<海南島一周>洋浦半島の古塩田
中国語のガイドブックによると、海南島の北西の一角に飛び出した半島に、唐時代に始まった塩田があるという。製塩方法も独特ということで足を伸ばしてみた。
儋州という街から洋浦開発区行きというバスに乗り、まわり何もないのどかな風景の中を一時間ほど走ると、突然集合住宅らしき建物が並ぶエリアにでてきた。ここからサイドカー付きのバイクタクシーに乗って塩田へ。
塩田は海沿いにある。
ガイドブックによると、今から1200年前の唐時代末期、福建省の塩作り職人たちがこの地にやってきて塩田を切り開いたという。
その製塩方法が独特で、天然の火山岩を削って上部が平らにした石槽を作って並べる。満潮時に海水がここにたまり、太陽の光で水が蒸発し塩ができるというシステムだ。質のいい塩がとれたという。
今でもこの先祖代々伝わる塩作りが小規模ではあるが続けられているという。
ここは古い塩田で、実際には使われていない観光用のようだ。
製塩のために上部を平らにした石。
縁があり海水が貯まるようになっている。
火山岩ということで、確かに削りやすそうだ。
この特殊な形の石が、ずらり並んでいる。
満潮の時でもここまで海水あがってこないと思うので、本来あった場所から移動したものなのかもしれない。
実際に塩作りしているというところにも行ってみたかったけど、場所もわからず時間もなかったのでそれは断念。
こんな場所もあった。
これも塩作り方法のひとつのサンプルなのかな。
海沿いまで歩いていくと、小さな漁港になっていた。
少し先には、マンション群も。
地図上では「開発区」とあったので、工業基地があるのかもしれない。
台風も多い島なので、半島で入り江になっているところは大きな港を作るのに適しているのだろう。
次に来たら、このあたりの風景もがらっと変わっている可能性がある。
塩田横には観光客目当てのこんなレストランも。
来た時はバイクタクシーだったが、帰ろうとすると足がなくなるのはよくあること。開発区の中心部まで行けば長距離バスターミナルもあると思い、散歩がてら歩いていくことにした。
街路樹の間にはハンモックが吊るされ、近所の人がまったりお昼寝していた。のどかすぎる風景だ。
入口には「千年古塩田」と書かれた大きな石。
これが子供たちの遊び場になっていた。
高さもかなりあるし、石と石の間の距離もかなりあるのだが、小さな子供達がその石の間をぴょんぴょん飛び跳ねて移動しており、見ているこっちの方が悲鳴あげそうに。
足滑らせて石に頭ぶつけたら大変なことになるよ!!!
カメラ構えた観光客の姿を見つけ、にっこりピースサインする女の子。
かわいすぎる。
この後両脇から飛び込んできた子達でカオス状態になるんだけど。
見た目も海南島の地元っ子で、どちらかというと東南アジア系の顔立ちだ。
近所は比較的新しいきれいな家が多いが、椰子の木も多く、午後の静かな時間が流れていた。昼寝している人も多い。南国だ。
しかしながら、この道を右に曲がって少し歩いたところには、巨大な工事現場があった。
一瞬何だかわからなかったが、よーく見ると橋だ。
しかもかなり巨大な。
ここは洋浦半島の先端なんだけど、そこから橋をかけるらしい。
半島自体さほど大きくはないし、半島沿いにここまで来てもそれほどの距離ではないので、「本当に必要なのかなあ・・・」と疑問に思ってしまうが、まあきっといろいろな事情があるのだろう。
反対側に目を向けると、こちらも橋から伸びる道のための広い用地が既に確保されていた。海口までつながる幹線が作られるのだろう。
今は・・・
豚がゴミ箱の周りで残飯あさっていたりするんだけど、
ここも次に来たら、もう全く違う風景に様変わりしているはず。
幹線道路が開通したら、そのすぐ隣のこの一角などはどうなるんだろう。
意外にこのまま残るかもしれないし、丸ごと巨大ショッピングセンターになったりするのかもしれない。
ちなみに今は旅館がずらり並んでいる。
工事関係者などの宿泊先になっているのかもしれない。
そしてさらに5分ほど歩くと・・・
いきなり両側にマンション立ち並ぶエリアに。
中国はどこもそうだが、急激な開発で、全く異なる世界が背中合わせに存在する不思議な空間が多い。
マンション群はどこも新しく、完成はしているが入居者はほとんどいなそうなところも多かった。
商店や屋台が並ぶ賑やかな広場のすぐ隣にも・・・
巨大高級マンション建設中。
本当にこの半島の先っぽのこの開発区が、これだけの人口を吸収できるエリアになるのか?
なんだかとっても不思議な気がするが、
覚えていたらいつかまた来て歩いてみたい。
ここから海口行きのバスに乗り、3泊4日の海南島一周旅行を終えた。
残念ながら天気には恵まれなかったものの、美味しいものもいろいろ食べることができ、温泉にも浸かれ、バリエーションに富んだ風景を楽しむことができた。
次は島の内陸部を攻めてみたいと思う。