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中国ソーシャルメディア入門(4)今から日本企業が「微博」運用始めるなら

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仮に今、ある日本企業が中国市場におけるブランド認知浸透を目的に微博運用を開始するとする。

日本語で日本人相手にTwitter運用するだけでも結構課題はある。どのような内容の情報を発信してゆくのか、コミュニケーションをどうとっていくのか、フォロアーをどう獲得していき、何を基準に成果測定を行っていくのか。想定されるリスクは?

ましてや中国市場で、中国語で、対象は文化も異なる中国人・・・となると垣根は大きい。

「日本だと自社運用の他、PR会社や専門企業に委託するところも多いですが、中国でも同じですか?」
「はい、やはり大きく二つにわかれると思います。自社でやる場合と専門の企業と組んで運用する場合と。自社でやる場合には、自社製品・サービスに詳しい中国人を専任でつけて担当させることになります。専門の会社さんと組んでやっている日本企業も多いですね。微博は新機能も次々リリースされますので、そうした最新の状況も キャッチアップして積極的に使いこなし、トライ&エラーを重ねながら早期にノウハウを蓄積していくことができるのは専門企業でしょう」
「専門ならではの知見も活かせるわけですね」
「自社運用だとありがちなのがネタ切れです。一日一回つぶやくだけでも結構面倒ですが、実際に一日一回だけだと、ユーザひとりひとりがフォローしているアカウ ント数も多いので、タイムライン上で流れてしまい見てもらうことができないんです。当社では1日5回くらいを推奨していますが、何時につぶやくかも重要になってきます。朝の出勤時間、お昼休みの少し前やお昼休み、おやつの時間、退社帰宅時や寝る前など、もっとも見てもらえるタイミングで、その時間帯にあっ た内容の情報を発信してゆく必要があります。そういう体制を自社で作れればいいですが、そうでなければ専門業者を使うのはありだと思います」
「文化や生活スタイルも違う国・・・難しそうですね」
「“ウケる”ポイントも違いますよね。ツボが違うというか。当社でも、例えば犬と猫だとどっちがウケるかなど、いろいろ実験を行っています」

基本的な仕組みはTwitterと同じだが、相違点もある。

たとえば、Twitterも微博も「140文字」という点では同じだ。しかし英語の「140文字」と日本語の「140文字」では詰め込める内容量がかなり変わってくるのと同様、日本語と中国語でも実質内容ボリュームの差はかなり大きい。

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これは日本大使館の微博アカウントだ。
毎日、美しい写真と共に日本の文化や伝統、地域などを紹介している。漢字の意味がわかれば中国語がわからなくても内容はざっくり理解できるだろう。そして気付くはずだ。日本語のようにひらがなの送り仮名もない中国語では、短文でもかなりの内容を表現できることに。

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140文字もあれば、ちょっとしたコラム程度の内容を配信できる。

さらに転送時の仕様も異なる。

「Twitterの場合、転送するとその際に追加したコメントやアカウント名文の文字数も140文字にカウントされてしまいますが、微博の場合、転送では元々の内容はそのままで、さらに自分のコメントを140文字かぶせることができるんです。内容も日本語と比べると同じ文字数で1.5倍から2倍くらいになると思います」

敬語や丁寧語が少ない等、言語特質の違いもあり、トーン&マナーも違うようだ。
このあたり本でも紹介されているので、興味ある方は是非一度読んでみてほしい。


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とはいえやはり一番手っ取り早い「微博理解」は実例を見てみることだろう。

実際に微博上で企業、特に日本企業はどういった情報発信やコミュニケーションをしているのか。早期に開始しノウハウも蓄積している企業はもちろん、大きな成功を収めている自治体アカウントの事例なども参考になるはずだ。

>続く

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