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地震時に振動でブレーカーを落とすアイディアグッズ「家庭用スイッチ断ボールIII」

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「熊本もボランティアに行くの?」と何人もの人に聞かれたが、千葉から熊本は遠い。そんなわけで高速バスで往復したと思って、その分の支援金を現地で活動するボランティアチームに託し、私は我が家の地震対策をしっかりやることにした。

そのひとつがこれ。


エヌ・アイ・ピー 家庭用電源遮断器 スイッチ断ボールIII

最近テレビでも話題の、地震の時にブレーカーを自動的に遮断するアイディアグッズだ。

地震の後に火災が起きる原因の一つは、地震で破壊された家が、その後地域の電力が復活した際に漏電など発生して燃えてしまう

「通電火災」

1995年の阪神・淡路大震災では7500棟もの家屋が焼失したが、発火原因の6割は電気ストーブなど電気器具だったそう。大きな揺れで遮断されるガスと違い、電気は一般的にそうした安全機能がついていない。詳しくはNHKサイトで紹介されている。

●首都直下地震 新想定"通電火災"とは? (NHK)

これを防ぐためには「感震ブレーカー」は正直高額で一般家庭での導入は難しい。替わりにわずか3,000円程度の「揺れたらブレーカー遮断」する装置が考案された。

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オレンジ色の球体は金属製の重りで、プラスチック円筒にちょこんと乗っている。揺れでこれが落ちると、紐でつながっているブレーカーのノブが下に引っ張られ下がる仕組み。試しに落としてみたが、引っかかることもなく、カシャッという歯切れのいい音とともにノブが下がり、ノブ先端にかぶせたオレンジ色のキャップと重り球は床に落ちた。


取り付けは簡単

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取り付け方はこのとおり。
見てお分かりだろうが、簡単だ。特に工具も必要ないので年配女性でもひとりで設置可能。

ブレーカーのノブの先にはめたキャップを外せばすぐ分離するので、「長期不在時だけ使いたい」という場合にはその時だけキャップを嵌めればいい。

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説明書もわかりやすい。

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同梱されているパーツはこんな感じ。
ブレーカーのノブの大きさに合わせられるよう、キャップがいくつか入っている。

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そしてこれが本体。
重り球を置く場所の横には水平器もついている。

球体を置く円筒部分は、実は既に2つのオプションの「震度調整用リング」がはめられた状態。

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大小2個の「震度調整用リング」を両方はめると「震度7以上」で落下し、両方とも使わないと「震度5強相当以上」で落ちるようになる。どう調整するかはその家が古い木造住宅かそれとも新建築基準法に則った家かなどで変わる。

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本体裏面は両面テープになっている。

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そしてこれがキャップ。
ブレーカーノブの先端ポイントの一点に確実に力がかかるようになっている。

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そしてこれが我が家のブレーカー。
カバーはなく、主ブレーカーは少し飛び出している。

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配電盤の形はいろいろだ。
主ブレーカーの下にあまりスペースがない場合もある。うちのもそうだ。

また突起したノブがない埋め込み式や、カバーがついたものもある。どんな場合でも利用可能になっている。

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その説明部分がこれ。
下にスペースがない場合は、本体を「ハンガー部分」と「本体部分」に切り分け、主ブレーカーの下に輪っかの「ハンガー部分」を、そして上に本体と重り球を設置する。同様に配電盤の側面に貼りつけることもできる。

カバー付の配電盤の場合は、カバーと配電盤の間に隙間を作り側面に貼りつけることも。

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我が家のは、主ブレーカー下にスペースが少なく丸みを帯びてしまっていることと、主ブレーカーが手前にかなり出っ張っているため、木片を挟むことにした。

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ちなみに配電盤は正面から見るとこんな感じ。

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本体をふたつに分離。

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そして木片を養生テープで取り付け、その上に両面テープで本体を貼り付け。

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完成!

手で重り球を突いて落としてみると、瞬時に家中が停電した。

そして写真見て今気付いたけど、「ハンガー部分」を使い忘れていた。
それを緑色の部分に貼りつけて糸を通せば、重り球は下まで落ちずにぶらさがる。

後で直しておこう。

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他にもいろいろ細かな工夫がある。

本体の台座部分は開閉するようになっている。
使わないときに閉じておくためかと思ったらそれだけではなく、下の調整ネジで角度調整できるようになっている。

ブレーカーのノブにキャップを嵌められない埋め込み式の時には、引っ掛けることができるパーツも同梱されていた。


課題は「夜間の地震」で停電になり避難に支障がでること

これを購入しようとFacebookに投稿した際、防災に非常に詳しい人からこんなアドバイスをいただいた。

「夜間の地震でブレーカーが落ちると避難が困難に」

夜間に大きな地震が発生しブレーカー遮断された際、地域一帯の停電がなくても家の中が真っ暗になり、モノが倒れまくった家の中での避難に支障をきたすというものだ。

ああ、確かに~。
それを考えると、利用は正直躊躇する。

ただ考えてみると、モノが倒れまくり、どこでケーブル断線しているかわからない中で通電しているのはやはり危険ではある。特に電気回りもかなり老朽化している古い木造家屋。

また大きな地震が起こった直後は、停電になる可能性が高い。
都市部のように多重化されていないため、一度停電になると復旧までの時間もかかる。

「震度7以上の場合は、家の中は必ず停電になる」

そんな前提で、家の中の防災を見直すというのもありだろう。

既に我が家では、各寝室やリビングルームなど、懐中電灯はすべて備えており、通路や階段にもセンサー付きLEDライトをつけているので、真っ暗闇になることはない。
今回はそれに加え、室内にもLEDセンサーライトをつけ、ランタン型ライトを追加設置することにした。

またガラス破片などが散乱する家の中で歩けるよう、寝室に使っていない靴も置くことにした。
本当は金属製の中敷きも入れたほうがいいのだろうが、それはまた後日。今度、夜、家の中で避難訓練してみよう。

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場合によっては、「家を長期不在にする場合限定」にしてもいいだろう。
普段は主ブレーカーのノブに装着したキャップを外しておくだけなので、切替も楽だ。

子供の頃は、長期帰省の前など主ブレーカーを落としていくこともあったが、今はFAXもありテレビの予約録画もありそうはいかない。

「夜、暗闇の中でも無事に避難できる」体制が整っていないと逆に危険になる可能性もあるので、誰にでもおススメできる商品ではないが、通電火災はやはり怖いので我が家ではしばらく使ってみることにした。


エヌ・アイ・ピー 家庭用電源遮断器 スイッチ断ボールIII

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