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YouTubeの新広告がまもなく登場~「TrueView動画広告」

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通学中の小学生同士の会話にも普通に登場する動画共有サイト「YouTube」。その広告戦略について責任者が来日し語ってくれるという記者発表会があったので参加してきた。

  • 一日20億回以上の視聴
  • 毎分35時間分以上の動画アップロード
  • PVでは既に国内で5番目に大きなサイト
  • エンターテイメントカテゴリでは1位
  • インターネット人口の46.7%へとリーチ

・・・などなど、驚異的な数字が怒涛の勢いで提示されて始まった記者発表会。

回数だけでなく「視聴時間」も長く集中して見られる傾向もあるだろうサイトのマネタイズは、やはり他の一般サイトとは違っているようだ。

  • 入口→トップページ広告
  • 検索→プロモート動画
  • 視聴→パートナー動画への広告
  • エンゲージメント→ブランドチャンネル、コンテスト

YouTube上におけるユーザ行動に即して大きく分けると、この4つのフェーズでの広告サービスが提供されているという。

●YouTubeで広告配信

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トップページには7種類のフォーマットの広告。
最も大きな面積を占めるものとしては、横幅いっぱいに拡大(エキスパンド)し、かつ動画が自動再生されるものもある。

●YouTube広告~ホームページ

自動車メーカーなどの広告事例がサンプルとして提示された。
広告料金がどの程度なのかわからないが、YouTubeのホームページ広告を利用できるのはやはり、従来TVCMをがんがん打っていた企業なんだろうな。

そうではなく、限られた広告予算でもニッチなターゲットに効率よくアプローチできるのはやはり、動画検索結果に表示する広告だ。

Googleのリスティング広告「Google AdWords」と同じ仕組みで、実際にユーザが視聴した段階でいくらの広告費を払うかという入札があり、広告枠の価格は需要と供給、そしてユーザ反応の良しあし(マッチング度合い)によって決まってゆく。

●YouTube広告~プロモート動画

検索されたキーワードに関連させた動画を見せることができるので、ユーザニーズにもマッチした、人気の広告となっている。

ただ実際に検索してみると、なかなか「プロモート動画」がでてこない。

広告入りそうなキーワードいくつかたたいた結果、「ゴルフ」「ゴルフレッスン」で「プロモート動画」と右下に記載された動画が登場した(動画視聴すると課金されちゃうのでテスト目的の方は再生はしないでおきましょう)。

確かに「動画を用意しないといけない」という点で、Google AdWordsのように、あれもこれも関連キーワードを買って自社サイトに飛ばすといったものよりはハードルが高いのかもしれない。逆に狙い目でもあるか。

そして視聴フェーズにおいての広告。

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一日当たり20億の動画が視聴されているそうだが、そのパートナー動画再生ページに掲載する広告のフォーマットも多様。

●YouTube広告~パートナー動画再生ページ

多岐にわたるジャンルの優れたコンテンツが投稿されており、YouTube には考えられる限りのさまざまなコンテンツ制作者がいます。最近では、コンテンツ パートナーの数が 1 万を超えているので、どのような広告主様にも、それぞれ最適なコンテンツが複数あるはずです。コンテンツ パートナーは、National Geographic のような定評のあるメディア企業をはじめ Smosh のような娯楽中心のパートナーにいたるまで広範囲にわたります。

動画再生中、下のほうに表示されるバナー広告(InVideoオーバーレイ)の他、「インストリーム広告」という、パートナー(YouTubeを使って動画をアップロードする人/企業)動画が再生される前に、15秒/30秒などの広告動画を流すというものだ(・・・ったと思う/誤認識かもしれないのでご確認ください)。

●爆笑ネコ動画
●特訓するねこ。

テレビでもおなじみのねこ動画だが、広告が表示されたりされなかったりする(すぐには表示されずちょっと経過してから10秒間再生される)。

詳細は聞き漏らしてしまったが、専用の管理ツールを使って、広告を掲載する動画を、カテゴリやキーワードなどで絞り込んで選択することができるとのことだった。多分この「動画ターゲティングツール」かな。

そして最後にエンゲージメント。
ざっくりとは理解しているものの、きちんと文章で説明しようとすると悩むので、「エンゲージメント」とは何なのか気になる方は、どこかで検索して調べてみてください。はしょります。

企業が運用するブランドチャンネルや動画投稿コンテストなどがある。

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実際に公式のブランドチャンネルをYouTube上に開設し、プロモーション動画や投稿コンテストなどを介して一般ユーザとコミュニケーションしている事例は多く、ニコンやNTTなど大企業のロゴも多数並んでいた。

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グローバルで成功したYouTubeキャンペーン事例として紹介されたのが、オールドスパイスのもの。一億回視聴を最短で達成したのだとか。その前の記録は、英国スーザンボイルの動画だったというから、それを上回る盛り上がりを企業動画がみせたというのは確かにすごい!!!

●YouTube「OldSpice」公式チャンネル

↑再生回数も半端ないけど、それ以上にコメント数にびっくりする!!!2万件以上!どの程度のコストをかけているキャンペーンなのかわからないけど、国境越え全世界で2億回近い再生回数をされていること考えると大成功なのだろう。今までまったくブランド名知らなかった、日本のいち市民である私の脳裏にも、この映像とともに深く刻まれたわけで。

ここから日本の事例がいくつか紹介された。

長くなってしまったのではしょるが、ワコールの公式チャンネル「うわさのリボンブラ」やリーボックの「ラヂオ体操第四」など。

●YouTube「ワコールの公式チャンネル!」
●ラヂオ体操第4・・・公式チャンネルとは別のとこ/最後の一瞬までブランド名がでない

そのほか、JALとJTBがスポンサードして立ち上げた羽田国際空港開業に絡めたコンテンツの事例。こちらは、一般のユーザから旅行動画を投稿して作り上げてゆくもの。

●YouTube「TRAVEL」

また空気清浄器かな?エアコンかな?「DAIKIN2010」というキャンペーン動画では、アノテーションの機能を使い、ユーザが選択することでストーリーが変化してゆくというもの。ビジネスマナーを習得してもらいながら、製品についても認知してもらう。

●YouTube「頑張れ!新入社員 大東くん!!~正解の鍵はうるるとさらら~」

不動産のネクストのプロモーションは立ち上がりが非常によく、1月に始まったばかりだが、3週間で100万回の視聴をとった。現在も展開中なので、実際に見ることができる。

●YouTube「HOME'S PARTY」


YouTube広告の未来

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ここまでは、現状のYouTube広告サービスの話だったが、後半では今後の広告戦略の紹介になった。

パートナーの広告収益は2年連続で約3倍上昇。
YouTubeでマネタイズされている動画視聴数はグローバルで週20億以上。広告主の数も昨年一年で10倍になった。「Commercial」と検索すれば、多数の動画が登場し、既に多くの企業のプロモーションにYouTubeは活用されている。

でも面白いのはこれから。
さらにインタラクティブに、そしてクリエイティブになってゆく。

そしてテレビCMとの比較に。

テレビでは視聴者に強制的に広告を見せてきた。
しかしYouTubeの場合は「この動画がみたい」と自発的に視聴するもの。

1.ユーザの方が「みたい」と思われる動画を広告主が作る
2.自らオプトインして視聴する広告は、テレビ広告の10-40倍の効果がある(との広告主談)

ユーザが自ら選んで企業動画を見るという新しい広告フォーマットが


「TrueView(トゥルービュー)」


既にアメリカでは実験的に開始しており、日本でも今年3月からテスト開始する予定とのこと。

●YouTube広告~TrueView 動画広告

具体的なイメージは↑こちらのページを見てほしい(これでもちょいわかりにくいけど)

  • ユーザが自ら選んだ広告をみるため、高いインパクトを期待できる
  • ユーザが広告動画を最後まで(もしくは30秒間)みた時のみ、広告主に課金をする

ユーザから見た時にどう映るのかなど、まだ実体験していないのでわからないが、確かに従来の広告スタイルを大きく変えるものになりそうで期待できる。

ユーザ側が視聴したいかどうか/何を視聴するかといった選択権をデフォルトでもつことにより、企業視点だけで作られた、時に「しつこい」「うざい」と思われがちな広告が減り、視聴者にとっても面白く・見たいと思わせてくれる価値ある広告が増えてゆく、そんな広告の中身に大きな変化を与えるひとつのきっかけになるかもしれない。

これは業界全体にとって重要な第一歩。

しかしあれですね。「ユーザに受け入れられる/話題になり爆発的に広がる」そんな動画を創り出してゆくのって、至難の業。

今後ますます、ネット動画でヒットを飛ばせるクリエーターの需要が高まっていくんだろうな。

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