SEOは職人気質の日本人向き?~大内範行氏に聞く (1)
SEOの第一人者として知られ著作も多く、現在はウェブプロデューサーとして数多くの企業サイトの企画&コンサルティングを手がける大内範行氏。
私自身、講演や書籍を通して、多くのことを学ばせてもらった、ウェブビジネスの世界の中で大変尊敬する先輩のひとりだ。
●できる100ワザGoogle Analytics(大内範行 著)
●できる100ワザSEO&SEM(大内範行 ジェフ・ルート 安川洋 江沢真紀 著)
昨年アフィリエイト・カンファレンスの基調講演で講師をされていた時から「いつかインタビューを申し込んで、ブログ記事にしたい」と目論んでいたのだが、やっとそれが実現した。
これから4回にわけて、そのインタビュー内容をお届けしていきたい。
SEOは職人気質の日本人向きだった!?
正直、僕も驚いています。
SEOのブームが非常に長く続いていることに。
マイクロソフトでMSNにいた時に検索エンジンのキーワードに出会い、
「これはもしかすると何かあるかもしれない」
と、個人で組織を作りSEOの仕事を始めたのが2000年頃。
当時はまだ知っている人も少なく、商売にはしにくい環境でした。
リスティング広告なども始まって、本当に盛り上がってきたのは2005年あたりじゃないですかね。
プレゼントキャンペーンやクリック報酬広告、メールマーケティングなど、インターネットのマーケティングには様々なものがあって、どれも非常に流行った時期があったけど、同時にどれもすごく短かった。「SEO」もひとつのマーケティング用語になったけど、そんなに長くブームが続かないだろうと言われていた時期もありました。
でも一過性のものでは終わらず、むしろ裾野が広がっている。
これって、すごく根本的な部分につながっているんです。
人が探しものをしているところに、自分達が作っている情報などがぴったりマッチングする。広大な海の中に急に赤い糸が引かれてゆくような感じ。
これまでのマーケティング手法とは違った、
インターネットという世界に非常にあっている手法なんだと思います。
もうひとつ、SEOって日本人に向いているんです。
これはお客さんと話をしていて実感しました。
日本人は、工場の「改善」と同じように、いいものを作るため、細かいところまでディテールを詰めてゆくという作業を得意としています。
職人気質で作りこむことが上手な民族といえるかもしれません。
細部まで気を使って作り込みをすれば、よりよいサイトができあがり、人が集まってくる。そこが理解できれば、日本人は一生懸命取り組んで、いずれアメリカのSEOを追い抜くだろうと思っていました。
ただ、日本人には非常に向いているという反面、
目標を失いがちという点もあります。
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