海南島の漁村「鶯歌海」をたずねる

「どこか田舎に行ってみたい」

そう言うと、島内の洞窟さがしがライフワークという三亜在住の友人はすぐひとつの地名をあげてくれた。それが三亜から約100キロの場所にある漁村「鶯歌海」だった。

彼によると、最大の見所は伝統的な漁法。
他に中国南部最大の塩田や古い建物形式「騎楼」が残る町並みも見ることができるという。

「絶対行くべきですよ」

翌日朝、北京在住の日本人留学生、三亜のユースホステルで知り合ったタイ在住の中国人と私の三人はバスに乗りこみ、漁村に向かった。

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三亜から鶯歌海までは約2時間。
バスの終点で三輪タクシーに乗り、海辺へ。

三輪タクシーを降り、まっすぐ浜辺に向かった三人、思わず感嘆の声をあげた。
湾曲した砂浜は、閑散とした村とは裏腹に大勢の人で賑わっていた。

もちろん海水浴客ではない。
同じ形の編み笠をかぶった年配の女性達がいたるところでしゃがんで輪を作り、しゃべりながら作業をしていた。

彼女たちが一体どんな作業をしているのか、輪の中に積み上げられたものが何なのか遠目にははっきりしなかったが、近づいてみるとすぐわかった。

パッと見、生ごみのようにも見えた山、実はすべて網で採った魚介類、大半は体長数ミリの小さなエビや稚魚などだった。彼女たちは小さな熊手を使い、比較的大きな魚や蝦、イカなどをえり分け、分類しているのだった。

非常に目の細かな網を使っているのだろう。
そうでなければ、こんなにも小さなオキアミ状のものを海底からごそっと掬い上げることはできないはずだ。

正直、かなり効率の悪い、根気のいる分別作業に見えた。
どじょう的な魚以外すべて息絶えている。仕分け後に残る小さなエビや魚も肥料や養殖魚の餌にするのだろうが、素人目には少々乱暴な漁法にも感じる。

とはいえこうした風景を見たのは初めてだったので、とても新鮮だった。

海辺で作業をしているの漁民だけではない。

水牛も巨体を揺さぶりながら黙々と仕事をしていた。

彼らの任務は収穫物満載の竹篭の運送。
海上に停泊中の船と砂浜の間を何度も行ったり来たりしていた。

ひとしきり砂浜をぶらぶらした後、私たちは編み笠をかぶった女性から新鮮な魚を数尾購入し、近くの食堂に行き調理してもらい昼食にした。

採ったばかりの魚は非常に新鮮で、思わず笑顔がこぼれた。

もしいつか海南島に行く機会があれば、三亜から日帰りで行けるこの漁村「鶯歌海」に足を伸ばすべきだろう。活気に満ちた砂浜の風景と穏やかな海、安くてぴちぴち新鮮な海鮮を堪能できる場所だ。

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