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いわきで「水没エアコン室外機の洗浄復活」を初体験して感動!

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台風13号にともなう豪雨で大きな被害を受けたエリアのひとつ、いわき市内郷地区。
3連休の後半は、そこに行っていた。

水没したエアコン室外機を洗浄し、もう一度使えるようにしてくれる凄腕技術系ボランティアの「ふじさん」こと藤野さんに、OJTでその方法を教えてもらうためだ。そして・・・

「本当に動いた~!!!やった~!」

という、超びっくり&感動体験をしてきた。

仲介してくれたのは、2019年から所属しているボランティア団体「レスキューサポートバイク千葉(千葉RB)」のコアメンバーO氏。
O氏がFacebookでシェアしていた、「水没エアコン室外機を洗浄して8割5分復活させる」というチームふじさんの投稿に興味を示したところ、OJTで教えてもらえることになった。

茂原でもそうだけど、床下・床上浸水で室外機が水に浸かり、泥なども入って使えなくなり、被災直後の体力も気力も必要な片付け作業を、30度超えの暑さの中で必死にやっている人はとても多い。エアコンが使えないと家の中の湿度も下がらず、乾燥もなかなか進まない。何より、連日その暑さの中で家具や浸水してしまった家財道具の運び出しをしたり、時に床下の泥出しをするのは本当に大変すぎるし、身体を壊してしまう人もいる。

エアコン室外機を復活させることができればきっと、被災家屋にとっても家主さんにとっても非常に助かるはずだ。
そう思って、いわきまで片道160キロの道をバイクで向かった。

到着したのは10時ちょっと前。
三連休でボランティアもたくさん来ていて、重機などを操れる技術系ボランティア団体もいくつも入っているようだった。

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これは2日目に撮った写真で、これだとちょっとわかりにくいが、左右両側どの家も床上浸水で床下にびっしり泥が入り、床板を外しての泥出し作業が進行中。3連休で県内外からもたくさんのボランティアが集まっていたが、それ以上に被害甚大な家屋が多く、大半の家は家族や親戚で汗だくになりながら重たい労働をしていた。

この日は自分以外にも3人が、OJTでエアコン室外機洗浄を学びたいということでやってきていて、実際に水没して泥もびっしり詰まった室外機の洗浄方法を、ふじさんこと藤野さんに教わりながら実際にやっていた。

詳細は、この後解説動画を編集する予定なので、そちらを見てもらえたらと思うが、結論はこう。

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これが室外機のケースを外した最初の段階。

見てお分かりの通り、左側のファンの下にはたっぷり泥が堆積し、背面のフィルターにも藁状のものがびっしり。そして右上の基板も泥まみれになっており、室外機の中でもっとも重要な役割を果たすコンデンサー(圧縮機)がある右下の防音カバーの中は泥がぎっしり詰まっている。

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基板は、右上に立てて設置されている。

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こちらは隣の室外機。
基板の付き方は先程のものとは違い裏向きに水平で、しっかり泥が堆積している。

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それを小型でそれほど威力はない高圧洗浄機で水洗いしていく。
基板は、パーツを傷めないように十分に気を付けながら水を吹き付けていく。もちろんブラシでゴシゴシこするようなことはできない。

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取り付けたままだと裏面がしっかり洗浄できないということで、ケーブルを抜いて基板を外すことに。

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そして裏面もしっかり水洗い。
この時、持つ場所にも十分注意が必要だ。

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写真を撮りそびれたが、エアーコンプレッサーを使って水を吹き飛ばし、その後ドライヤの風をやさしくあてて予備乾燥。

その後、天日で乾燥。
十分に乾いたら、セットしなおして、試運転。

最初の泥ぎっしりの「不動」状態を見てしまっているので、動くかどうか全くわからなかったが、室内機のスイッチを家主さんに入れてもらうと、

ぐっ、ぐ・・ぐ・・・ぐうんぐうん・・・ぐーーーーーー

と、戸惑いながらという感じで、羽がゆっくり回り始めた。そしてスピードをあげ、高速回転に。

室内でも冷たい風が吹き始めた。豪雨に襲われ、日常生活が奪われてから10日ぶりのことだ。

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2台とも復活した。
さらに反対側にあった、もっと激しく泥が詰まった古いエアコン室外機も動き出した。

すごい!本当に復活するんだ!!!
もーびっくり。
過去実績8割5分とは聞いていたものの、正直こんな状態で泥まみれになって一度は完全に動かなくなった室外機が、また息を吹き返すというのは信じられずにいた。

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その後2日目には、ケースを開けるところから、基板の取り外し、洗浄、乾燥、組戻しと一連の作業を担当させてもらい同様に再稼働まで持っていくことができた。

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こちらは蓋を開けてみたら、基板もきれい。「ここまで水はあがらなかったんですかね」というと、藤野さんは「そんなことはないだろう」と。実際、基板を取り外して裏側を見たら泥がびっしり張り付いていた。

家主さんに聞いたところ、水害の後、カバーを外して基板に水をかけて洗い、その後スイッチを入れてみたんだけど動かなかったとのこと。

泥が流してあるのは基板の上だけで、その下のコンデンサーの電極には泥が溜まったままだし、乾燥もしていない状態で通電させてしまうと、それが原因で完全にショートして復活させられなくなることもあるのだという。

そんな説明を受けていたのかもしれない。家主さんは、余計な事をしてしまったのではと少し落ち込んでいるようで、何度も「どうでしょう、直りそうですか?」と聞いてくる。もちろんド素人の自分には何も答えられないんだけど、せめて家主さんが見て不安にならないようにと、必要以上に丁寧な作業を心掛けた。

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基板もピカピカに。
心配で仕方ない表情の家主さんのためにも、この子が息を吹き返してくれるといいんだけど。そう思いながら天日干し。

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お昼は移動販売車で。

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野菜も果物もお弁当も売ってる。
車をダメにしちゃっている人も多いので、これは助かるのだろう。

そして午後、しっかり乾いたところで組戻し。
ケーブルのコネクタも、しっかり覚え、写真もいっぱい撮っておいたので迷わず差し込めた。

家主さんにリモコンで電源を入れてもらうと

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ファンが動き出した時の感動ったら。
そして当然、自分以上に喜んでくれたのは、10日以上も冷房のない猛暑の中で連日家の片付けに汗を流し続けていた被災家屋の家主さん家族だ。

「もうだめかと思っていたのに」
「これで家の乾燥も加速する」
「ありがたい、ありがたい」

災害ボランティアはちょこちょこ参加してきたけど、こんなにも喜んでもらえたことはそんなにない。
そりゃ自分が被災していたら、エアコンから吹いてくる冷風に歓喜したと思う。

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もちろん一度水没しているものを、基板交換もせず洗浄だけで復活させているので、また別の原因などで止まってしまうこともあるかもしれない。
それでも、連日猛暑の中、床下の泥出しなどをしている最中にエアコンを動かせるというのは非常に大きいし、湿度を下げて家の乾燥を早めることだってできる。

膨大な数の家屋が床下・床上浸水して、動かなくなってしまったエアコンの数だって数百台にのぼるだろう。今回まわったところだって、一軒で複数のエアコン室外機が動かなくなっていたので。

だから修理依頼したっていつ来てもらえるかはわからないし、新規に購入したって取付工事はずっと先になってしまう。

藤野さん&藤野さんが率いる「チームふじさん」の活動は本当に価値があることだなと、実際に大喜びしている被災家屋の家主さん家族の姿を見て実感できた。

ファンがまわりはじめ、室内機からも冷たい空気が流れ始めたのだ。

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今回、手順だけでなく、作業で使ういろいろな道具についても教わることができた。
高圧洗浄機もAmazonで数千円で売っているもので十分で、近くに水場があってホースがあればそれで洗浄でも大丈夫とのこと。

またエアーコンプレッサーがない場合には、こんな電動ブロワーでもできるとのこと。

藤野さんが実際にエアコン室外機を洗浄する風景も動画で撮ってきたので、後で編集して藤野さんが公開できるようにしたいと思う。

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