中国ソーシャルメディア入門(5)微博成功事例をチェック!
百聞は一見にしかず。
そしてやはり、見るだけじゃなく“体験”してみるのが一番の学習。とりわけソーシャルメディアの世界は「実感値」から学べることが非常に多いので、「まずはやってみる(個人的にでも)」ということが重要かなと思う。
とはいっても、やはり研究は必要だ。
書籍の中で日中いくつもの成功事例・ユニークな事例が紹介されている。中国でのソーシャルメディア活用を検討している企業にとって非常に参考になるはずだ。
例えば・・・
日本では「頒布会」方式の通販で特に若い女性層に人気の高いフェリシモ。中国では「芬理希梦」という漢字が当てられている。
中国向けの公式サイトはここだ。
日本のフェリシモを知っている人なら、中国語版でも素朴で淡いパステルトーンのデザインになっていることに気付くだろう。日本的なデザイン・クオリティの典型例として中国人が魅力を感じるもののひとつでもある。
微博アカウントはこちら。
そもそもは2010年7月頃、新浪ウェイボーにフェリシモ社員の個人アカウントとして開設したのがスタートだった。それから約半年後の2011年2月に、企業認証の青色Vマークを取得し、フェリシモ公式アカウントとなったのである(「中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ」P93より引用)
書籍内では、同社が中国内で取り組んでいる公共性の高いプロジェクトやフォロワーの属性、同社が多くのフォロワーを獲得するに至った2つのきっかけなどが紹介されている。
そのひとつは、“ウェイボー女王”と呼ばれるヤオ・チェンが同社のプロジェクト「500色の色えんぴつ」についてつぶやいてくれたことだという。
●姚晨の微博アカウント(20013年5月時点のフォロワー数は4600万人!)
「そんなことになっていたとは!」
山本氏から話を伺い最も驚いたのは、青森県の対中国観光誘致キャンペーン。
青森県に留学できているモンちゃんという女の子がパーソナリティになり、動画も駆使して青森県の観光名所などを紹介するというものだが、モンちゃんのキャラクターも大きく寄与し、微博内でも人気のコンテンツとなったのだそう。
東京・大阪・京都に神戸・北海道・沖縄などは中国人観光客にとっても人気の場所だが、「青森県」という地名を知っている中国人はほとんどいないだろう。
ところがこの青森県のアカウントのフォロワー数は既に35000人を越えている。そして動画の再生回数もすごい!!!
(再生すると最初60秒は広告視聴となる)
再生回数は多いもので100万回を超えている。
手作り感も満載の動画だが、モンちゃんの天然でぶっちゃけトークも満載の奔放な魅力もあり、微博でも話題盛り上がり転送によって一気に広まったという。
名前も場所も知らなかった「青森県」、このモンちゃん動画をきっかけに興味を持ち、北海道旅行のついでに足を延ばしてみるという人もきっと少なくないのだろう。動画最後はイラストによる青森県の位置&交通案内だ。
自治体の微博活用成功事例として、動画の作りも含め学べる点が多そう。
他に、自治体では福島県アカウント、中国の企業では大手ショッピングモールの「京東商場」や「VANCL」、そして微博活用によって爆発的なプロモーション成果をあげている携帯の「小米」事例なども非常に面白い。
数量限定で商品の欠乏感をあおったこのプロモーションは、約55万人のフォロワーを持つ小米のウェイボー、そして、約240万人のフォロワーを抱える小米CEO雷軍のウェイボー、約10万人のフォロワーを抱える同副総裁の黎万強のウェイボーらのつぶやきによって、口コミで広まることになった(「中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ」P129より引用)
中国版ツイッターウェイボーを攻略せよ! (ワニブックスPLUS新書)(798円/通常配送無料)
> 続く