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「αブロガー」「ファンブロガー」そして「レビューブロガー」

写真昨日、AMN主催の企業向けセミナー「先端企業に学ぶ消費者との対話への取組み~カンバセーショナルマーケティング最新事例~」に参加した。
特に企業マーケ担当とかでもないんだけど、昔からお世話になってるソニーマーケティングの遠藤さんが講演するというので、

「よし、超アップ写真撮ってブログに貼り付けちゃえ!」

という遊び心(?)もあり、エジプト土産を渡しがてら出席してみた。

行ってびっくり。
広い会場に人ぎっしりで、遅刻組の自分は「超アップ写真」どころではない後方隅っこになってしまった。

写真

なので、残念ながら写真は↑こんな感じで。

ただ、内容は非常に濃く、
そしてものすごく勉強になり、考えさせられた。

「カンバーセーショナルマーケティング」先端企業事例として発表を行ったのは、

  • 横山 和幸氏
    アサヒビール株式会社 酒類本部 マーケティング本部 宣伝部チーフプロデューサー
  • 遠藤 康史氏
    ソニーマーケティング株式会社 広告宣伝部門 ウェブコム企画部 編成課ウェブプランナー(兼)制作課(相変わらず長っ!)

お二方の発表ともに、


「そんなにデータ・ノウハウ公開しちゃっていいの?」


というもので、自分などがこんな場所に書いて垂れ流すには少々恐縮ものなので、詳細レポートは遠慮し、非常に印象に残った一点のみご紹介。


ブログイベントにどのようなブロガーを呼ぶか

二社とも、数多くのブログイベントを開催してきており、自分もAMN経由だったり、あるいはソニーの場合MONO-PORTAL絡みで参加し、貴重な体験をさせてもらった。

ソニーマーケ遠藤さんは、ご自身もヘビーな・・・というかヘビーすぎて「睡眠時間足りてる?」と心配になるブロガー。

非常に個性的な超詳細な“体当たり系”レポートを書かれており、レビューブロガーとして非常に親近感を感じ、リスペクトするとともに、時に、あまりの見事さに「やられた感」すら感じさせてくれる人だ。

ご自身も、個人的に他企業のブロガーイベントに参加をされているが、数多くのソニーのブログイベントの裏方を仕切ってきている。そんな遠藤さんが、経験の中から蓄積してきたノウハウを、失敗経験や反省点なども含め、かなり深いところまで紹介してくださった。

その中に、


「どのようなブロガーさんに参加してもらうのがいいのか」


という話があり、3タイプというか3カテゴリあげていたのがこれ。

写真

ちなみに、この講演自体は、ソニーマーケティングという会社としてのスタンスや考え方ということではなく、あくまで、いち担当者である遠藤さんの考えていることとのこと。確かに内容もかなり突っ込んだ本音満載のものだった。

多くの企業では、ブログイベントというと「どれだけアルファブロガーを呼べるか」に執着する。

遠藤さんも、いわゆる「アルファ」なブロガーに参加してもらい、そうした影響力の強い人達のブログで紹介されることで、そのブログの数多くのファンに対して情報が伝わるマス的な効果もあり、またそうした著名ブロガーも参加することで、イベントの「格」ともいえるようなものがあがるのかもという話をされていた。

(すみません。ちゃんとメモとれなかったので、ニュアンスとか間違ってる可能性も大です/あとで本人に確認します)

写真

そして、絶対に軽視してはいけない存在として「ファンブロガー」をあげていた。

このあたりは熱烈すぎるファン層を抱え持つソニーならではというのもあるが、他企業でも同じことだろう。既にネット上に存在する「その企業のファンであるブロガー」を無視して著名ブロガーだけにアプローチし、特別待遇をする企業の姿勢には、自分も反発を感じる。

ソニーっていいなと思ったのは、製品モニター企画などで、必ず「返却」を求められるとこ。
最初は「ケチだなあ、売るほど製品あるのに・・・」と思ったが、「プロモーションの一環とはいえ、メーカーが製品をタダでばらまくのは、買ってくれた顧客に対し失礼」という広報ポリシーを聞いて納得した。

遠藤さんからは、実際に過去、「ファンブログ軽視」と批判を集めるような運営のブログ向けイベントを開催した時の話もあった。

「本当にそこは深く反省をしました」
「ファンブログに参加してもらうことで、イベントの「質」があがります」

ファンの目線で書かれた内容は、そうしたブログを読んでいる同じく多くのソニーファンの人たちにも共感されるものであり、またそもそもファンの人たちは「本当に納得しないかぎり絶賛はしてくれない」という部分も大きく、それゆえ、彼らが発信する情報は、信頼されるものとなる。

ロイヤリティ高いからこそ期待度も高く、
期待度ゆえに厳しい目で見つめている。
そんなファンに納得し、満足してもらえるブログイベントを目指してゆくことが確かに大切なんだよなあと改めて思った。


イベントの「効果」が期待できる「レビューブロガー」

写真

自分がもっとも驚いたのは、三番目として、


「レビューブロガー」


を持ってきたことだ。

遠藤さんは「僕もレビューブロガーです」と語っていた。
商品レビューに限らず、イベントなどに参加しても、とにかく詳細にレポートする人。というか「詳細レポートしないと気が済まない人種」をここではさしている。

遠藤さんが最近書かれたレポートなど見ると、イメージ湧くだろう。

●ザ・プレミアム・モルツ講座 サントリー武蔵野ビール工場
●アサヒビール オクトーバーフェスト 日比谷 秋の収穫祭 楽しみ方

(↑ちなみに、自分が最近ちょい「やられた感」感じたのは、このオクトーバーフェストのレポートです)

とにかく丁寧にレポートを書くことに生き甲斐(?)すら感じるレビューブロガーは、企業側の思いなどもきちんととらえてくれるし、記事作成にあたってはしっかり情報収集も行うし、悪いことは悪いとも書く。

そうして書かれたレポート/記事は、企業担当者が見ても参考になる内容を多く含んでいるとのこと。

写真
(座談会時の遠藤さん)

資料にある「SEO」というのは、これだけ見るとちょっと誤解をさせそうだが、
説明受けるとしごく納得だ。

アルファブロガーのように膨大な数の読者数を抱えているブログでなくても、しっかり書かれたレポート記事というものは、ブログという仕組みの特徴もあり、検索エンジンでもきちんと上位にあがってきて、それに関する情報が欲しいと思っている人達が検索した時にそこにたどりつく可能性は高くなる。

そして「このレポートが参考になる」など掲示板やコミュニティ等でも紹介され、さらに検索エンジンで上位にあがる。

結果として、PVの多いブログのように「一気にドカンと露出」はしないものの、いわゆるロングテールで、時間がたっても検索エンジン経由で「その情報を求めている人達」が少しずつ訪れ続け、企業としてブログイベントを実施した「効果」につながってゆくというような話。

写真

そのいち事例として遠藤さんがあげていたのが、
ご自身のブログのこの記事。

●日産スタジアム アリーナ席別アングルガイド 座席表

日産スタジアムのアリーナ席の各ブロック毎に、どう舞台が見えるかというのを、写真に撮って解説している。これはすごい!そしてコメント欄を見ると、多くの人(常連さんではなく、この記事の情報の質に集まってきた人達)に深く感謝されていることがわかる。

企業担当者がこうして壇上で「レビューブロガー」について熱く語ってくれたのを聞くのは初めてだったので、ちょうど「レビューブロガーネットワーク」立ち上げ直後だったこともあり、じーんとしながら聞き入ってしまった。

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あと、懐かしくもうれしかったのは、
ブログマーケティングに本腰入れる初期の頃の話として、自分がSo-netブログの中で書いた「自宅で体験!ハッピー<ベガ>&スゴ録」を紹介してくれたことだった。

●自宅で体験!ハッピー<ベガ>&スゴ録

2005年春。

メールニュース原稿に使うので、新製品モニターしてほしいと頼まれた自分は、つい気合入りすぎ、なぜか、記事30本近くを非公開ブログの中に書きため、そのURLとID&パスワードを制作会社に送った。

「使えそうなところ適当に抜き出して使ってください」

それが、ソニーマーケティングの中の人たちの目に触れ、「ブロガーはすごい」という話になったんだとか(まあこっちは単に、ブログが楽しくて仕方なかったというだけなんだけど)

写真

他の事例の中にも、自分がリーダーとなって4名のブロガーで作った「ハイビジョンハンディカムわくわく体験プロジェクト2005」だったり、このWADA-blogだったり、MONO-PORTALの画面が載っていて、めちゃめちゃ嬉しかった。


+++


ブログ&レビューにはまりすぎ、時間かけてレポート書きながら「激しく時間の無駄じゃないかなあ」と悩むこともある。

ただ実際、書きたいという気持ちだったり、書いた後の満足感だったり、あるいは誰かからコメントもらった時の喜びとかあってやめられない。

これはこれでいいんだなと、
意味あることなんだなと、今回の遠藤さんの講演を聴きながら、あらためて実感した。


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