遠野まごころネットを拠点にボランティア活動

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7月29日から8月3日までの6日間、岩手県遠野市の「遠野まごころネット」を拠点に、陸前高田市や大槌町、釜石市など沿岸地域でボランティア活動をしてきた。

【追記】この記事の内容は2011年8月頭時点のものです。現在、遠野まごころネット拠点は移転しており、無料宿泊施設の概要なども変わっています。最新の情報は遠野まごころネット公式サイトにてご確認ください。また2012年3月に訪れた時の施設内レポートの記事(下記)もご覧ください(2012.3.15)

●遠野まごころネット拠点にボランティア活動<2012年版>

「民話のふるさと」として観光客も多く集める遠野。
ここ自体は内陸部にあり、地震での被害もそれほど大きくなかったため、3月11日の震災直後から、岩手県沿岸部の救難・支援活動拠点になった場所だ。

その中で、遠野市の社協やNPOなどが合同で組織する「遠野まごころネット」は、全国から集まった個人・団体のボランティアを受け入れ、沿岸部被災地のニーズとのマッチングを行い、毎朝何台ものバスをだしてボランティアを送りだしてきた。

●遠野まごころネットとは


事前にネットでボランティア登録

遠野まごころネット拠点にボランティア活動をするためには、事前にネットでボランティア登録をする。何日から何日まで活動するか、宿泊場所をどうするかなども申請。

遠野市内の民宿やホテルなどに宿泊してもいいし、宿代をかけたくない場合には、事務局が置かれた遠野市総合福祉センターの体育館と和室に無料宿泊できる。

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ボランティア保険は必須。前もって地元で加入しておく必要がある。

●災害復興ボランティア参加準備(7)ボランティア活動保険に加入する

持ち物リストなどの詳細も遠野まごころネット公式サイトに記載されているので、それら参考に準備を行おう。


東京から遠野までは高速バスが便利!

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遠野までのアクセスは、新幹線+釜石線もしくは高速バスが便利。

●JRを利用する場合(片道14,040円)

<ルート一例:約4時間>
07:56 東京駅発(JR新幹線はやて213号)
10:57 新花巻駅到着
11:12 新花巻駅発(JR釜石線)
12:06 遠野駅着

●高速バスを利用する場合(片道8,500円/往復15,300円)

<行き>
22:20 上野駅前バス停発(池袋・秋葉原からも乗車可)
06:00 遠野駅前バス停着

<帰り>
21:59 遠野駅前バス停発
05:44 上野駅前バス停着

高速バスはトイレ付の3列シートが毎日1便運行となっている。朝6時につけばその日の仕事の割振り(7時半から行われる)に間に合い、夜も、作業終えて夕方遠野の拠点に帰ってくれば、シャワー浴びて夕食も食べてからバスに乗り込むことができる。

週末だけの短期の人でも時間をフルに使えるのが嬉しい。


沿岸被災地でのいろいろなボランティア活動に参加できる

ボランティアにとって遠野が非常に魅力的なのは、ここを拠点にすることで、陸前高田・釜石・大槌など様々な場所で求められているボランティア活動に参加できることだ。

瓦礫撤去などの力仕事だけでなく、被災者のコミュニティづくりのためのカフェ運営や足湯サービス、仮設住宅への物資配布などもある。

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到着したらまず受付。
ここで、遠野まごころネットのシステムなどの説明を受ける。

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瓦礫撤去など以外の求人は、ここに貼ってあり、希望するものに名前を書き込むようになっている。中には、避難所などに届ける野菜の収穫を早朝に行うなんていうものも。

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毎朝7時30分に、建物前で全体ミーティング。
倉敷市や神奈川県から団体で来ている人達も、それぞれの宿舎からここに集まる。

既にその日どの現場に行くか決まっている人以外は、ここで仕事を割り振られる。

「大槌町での瓦礫撤去30人」

など募集人数が読み上げられるので、手をあげるなどして志願。人数によっては希望場所に行けない場合もあるが、自分がいた時には、「全部埋まってしまって仕事がない」ということは全くなかった。

瓦礫撤去といっても、側溝の泥かき出しなどハードなものだけでなく、河川敷でのゴミ拾い的な作業など、体力に自信ない女性でも問題なくできるものもある。

実際、60代の方もかなり来ていて、70代の女性の方にもお会いした。その方は、足湯サービスや仮設住宅や避難所でのコミュニティづくりなど、無理なくできる、でもとっても大切な作業をされていた。

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行先が決まったら、「大槌」「陸前高田」などと書かれたポールの前に並び、バスに乗り込む。ボランティア送迎用で無料だ。

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そして、山を越えて沿岸部へ。
場所によるが、だいたい片道1時間半程度。

なので、現地には10時前に到着し、15時頃まで作業をして、16時半頃までには戻ってくるというのが一般的なスケジュールとなる。

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夜は17時半から全体ミーティング。
その日の活動報告や、翌日の求人など、全体での情報共有を図る場になっている。


無料で宿泊場所を提供

特に1週間以上の長期でボランティア活動を考えている人にとって嬉しいのは、無料で宿泊できる施設を提供してくれている点。

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男性は体育館。
ウレタンマットがたくさん用意されており、その上に各自持参した寝袋を敷いて寝る。

人数が多かったGWの時などは大変だったようだが、今はそれほど大勢ではなく、ぎつぎつというほどではないようだ。

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女性は和室を使わせてもらえる。
ひとり1畳分のスペースが使え、同じく寝袋を敷いて寝る。

1畳というと狭く感じるかもしれないが、私が訪れた時期はそれほど人多くなかったので、畳1枚おきくらいでゆったり寝ることができた。

夏は暑いので、和室にもともとある座布団を何枚も並べ、その上に半分に折ったシーツを敷いて間にはさまる形で寝ている人もいた。寝袋をわざわざ用意しなくてもいい賢い方法かも。もちろんお盆明けからは急激に涼しくなるそうなので、風邪ひかないよう注意は必要。

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ちなみにこちらは、体育館の一角をパーテーションで区切った女性の荷物置き場。
和室には荷物持ち込みNGなので、ここに置き、身支度や着替えなどもここで行う。

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シャワーは仮設のものが外に4つ。

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手前が着替えるスペースで、奥がシャワールーム。
広さもかなりあり、椅子や洗面器もあって、予想していたよりとっても快適に使うことができた。

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ただ人数も多いので、時間はひとり15分以内。
入口のところにある予約表に名前を書いて予約を行う。

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他に、毎日ではないが送迎付きで温泉に行くことも可能。
温泉+ご飯で、980円/1,470円というツアーが私がいた時にはあった。

食事の後に、遠野の方言で遠野物語を語ってくれる「語り部」も組み込まれていてとても楽しかった。作業の疲れも温泉で癒されるのでおススメだ。

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冷蔵庫もある。
歩いてすぐのところに巨大なスーパーがあるので、お弁当を買ってきて翌日の朝ごはんにしている人が多かった。

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電子レンジは2台。

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給湯器も2つあり、コーヒーや紅茶などすぐ隣に置かれていて、自由に飲めるようになっていた。

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時にはこんな頂き物も!!!
このジャガイモは本当に美味しかった。

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瓦礫撤去作業の人は、安全長靴やヤッケなどかなり汚れるので、入口で洗って干す。

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さらに洗濯機も4台(1台は脱水専用)。
中長期で来ている人は、帰ってくるとここでTシャツやズボンを洗濯。

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洗濯物を干すため専用のテントも設置されていた。

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廊下にも干す場所があり、女性は、女性専用荷物置き場内にタオルや下着など干していた。

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充電もできるようになっている。
館内では無線LANが利用できるので、パソコンを持参している人も結構いた。

(夜は大勢が一斉に使うため、電波状況はちと厳しくなる)

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夜、暇な時間があると、壁新聞「よりそう」のバックナンバーを読んだり、いろいろなボランティア活動の内容などをまとめた掲示物を見たり。

「タッピングタッチ」という、素人でも安全にできるマッサージのようなものの講習も行われている。私がいた時には東京から来ていた弁護士さんによる、被災者関連の法律に関する勉強会(家が流されローンだけが残り困っている人の破産手続きなど)もあり、参加させてもらった。

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昼間一緒に作業した人達と、ビアガーデンに行ったり名物のジンギスカンを食べに行ったりも。

日本全国から集まったボランティアの人達と、いろいろな話で盛り上がるのもこういう場ならでは。普段の生活では絶対にお会いできない職種の方もいるし、海外から来られた方や、高校でたばかりという10代の子もいる。個人参加ゆえの不安感も強かったけど、お互いに話しかけ、自己紹介をし、わからないことは教え合ういい雰囲気ができあがっている。

何か月も滞在して活動を続けている人も、男女年齢問わず結構いた。本当にすごいことだと思う。

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もちろん、せっかく遠野まで来たので観光も。

最終日や、途中で活動を一日休んで遠野観光をしている人もいた。
ずっと瓦礫撤去などの作業だけしていると、体力的にも厳しいし、精神的にも疲れてしまうこともある。

ただ遠野を拠点に活動することで、バス往復時間はかかってしまうものの、夜はのどかな風景を見ながら気持ちをスイッチすることもできる。

作業内容も場所も実にいろいろなので、例えば3日間の予定で来ている人なら、1日目と3日目に瓦礫撤去作業をし、間の1日は仮設住宅での足湯サービスにまわるなんてことも可能だ。

大部屋での雑魚寝にはなってしまうが、館内はなるべく快適に、ストレスなく滞在できるよう、本当にいろいろ工夫が凝らされ、トラブル防止のためのルールもしっかりしているので(22時から6時までは完全消灯など)、不満に感じることなどは全くなかった。

ボランティアツアーではない形で現地でボランティア参加したい人は、遠野まごころネット拠点とした活動もぜひ検討してほしい。

過去に参加した人による体験報告会も東京で開催されていて、参加してOB・OGの生の声をきくことで、不安解消も図れる。

また遠野まごころネットの公式サイトには、現地での活動内容がたくさんレポートされている。

「体力のない自分には無理」と思い込んでいる人も、これを読めばきっと、自分にもできることがいろいろ見つかるはずだ。

避難所から仮設住宅へと被災者の方々が移ってゆくこのタイミングで、新しいボランティアニーズがたくさんあがっていて、そしてマンパワーは圧倒的に足りていない。

参加することで自分自身得られることは非常に大きい。
「何かしたい」という思いを抱えている人は、ぜひ一度、遠野まごころネットの公式サイトを覗いてみてほしい。

●遠野まごころネット

●遠野まごころネット拠点にボランティア活動<2012年版>・・・2012年3月時点の情報です(浄化センター移転後)

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