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脳機能ドック体験(4)熊谷総合病院で脳機能ドックを受けてみた

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前置きが長くなったが(ここからが実は本番でした)、昨年12月、熊谷総合病院で脳機能ドックを実際に受けてきた。

場所はJR熊谷駅から北に1.3キロほど。路線バスで7分だが歩いても行ける。あと駅前にシェアサイクルもあった。余談だけど近くの「熊谷天然温泉 花湯スパリゾート」がめちゃよかったので、セットで行ったらいいと思う。


脳機能ドックは「脳磁計」+「認知機能検査」

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詳細は病院公式サイトで見ていただけたらと思う。
実施しているのは木曜日のみで所用時間は3時間、料金は税込38,500円。

ひとつ注意点があり、脳機能ドックは単体では受けられず、必ず「脳ドック」とセットで行う必要がある。こちらも所用時間3時間で33,000円。なので両方の検査を合わせると71,500円となる。時間は両方一緒に受けると計6時間ということになるけど、実際にはもっと短い時間で済むんじゃないかなあと勝手に。

脳ドックは、脳梗塞や脳動脈瘤など突然発症する病気の事前発見になるので、40代以降は定期的に受けたほうがいい。一緒に受けてしまえば安心できる。

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熊谷総合病院は4年がかかりの再整備プロジェクトを終え、2020年にグランドオープンした巨大な病院。総合検診棟もピカピカ。新しいのは建物だけでなく、2016年以降に次々新しい検査機器を導入している(病院沿革)。

以前どこかで、「検査を受けるなら、何かあった時の連携がとりやすい総合病院を選ぶことも大事だけど、最新機器を導入しているかどうかも大事。15年前のガラケーで撮った写真と、今のスマホで撮影した写真の違いを考えてみて」と言われ納得したことがある。

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熊谷総合病院が新しい総合健診センターをオープンした2018年に導入した機器のひとつが脳磁計で、脳機能ドッグではこれが使われる。MRIみたいなものかと思ったら全然違った。

検査は2本立てで、もうひとつが心理士による面談型の認知機能検査。

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ちょっと驚いたのは、検査結果はその日のうちにでるということ。

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結果レポートを解説してもらいながら、さらに認知症予防のための生活改善アドバイスなども受けることができる。

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さらに「脳機能ドックガイドブック」なる非売品の本までお土産(?)にもらえる。

これがすごくいい!

人間ドックやPET検査、脳ドックも受けたことがあるが、後日郵送で届いた検査結果レポートの「判定:A」に安心したらそれで終わってしまうことが大半。時には「何も問題ないなら高い検査代払って受ける必要はなかったなあ・・・」と思ってしまうこともある。

今回の脳機能ドックは、特に異常値は発見されなかったものの、受けたこと自体が認知症についてちゃんと学び生活改善につながる大きなきっかけになり、かつ認知症に対する漠然とした不安もかなり解消されたので、そんな点でもとてもよかった。



脳磁図検査のための「脳磁計」は閉所恐怖症の人でも大丈夫!

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検査はまず、説明を聞いて質問票に回答することから始める。
内容は生活習慣に関することなど。

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そして人生初体験となる脳磁計。
もちろん見たのもこれが初めて。

受診前に写真では見ていたけど、実は大きな勘違いをしていた。MRI同様、横たわったベッドがスライド移動し、検査機本体のドーナツ型の穴の中に吸い込まれていくと思っていたのだ。

全然違った。
まずこのベッドは動かない。

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そしてドーナツ型ではない。
頭部はこんな感じに半球のくぼみがあり、ここに頭部を入れるヘルメット型だ。

なので額や頭頂部、側面は機械で囲まれるけれど、顔は特に何かで覆われることもなくずっと天井が見える状態。

閉所恐怖症の人でも全く問題ない。

さらにMRIのような爆音がないどころか無音。
ベッドに横たわって動かないでいればそれだけで検査は終わる。

あとで受けた説明によると、検査する機械の側から例えばX線なり電磁波なりを出しその反射で身体の内部を可視化する仕組みではなく、脳自体が発している微力な磁場をキャッチするものなのだという。

こういう検査の話をすると、「検査を受けるほうがかえって身体にダメージを与えるのでは」と心配する人もいるが、そうしたリスクは一切ない「完全に非侵襲的検査」なのだそう。

動かずにいる時間も数分で、眠りに落ちそうになる前にあっけなく終わってしまった。途中、リズミカルな鼓動のようなものを感じたような気がしたけど、機械からは一切そうしたものは発せられておらず、自分自身の脈動なのだろうとのこと。ちょっとした瞑想タイムになったのかもしれない。



心理士による認知機能検査

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次は別室に行き、対話型での認知機能検査。

こちらは、認知症かどうかを調べる時に一般的に行う検査スタイルなので、親のもの忘れ外来などに付き添って見たことある方もいるかもしれない。私も母親が水頭症のシャント手術を受けており、その最初の診察の時から術後の定期健診まで毎回付き添っているので、よく見ていた。

日付や場所を答えさせるものや、言われたものの名前を覚えるもの、何かを渡されて指示どおりにアクションするなどかなりいろいろな種類がある。できたかどうかだけでなく、質問や指示に対してどんな反応をするかなども含め総合的に採点するのだそう。



結果レポートを解説してもらい生活改善アドバイスも

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脳機能ドックのレポートがこちら。
脳機能の評価は「A」で、脳活動のリズムも正常の範囲から外れておらず。

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現時点で近い将来の認知症発症の可能性を示すものはなかった。

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ちなみにこれが、脳磁図による認知症検査の実証データ。
健常者と認知症患者それぞれが脳磁図検査を受けた時の分布の偏りがこれでわかる。

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50歳になる少し前から、「自分、早期認知症なのでは?」なんて思うこともちょいちょいあったんだけど(特に若いころから苦手だった人の名前をを覚えるのが本当にダメになり)、データを見る限り問題なし。安心できた。

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認知機能検査の結果シート。
ひとつ点数が低かったものがあるが、これは特に気にしなくてもいいそう。どこを間違ったか自分自身記憶がないのがちょっと困惑なんだけど。

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病院の中の診察室というより、研究室のような雰囲気もあるところだった。
行くまではちょっとドキドキだったけど、ほんわかした話し方で人を和ませてくれる鴫原医師のおかげで、いろいろ質問もでき、とても勉強になった。本当にありがとうございます。

脳機能ドックのチームの方々がWEB上でも情報発信を行っているので、脳機能ドックや認知症予防に興味ある方はまず、こちらのYouTube動画チャンネルをチェックしてみるといいと思う。

▼認知症の基礎知識 6つのポイント(14分32秒)

▼認知症の基礎知識 認知の予備能編(7分21秒)

▼認知症の基礎知識 認知症の予防因子編(14分55秒)

▼認知症の基礎知識 認知症は治る?編(9分28秒)

認知症リスクは減らすこともできるし、アルツハイマー病になっても認知症の症状は軽くおさえることもできる。どうしようもない部分もあるけど、知識を得て努力で変えられることもある。

上の動画では、脳の神経細胞や血管などのちょっと難しい話も、いろいろな例えでとてもわかりやすく解説されている。あと確率の話など、認知症とは関係ないところでも勉強になる内容が結構盛り込まれている。

Twitterはこちら。

●ニャーロンくん@脳機能ドック実行委員会(@brain_nyauron)さん/Twitter

この後は、脳機能ドックを契機に始めた生活改善について紹介したいと思う。

> 続く

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