シャングリラ古城の旅館「月光客桟」
1300年の歴史を持つシャングリラの古城(旧市街)は、1月11日の大火災でそのほとんどが焼失してしまった。焼け残ったエリアにユースホステルもあったが、門は固く閉ざされていた。
唯一営業中らしい旅館がここ。
名前は「月光客桟」。
「客桟」は麗江古城内にも多いが、伝統的な建物の旅館の名前によくつけられている。辞書には「旅籠」とあった。なるほど。
焼け焦げた街の跡を見たばかりなので、第一印象は
「よく燃えそうだな~」
外から覗くと、大勢の人が狭い中に座って薪式ストーブを囲んでいる。そこに入っていくのはちょっと勇気いたが、他に選択肢はない。
ストーブ上には大鍋が置かれ、10人前後の人が大鍋をつつきながら食事をしていた。私が扉を開け一歩中に入ると、全員の箸が止まり、視線が私に集中した。思い切りたじろぐ私。
(誰が宿の人なんだ?)
戸惑ったのも無理はなく、明らかに旅行者な若い女の子二人以外は、宿の人&その知合い(もしくは近所の人)だったらしい。
100元で泊まれるということだったので、一泊することにした。
「もう食事はした?」
「いやまだ」
「じゃあ一緒に食べよう」
チェックインも支払いも、パスポート提示すらしていないのに、なぜかいきなり一緒にストーブのまわりで鍋を囲むことに。料理は野菜と肉いっぱいでスープもかなり辛めの四川風なもので美味しかった。
「ビール飲むか?」
「いやお茶で・・・」
何だか山小屋にいるような気分になる。
写真は食事後の団欒風景。
部屋は100元にしてはかなり豪勢だ。
海南島を離れて以来ずっとユースホステルのドミトリー連泊だったので、久しぶりの個室だ。
ここにも一人寝られるようだ。
ちゃんと電気マットまで敷いてあった。
火災の影響で取水制限がかかっているそうで、水はでるけどお湯はだめでシャワーを浴びることはできなかった。
震えるほどの寒さでシャワー浴びる気にすらなれないので問題なし。ただ夜には宿のおじさんが大きなポットに入れたお湯を洗顔&足洗うようにと持ってきてくれた。
他のスタッフも皆明るく快活な人達で、とても居心地いい宿だった。
でも肝心の古城は壊滅状態。
宿泊客も激減し、今後の経営はきっと厳しいんだろうなあ。