北京郊外「十渡」週末旅行(1)夜空に浮かびあがる許願灯

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大都市・北京だが、東京と大きく違う点がある。
東京はそのまま人口密集地が途切れることなく横浜や千葉、大宮とつながっているが、北京は郊外に出るといきなり山岳地帯になってしまうことだ。

東部は山地、西部は太行山脈、北部は燕山山脈の一部である軍都山に接しており、南部以外は山に囲まれていて全市域の約62%を山地が占めている。北京の最高峰は万里の長城が延々と続いている北部山脈にある東霊山である。

岩肌むきだしで険しい山々と渓流は、北京市民にとって夏の遊び場。
特に西部にある「十渡」は、大学生にも人気のアウトドアスポットだ。

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北京に来て間もない頃、ハイキングとかできる場所ないかなあとネットで検索していて十渡のことを知り、相互学習相手からもおススメされた。

「農家院」というお手頃価格で泊まれる宿泊施設も多く、バーベキューしたり川遊びしたりといろいろできるとのこと。

こんなサイトも見つけた。

●北京农家院网

そして先週末、遂に相互学習相手の社会人2人+その共通の知合い、同じ大学の日本人留学生3人の7人で一泊二日の十渡旅行に行ってきた(私だけ二胡レッスンの都合で後からバスに乗って合流)。

北京も中心部を外れるとかなりのどかな風景になるんだけど、十渡エリアに入った瞬間から全く別世界に。

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両脇は高い山、そしてかなり水の勢いもある川がくねくねと。
一渡→二渡とバス停の名前の数字は次々増えていった。川にはたくさんのボートが浮かび、乗馬を楽しんでいる人もたくさん。若い人や家族連れ中心にかなりの人が来ていた。

東京で言うと奥多摩といったところだろうか。

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夜、他の人と合流し、その夜は羊や魚のバーベキューをつまみにビールをいただく。

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初めてみた中国のノンアルコールビール。
燕京ビールは北京でもっともメジャーなご当地ビール。

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羊も魚も味付けは塩とクミンなどでさっぱり。

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美味しい。

完全に真っ暗になると、あちこちで花火があがった。
そしてふわふわと、何やら火の玉のようなものが浮遊し始めた。

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じっと見ていると、静かに浮上していくものと逆に降下してゆくものがある。

実はこれ、空中版の灯篭のようなもの。

宿の人にいうと「あるわよ」とのことなので、私たちも一個買って空に放つことにした。

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お値段5元(約80円)。
私は初めて見たんだけど、「许愿灯(許願灯)」というものらしい。「天灯」もしくは「孔明灯」とも。

●Wikipedia─天灯

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中に入れる灯りはろうそくではなく、白い固形物。

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この方法が正しいかどうかは不明だが、灯篭的に願い事など書いてみることにした。

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下部にワイヤーが十字に取り付けられており、その中央の突起部分に白い可燃材を設置する。こんな小さなものが、上空であれだけの光量を長時間放つことがミラクルだ。

火をつけてみると予想外によく燃える。
まわりの薄い紙は不燃材とのこと。

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このまま全員で持ち、紙の中に暖かい空気がたくさん入るのを待つ。

今考えると私が間違っていたことがひとつ。
「ちゃんと丸くふくらまさないと」といって、火をつける前に降り回し紙部分を膨らましてしまった。

正解はきっと、最初つぶれた状態で火をつけ、温められた空気だけが上昇してこの中に入っていくようにするというものだった気がする。そうすればもっと早く外気との比重差が生まれ、ふわっと浮かび上がっただろう。

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でも次第にふくらみは大きくなっていった。
少し離れた場所でも別の人達が同じく膨らませていた。

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そして夜空にリリース!

みんなで輪になって握っていたものがふわっと上空に登っていく瞬間は、なんとも感激的だ。

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ゆっくりゆっくり空に吸い込まれて小さくなってゆく。
ずっと目で追いかけていたけど、ある地点で完全に消失した。

「もう見えない高さまであがっちゃったね」
「・・・火が消えたな」
「えええっ~!!!」
「PM2.5かも」
「そんな~!」

と、最後まで盛り上がった。

山間の夏の夜。
この風景は、一生忘れないと思う。

本当に平和でのどかで、幸せな瞬間だった。

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<おまけ>西瓜も美味しかった!

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