアチーム・上尾

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金曜日の夜、地元上尾を出発し、岩手県陸円高田市の災害ボランティアセンターに着いたのは翌朝7時前(いつもだいたい一番乗り)。

ここは、立上げ初期からスタッフがものすごくきめ細やかな運営を行ってきて、訪れたボランティア達からも常に賞賛の声が寄せられているところ。

一定の役目を終え、今月23日にその幕を閉じ、運営は別のところに引き継がれることになる。最後にもう一度ここを自分の目で見ておきたかったというのも、今回参加した理由のひとつだ。

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途中からお湯もでるようになったんだよね。
最初は本当に戦場のようだったと話していたスタッフの方もいたっけ。

手作り感もいっぱい。わずか1年9カ月という短い期間だけど、ここの運営に携わってきた人たちとここを拠点に活動していたボランティア&団体の思いが至る所にしみこんでいる気がする。

「つないで陸高!なじょにがすっぺ」

陸前高田は一生忘れられない街になった気がする。

●陸前高田市災害ボランティアセンター

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ここで朝のミーティングに参加し、ボラセンスタッフの方からオリエンを受け、ReVAが継続支援している漁業組合の支援活動場所に。

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あいにくの天気で雨も降り始めてしまったけど、入り組んだ海岸線の間の海は穏やかできれい。そこに無数の、牡蠣やほやの養殖イカダが浮かんでいる。

今年夏には、あのイカダ作りも体験させてもらった。

●上尾ボランティアバスで広田湾のカキ養殖イカダ作り体験!

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さて、今回のミッションは何かと言うと、「牡蠣の殻発掘」。

今回実験的に、養殖に使うためのホヤの卵を採取するため、牡蠣の殻を海に沈めるのだという。ここには、剥いた牡蠣の殻がまさに「貝塚」状態で山になっているのだが、大半がぼろぼろに崩れてしまったり、割れてしまっているので、そうではなく、肉厚で大きく、しっかり丸みを帯びたものだけを集めてカゴに入れるという仕事だ。

ふむ。
そんなの簡単さ!

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なあんて思ったんだけど、意外にそうでもない。

これだけ殻があっても、表面にあるものはかなり崩れてしまっており、平らになってしまっているものばかりなのだ。

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ひとり一個ずつ熊手を握り、貝塚の上で

「発掘作業」

開始だ。

自分含め、継続してボランティア活動に参加している人の多くは、結構こういう地道に黙々と作業するのが結構好きだったりする。

というか、好き嫌いではなく、なぜだか真剣になってしまう。

もっと大きな殻を!
丸みを帯びた完璧なフォルムの殻を!!!

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まあ実際にはなかなか、理想的な殻にはめぐりあえなかったりするんだけどね。

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気付けば皆、自分の狩場を定め、穴を掘り始めていた。

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足の付け根が硬く、いわゆる「体育座り」ができない私は、斜面狙いで。ここならそれほどしゃがみこまなくても大丈夫だし、深い地層にも到達しやすい。

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貝塚の向こうには広田湾。
ぴしっと整然と並ぶ養殖イカダが美しい。

津波で全滅してしまった養殖イカダ。

陸前高田で取れる牡蠣は、料亭などにおろされる最高級品だったという。昨年からイカダを全部作り直し、稚貝を海に沈めてきた。それらが出荷され始める日もそう遠くないだろう。

いつか上尾の人達と一緒に、この牡蠣を食べにきたいな。

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午前作業を完了し、漁港で作業用テントの補強作業をしている男性チームと合流しバスで昼食。

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そして再び午後の作業再開。

雨はかなり強くなっていた。
今回いろいろあって、二泊三日の行程だが作業日は一日だけ。なのに天候理由で作業半日に短縮されてしまったら悲しいなあと思っていたが、若いリーダーは全員の意向を確認し、継続を決めた。ほっ!

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雨具の下は防寒でダウンなど着込んでいるためもっこもこの自分。

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そして作業完了!
牡蠣(の殻)もこんなに採取できたよ!

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再び陸前高田ボラセン。
このホワイトボードもこれで見納めか~。

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いつも、作業を終えて帰途につくバスを道路入口まできて見送ってくれるスタッフのみなさん。毎月きていた上尾チームだが、閉所前のこれが最後ということで、反対側ではわざわざ「上尾市社会福祉協議会様」という紙まで用意して見送ってくれた。

コアメンバーの方とか、泣きそうになっていた。

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また来ます!
どうかみなさんお元気で!

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さて、今回もうひとつボラバスに託されたミッションが。
それは上尾市内の学校から「陸前高田に届けてほしい」と頼まれたクリスマスツリーの運送だ。

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向かった先はどこかというと・・・

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プレハブの陸前高田市役所。

陸前高田市はかなり大きな街だったが、市内中央の市役所・消防署はじめすべてが津波で流されてしまった。亡くなった人の数も半端なく多い。

建物内にツリーを運び、まわりを覆っていた布をはずしてみてびっくり。予想外のことが発生していた。

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メッセージカードを大量に縛り付けて木の周りに巻きつけていた紐が、ぐるぐるに絡まって酷い状態になってしまっていた。

「やはりこのままでは置いていけない・・・」

ということで全員でほどく作業。

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これが予想外の難事業だったが、昨年春からボランティア活動をともにしてきたチームの連係プレイはものすごい。

紐を持ちあげながら、あうんの呼吸で潜り飛び越え、木の周りを何週もまわりながら、ぐっちゃぐちゃに絡まっていてお手上げ状態だった紐を見事溶きほぐした。

やっぱ基本、根気強い人の集まりだよな。
家屋とか側溝の泥だしとか地道にこなしてきたんだもんね。

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無事、それっぽくなったクリスマスツリー。
いや七夕の笹ちっくかな。

その夜は、陸前高田市内で活動するNPO法人陸前たがだ八起プロジェクトの方々にも来ていただき一緒に忘年会。事務局長の蒲生さんに昨年3月11日のことやその後の1年9カ月の活動の話も伺うことができた。

●NPO法人陸前たがだ八起プロジェクト

自分などには想像もつかないような試練の日々を送られてきた蒲生さんの話。すべて流されてしまった街だけど、それでも新しい陸前高田をここに作っていくという強い意志が伝わってきた。

自分達にできることなんて本当に限られてしまっているけど、こことつながり続けること、その復活を遠くからでもずっと見つめ続けることなんだろうなと思う。

翌朝、泊まっていた大船渡の旅館を日の出前にでてみんなで散策。
目指していた碁石海岸の穴通磯(あなとおしいそ)に辿り着いた時に奇跡のような風景が目の前に広がっていた。

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虹だ。

すごく濃くてとても近い。
こんな虹は、今までの人生の中で一度も見たことがなかった。

こんな力強い美しい虹を、こんな素敵なメンバーと一緒に見れたことがとても嬉しかった。

来年ちょっと環境変化があるため、自分の復興支援ボランティア活動はここで一度区切りをつけることになるけど、また違う形でここにやってきたいと思うし、上尾チームはじめボランティア活動の中で出会った人達とは一生つきあっていきたいと思う。

今回も思い出に残るボラバスを企画してくださったReVAメンバーの皆様、そして陸前高田で受け入れてくれたボラセンや漁業組合、陸前たがだ八起プロジェクトの皆様、本当にありがとうございました。

●ReVA 復興ボランティアチーム・上尾
●陸前高田市災害ボランティアセンター
●NPO法人陸前たがだ八起プロジェクト

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