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外国人のための防災訓練に参加

昨日開催された「外国のための防災訓練」に、防災語学ボランティアとして参加してきた。

私は今回初めて知ったのだが、毎年東京都生活文化局の主催で開催されている。

●外国人のための防災訓練

会場は駒沢オリンピック公園の屋内球技場。メディアも多数やってきていた。

これが防災語学ボランティアに配布されているビブス。私は昨年秋に初めて登録した。TOEICなど一定の条件をクリアしていれば誰でも登録申請できる。

自分は中国語の国際的な検定試験HSK6級に合格しているので、それで登録した。会話能力は極めて低いんだけど、それでも筆談も交えれば避難所で最低限必要な情報は伝えられるはずなので、いざという時に都内に旅行中の中国人や、まだ日本語会話能力が高くない留学生などの支援はできるかなと。

最後の講評によると、参加者の多数は大使館関係者。25カ国129名が参加したそう。

開会式。

小池都知事も参列。小池さんになってから、防災関連のこうしたイベントに都知事が参加することが増えたそう。まあ、前の二人が来なさすぎたのではという気もしつつ。

防災訓練は9:50から13:40までとかなり長時間で、しかも待機時間もさほどなくみっちり。

こんなに濃厚だとは思っていなかったので正直びっくりした。中でもインパクト大だったのがこれ。

●東京消防庁 VR防災体験車

ボランティアの自分たちも13:40以降体験させてもらったんだけど、この臨場感は想像以上。地震で食器棚が倒れ、砕け散った食器類で床がガラスの破片だらけになるところまでは想定できても、まさかラスト、倒壊家屋の下敷きになるストーリーまで組み込まれているとは。電動ドリルの音が近づいてくるところとかもなかなか。

他に火災編と水害編があるということなのでそれも体験してみたい。

写真ないが、屋内でのVR体験もあった。ビル内での火災で、煙を避けてしゃがみながら、誘導灯に従って建物から脱出するというもの。私はそもそもの意図が分かっておらず、文字通り「火に飛び込む」という真逆のことをしてしまった。

黒い煙が細い通路に立ち込めると、誘導灯もよく見えなくなるということがよく理解できた。

参加外国人達は全部で6つくらいのチームにわかれ、それぞれ決められたスケジュールで各コーナーを回って行く。説明スタッフの話す内容を通訳が翻訳し、さらに語学ボランティアがそれぞれ担当する言語で該当言語の参加者をフォローしてゆく。

自分のチームは、アフリカや南米などの国の大使館員と中国人が半々くらい。

ただ中国人はみな、流暢な日本語を駆使する人達で、かつベテランの語学ボランティアもいたので、自分は時折東日本大震災の時のボランティアの話などしながら、くっついて歩いているだけのあまり役に立たない状態。

やはり次回同じようなイベントに参加するまでに、この中国語版の東京防災をしっかり読み込んで、自分一人でも簡単な解説ができるくらいになりたい。

理想は高く、現実は・・・いや現実もできれば高めに。

かなりみっちり行われたのが救命体験だ。心臓マッサージとAED。自分も過去に救急救命講座で習った。

外国人向けだけど、だからといって適当でない。消防署の方、そして救命士さんの熱意がすごかった。

参加者が全員、心臓マッサージとAEDを体験するんだけど、それが徹底してる。

まずやるべきことは、一緒に救急救命に取り組んでくれる人を確保すること。その際、「誰かがもう119してるだろう」と皆が思い込んでしまい誰も電話していないといった事態を避けるため、必ずメインとなる人が「それではあなたが電話してください」など指名指示し、かつ相手の返事も確認する。

参加者がその過程をすっ飛ばしてしまうと何度でもやり直させる。そしてなぜそれが大事なのか繰り返す。見ていた私の頭にもしっかりインプットされた。

東日本大震災の時の津波被災地の写真パネルも。

これは避難所体験コーナー。紙素材で作られたパイプを組み合わせ、簡単に拡張できる間仕切りの実演も。段ボール製のベッドもたくさんの外国人が座ってその強度にびっくりしていた。

災害公園のマンホールの蓋を開けて設置する災害トイレ。これは日本人でも実物を見たことないという人は結構いるかも。

エコノミー症候群を防ぐための、血液循環よくする体操も。

私たちのチームの最後の体験は、NHKワールド主催のもので、新聞紙を使ったカップ作り。アプリにこうした情報も掲載されているそう。

そういえば自分も東日本大震災で訪れたボランティア拠点で、段ボール使ったサンバイザーとか作ってたなあ。

最後解散の後に、赤十字による炊き出しも。

メニューはフレンチシェフが仕込んだというカレー。かなり凝ったカレーで本当に美味しかった。

半日歩き続けた後なので美味しい。

炊き出しボランティアをしていた時のことを思い出す。初めて炊き出しを受けたという地域の人たちが、発砲容器に入ったご飯だったか汁物だったかを受け取った瞬間、「わあ」と声をあげた。何かと思ったら「温かい!」と。そしてご近所の人たちと「温かいわよ」「ほんと、温かい」とうれしそうに。

台所がある一階が浸水し、二階で暮らしている人たちが多かった地域。温かい食事はそれだけでうれしいのだと。

被災地で学んだことはたくさんあったが、「温かい食事」が欲しても得られなくなるシチュエーションが存在するというのもその時に理解したことのひとつだ。

震度7も体験。

外国人参加者は、様々な防災用品を最後お土産にもらっていたが、我々防災語学ボランティアにもライオンさんからのお土産が。

語学ボランティアとしては役にたたなすぎた自分だけど、とてもいい体験になった。次回はもっと使える語学力を身につけて参加したい。

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