脳機能ドック体験(3)脳機能ドックと脳ドックは何が違うの?
「脳機能ドックを受けてきた」というと、かなりの確率で「脳ドック」と間違えられる。
この2つは、検査内容も目的も大きく異なる。
鴫原医師の説明資料の写真を使わせてもらいながら違いをざっくり説明したい。
脳ドックはMRI検査などで脳血管疾患リスクを調べる
脳の病気やリスクを早期発見するための検査として広く知られているものは「脳ドック」。
私も2018年3月に、当時銀座にオープンしたばかりの「メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック」で「スマート脳ドック」なるものを受けた。
事前にオンラインで問診もすませ、当日は受付したらすぐ検査。着替えもないので到着からわずか15分後には受付でお見送りされるクイックなもの。結果はメールで届き、WEB上で自分の脳の中の血管の状態を3Dでぐりぐり動かしながら見ることができる画期的なものだった(今は30分くらいかかるそう)。
検査はMRI(核磁気共鳴画像法)などで、脳梗塞やくも膜下出血、動脈瘤などが見つけられる。
50代になると、身近な人でも脳梗塞になったという話が出始める。残念ながら急逝した友人もいるし、身体の自由が聞かなくなりリハビリ奮闘中の人もいる。
脳梗塞やくも膜下出血は、突然なる病気ではあるが、実際には気付いていない段階で「隠れ脳梗塞」などとも呼ばれる小さな規模の脳梗塞が発生していることもあるし、頭の中の時限爆弾とも言われる脳動脈瘤ができていることもある。
検査でそれらが見つかれば治療もできるし、生活習慣を変えることでリスクをとりのぞくこともできる。
40代を過ぎたら一度受けておくとよく、50代以降は2~3年置きの受診が推奨されている。あ、そろそろ自分も2回目行かなくちゃ。
認知症リスクを把握するため「脳のはたらき」を調べる脳機能ドック
一方、脳機能ドックはまだ始まったばかりの非常に新しい検査で、日本で一般向けに行っているのは埼玉県の熊谷総合病院だけ。
詳細はぜひ、上の特設ページを見ていただけたらと思うが、
「脳のはたらき」
を調べのが目的で、いわゆる「脳ドック」とは大きく異なると鴫原医師は説明してくれた。
脳の萎縮はMRIに映し出されるが、脳の萎縮が写真でわかるのは認知症がある程度進行してから。また「脳の萎縮=認知症」ではないので、脳が萎縮していても認知症は軽かったりすることもあれば、その逆もあるのだという。
熊谷総合病院では、「脳磁図検査」と「認知機能検査」の2つで脳の"はたらき"を調べる。
MEG(脳磁計検査)とは、脳が活動するときの磁場変化を超電導センサーで読み取り、脳の機能を解析し、認知症など脳の異常を明らかにします。放射線を使用しないため、被曝がなく痛みのない検査です。
12月に私も体験させてもらったので、次回どんな内容のものだったかご紹介したい。
>続く