貸切状態のシャングリラ「白水台」
シャングリラ周辺には、大自然を体感できる観光地がたくさんある。しかし寒い。超薄ユニクロダウンジャケットだけで氷点下まで気温下がる土地に来たのは失敗だった。
ガイドブック見ながら悩んだ末、一か所だけ行くことにしたのがこの「白水台」だ。
シャングリラ市内のバスターミナルから一日2本(朝9時台と2時台)。
片道3時間かかる。
降りてびっくり。
観光客は自分ともうひとり20代の男性、あと大学生4人組だけだった。
大学生グループはひとりが地元の子だったらしく、先に別の場所に行ったため、白水台に登ったのは私とその男性だけだった。
チケット売り場に向かう途中で自己紹介。相手は私を中国人だと思っていたようでびっくりしていた。
「よかったら一緒にいきましょう」
「はい」
ひとつめのスポットがここ。
興味ある人は漢字だけの文章から内容推測してもらえばと思うが、まあよくある女性器崇拝だ。
しかしどこが女性器なんだ?
地元少数民族の老人がひとりいて、お線香を買って参拝しろと結構繰り返し言ってきたが、一緒にいた男性が拒絶して通過。
その人はなかなか面白い人で、「往復6時間かけてきたのに人はいないし一か所だけだし、施設古いし・・・」とぼやきつつ、かなりずっと話し続けていた。
歩きやすい道指示してくれたり、荷物持ってくれたりと親切。
さらにあがると、メインスポットが見えてきた。
光を放っているかのような美しい水色の池。
周囲の深緑色に覆われた山景色の中、ここだけ白い山肌になっていてなんとも神秘的な景観だ。
石灰を多く含む地下水がここから湧き出して斜面を流れてゆく過程で、こんな段々畑のようなテラスが形成されたのだという。
自然が造成したとは思えない美しいテラス風景。
色も上の方は緑色で下のほうは水色のグラデーションになっている。
最初これ、一番上が山の色を反映して緑色になっているのかと思ったがそうではなかった。
なぜかはわからないが、上のほうの池だけ藻が生えていた。
ここでも記念撮影。
一人だけで回っていたらこれは無理なので、もうひとりいてくれてよかった。
というか、予想外にも他に誰もいない観光地。
ひとりだけだったらちょっと怖かったかもしれない。
写真撮影のベストポイント発見!
なかなかいい場所が見つからなかったが、ぐるっと左側にまわりこむとやっと全体が撮れた。
ガイドブックには、観光客でにぎわう夏の写真が載っていた。大勢がカメラ構えて周囲に立ち、池の中にはなぜか観光用の牛もいた。
冬は完全に貸切だ。
ただ冬は水量が少ないそう。
真ん中はまったく水が流れておらず、枯れてしまっていた。
さらに奥に行くと再び水をたくわえたテラスがあったが、こちらも水の流れが少ないのか、藻がはえて少し黄緑色になっていた。
これだけ強い太陽が当たっているにもかかわらず、水表面には薄い氷も。
「奥に源流があるはず」
ということで斜面を離れ奥に行くと、小さな屋根付きの場所があり、年配男性がひとりいた。
「さっきのガイドブックの写真の老人じゃないか?」
と言うので、半信半疑ながらガイドブックを渡して聞いてもらうと、なんと「これは親父」とのこと。
ガイドブックには、この場所がナシ族にとって聖地でもあると書かれていた。
この男性もお線香を買えと言ってくるのかと思ったら、一言もそんな話はせず、この白水台がここから湧いているという説明だけ簡単にして、あとはベンチに座って煙草を吸い始めてしまったので、ここの監視もしくはガイド役の人だったのかもしれない。
湧水がでてくるポイントはとても美しかった。
水量的にここだけではなく、他にも何か所かあると思う。
下りは別のルートを通った。
こちらは、観光開発進んだ中国では非常に珍しい、朽ちかけてぼろぼろの道。
まあ、いかにも最近お金かけて構築しました!な観光用の道より、このほうが風情あるよね。そんな話や日本の話などしながらてくてくと。
ちなみに彼がびっくりしていたのは日本の刺身の話。
「日本人は魚、生で食べるんだろ」
「うん、新鮮な魚だけだけど」
「どの魚を生で食べるんだ?」
「中国人も好きなサーモンとか、まぐろとか、さんまとか」
「さんま!?」
「あと・・・うーん、なんでも生で食べられる」
「なんでも!?」
こっちが驚くほどびっくりしていた。
中国人はサーモンくらいしか生で食べないからなあ。さんまも必ずよく焼くし。
人口の段々畑。
きれいな弧を描いていて、こちらもきれいだ。
雲南の山岳地帯にはこんな段々畑がとても多い。
海抜は2650mとのこと。
道理で登る時は息切れしまくったわけだ。
バス降りた場所で30分ちょっと待つと、行きに乗ったのと同じバスがどこかで折り返してきたらしくやってきた。
シャングリラからは、朝9時台のバスに乗れば12時頃には白水台に到着し、その後1~2時間くらい観光して、14時半頃のバスに乗るとシャングリラには18時前に戻ってこれる。
バスターミナルでは、18時台発の麗江行バス最後の一枚のチケットを買うことができたので、それに飛び乗ることができた。ラッキー。