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中国ソーシャルメディア入門(2)知ってビックリ!中国インターネット市場の規模

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著書「中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ」などを通じ、中国のEC市場やソーシャルメディアの最新事情を発信されている北京ログラスの山本達郎氏に直接お話を伺う機会をいただいた。

やはり最初に気になるのは

「市場規模」

中国で今B2Cのマーケティングを展開するならインターネットという選択肢を外す企業はまずないと思うが、この広い中国。一体どの程度、一般の人の生活の中にインターネットは浸透しているのだろう。

参考までに2011年末の日本のインターネット人口は推計9,610万人、人口普及率は79.1%と発表されている(総務省の平成23年通信利用動向調査)。経産省の平成23年度国内電子商取引市場調査では、国内のB2CのEC市場規模は8.5兆円とのこと(どこまでをEC取引とみなすかの定義により金額は大きく変わる)。

どちらも伸び続けているが、成長率という点ではかなり鈍化したと言えるかもしれない。個別のECサイト担当者に話を聞いても「天井が見え始めてきた」という話はよく聞く。

それでは中国ってどうなんだろう。

中国のインターネット人口は、昨年の調査で既に5億人を突破している。全体でみると人口の4割強だが、大都市&沿岸部のインターネット利用率は高い(関連記事)。

富裕層はもちろんのこと中間層の成長も著しい中国。その消費市場の急激な拡大はテレビなどでもよく見るが、インターネットでの買い物もかなり定着しているのだろうか。

「そうですね、例えば淘宝(タオバオ)だけで1兆元とか」
「い、1兆元!今の換算レートだと・・・16兆円ですか!」
「中国のEC、立ち上がりは遅かったのですが、そこから大きくなるまでが早かったですね」

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淘宝は説明するまでもないが、中国最大のショッピングモール。

●淘宝

2003年5月にC2Cのプラットフォームとして始まり、2008年にはB2C開始。「支付宝」という売り手・買い手双方のリスクをなくした決済サービスを軸にクチコミ・店舗とのチャットシステムなども導入し、安全で安心して利用できるインターネットショッピングの仕組みを確立、一気に中国のEC市場を開花させた。

●Wikipedia「淘宝網」

そのあたりの話は山本氏の書籍内でも詳しく紹介されている。


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2009年ユニクロ出店時のエピソードも紹介されている。

ユニクロ旗艦店は、オープン当日に3000件の取引を成立させ、その取引額は30万元にも達した。またオープンから11日間で約43万人、一日平均で約4万人のユーザがタオバオモールのユニクロ基幹店を訪れたという。その11日間の売上額も約410万元(約5740万円)を記録。この驚異的な売り上げは「タオバオ神話」と称され、中国全土にユニクロブランドの名を改めて知らしめた。(「中国巨大ECサイト・タオバオの正体」P112より引用)

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出店から約半年後には単月販売額で1000万元を突破、一日取引額平均約30万元はユニクロでもっとも業績の高い実店舗の取引額に相当するほどだったという。まさに「淘宝伝説」、中国EC市場の規模と可能性の一端を見せつけられる。

ソーシャルメディア関連ではこんな数値にも驚かされる。

「日本ではソーシャルメディアというとTwitterやFacebook。 日本のTwitterで最もフォロワー数が多いのが有吉弘行さん(2013年4月時点で約220万人)、次がソフトバンク孫正義さん(同180万人)ですよね。それでは中国で一番フォロアー数が多い日本人は誰かと言うと、蒼井そらさんで、微博フォロアー数は1300万人を超えています。そんな話をすると皆さん『母数が圧倒的に違うんだな』と驚かれますね」

中国ネットユーザの間で人気の高いセクシータレント蒼井そらの微博アカウントに関しては、昨年の尖閣問題に絡む反日デモの際に日本でもニュースになったので記憶にある方も多いだろう。4月24日時点でフォロアー数は13,917,486人。

●微博─蒼井空

先日の四川地震後に自筆で書いてアップした「四川加油雅油平安」という画像には、あっという間に1万件ものコメントが付いた。タイムラインではなくコメント欄が「秒速で流れていく」感覚かもしれない。

ちなみにここまで「微博」とだけ書いてきたが、実は中国には複数の「微博」サービスがある。

新浪微博http://weibo.com/
騰訊微博(QQ運営会社)http://t.qq.com/
捜狐微博http://t.sohu.com/

中国ではブログのことを「博客(ボーカー)」といい、短文投稿のいわゆるTwitter的なサービスは「マイクロブログ」ということで「微博」と呼ばれる。

もっともユーザ数が多いのは「新浪微博」で、蒼井そらアカウントもここ。

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既に多くの日本企業・自治体が微博にアカウントを開設し、日々情報発信やユーザとのコミュニケーションを図っており、先行&成功しているアカウントはフォロアー数もかなりの数だ。

山本氏の書籍の中で紹介されている日系の企業・自治体アカウントは・・・

  • マツダ
  • 朝日新聞
  • 日本大使館
  • AVEX
  • フェリシモ

企業アカウントの投稿を眺めていると、発信した情報に数多くのコメントが付き、かつ転送され、フォロアー内だけに留まらない拡散をしていることがよくわかる。

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Twitter同様、企業であっても微博にアカウントを開設し運用するのにコストはかからない。
もちろん数多くのフォロアーを集めていくためには、広告サービスを利用したりプレゼント絡めた各種キャンペーンも展開してゆく必要があるが、「おしゃべりが好き」「広告よりも知人のクチコミを重視する」中国人に対するマーケティングとして、このプラットフォームを使わない手はない。

実際、中国にきてまず驚いたのは、中国企業の微博活用率だ。
データで確認しているわけではないが、実感値として、日本以上に定着しているのは間違いない。

もちろん大都市北京だからというのはあるが、飲食店や小売店では入口や印刷物にかなりの確率で微博やQQのアカウントが書かれており、もはや「電話番号並み」の扱い。その普及度は東京と比べても格段に高いと思う。


「微博は公式アカウントで30万いっているとか。電車の車内広告やバス停の広告を見ると、必ずと言っていいほど右下に微博のアカウントが記載されていますよね。QRコードがついていて携帯・スマホで撮影して即フォローすることもできます。プラットフォームとして定着しつつある・・・というかもう定着しているのではないでしょうか。
ECの有無にかかわらず、中国でB2Cやっていたら微博アカウント持っていないほうが怪しいというレベルまで近づいているのかなと」

ところでふと気付いたのだが、そもそも画面キャプチャ以外では実際に微博を見たことがないという人も多いかもしれない。

次の記事で、少し微博(新浪微博)のサービス・機能について簡単に紹介をしたい。


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