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竹鶴21年

写真夏のビアガーデンシーズンから東海道53次ウォークにかけて、ビールばかりガブ飲みしてしまっていたんだけど、昨夜はおいしいウイスキーをいただいてきた。

会場は南青山にあるニッカウヰスキー本社。「竹鶴21年ISCトロフィー受賞セミナー」にお声掛けいただき参加させてもらった。

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セミナー会場は五階の会議室。
ウイスキーのセミナーなのに、半分以上が女性でびっくり。

いや、自分も一応女性なのですが。

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セミナー講師はチーフブレンダーの久光氏。

昨年5月に開催された「余市1987」ワールドウイスキーアワード受賞記念セミナーの時にも講師をされていてお話を伺ったんだけど、今回も実感。


話がとにかく魅力的!


ウイスキーにあまり興味ない人が参加していてもつい惹きつけられてしまうような、魅力ある話。情熱的な話し方で、かつ何度も会場をどっと笑いで湧かせる。

自分が話下手なだけに憧れてしまう。
(今月からカルチャーセンターの講師を始めたんだけど、めちゃ緊張しまりです・・・)

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今回のテーマは「竹鶴」。

「余市」がシングルモルトウイスキー(余市蒸留所でできた原酒だけで作られるウイスキー)なのに対し、竹鶴は余市蒸留所と宮城峡蒸留所で作られた原酒をヴァッティングした(←この表現なんか格好いいですね)ブレンデッドモルトウイスキー。

ニッカウヰスキー創業者の名を冠した、
ニッカを代表するウイスキーのひとつだ。

●ニッカウヰスキー公式サイト

その竹鶴21年が、「第14回インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」のインターナショナル部門(モルトウイスキー)で、最高賞「トロフィー」を受賞した(詳細はこちら)。

4月に開催された「ワールド・ウイスキー・アワード2009」でも最高賞獲得のダブル受賞した竹鶴21年。サントリーの3つのウイスキーの金賞受賞もあげ、ジャパニーズウイスキーの快挙と語っていた。

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達成した満足感・喜びがにじみでた笑顔。

ほんとすごいです。
おめでとうございます!!!

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ということで、創業者竹鶴のスコットランド単身留学の話などから(上の写真は昨年余市セミナーの時のもの)。

●竹鶴政孝 - Wikipedia

うっかり写真を撮りそびれてきてしまったが、
セミナー後の懇親会会場には、竹鶴がスコットランド留学の際にウイスキーの製法などを細かく書き留めたノートのレプリカが陳列されていた。

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「日本から来たひとりの若者が1本の万年筆とノートで、我が国門外不出のウイスキーづくりの秘密を盗んでいった」

イギリスのヒューム副首相が、来日時に竹鶴を称賛して発した言葉だという。

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そして余市蒸留所の話。

私も数年前見学に訪れたが、まったく日本とは思えないような風景が広がる蒸留所だ。

ニッカ限定販売ビンテージシリーズ「余市1987」(MONO-PORTAL)

詳細は昨年のセミナーの際に書いたのではしょるが(詳細は↑こちら)、
今でも世界で唯一の「石炭直火蒸留」を採用していて、それゆえ、力強い個性あるモルトが生み出されているのだという。

余市は、札幌からも日帰りで十分訪れることができ、小樽もすぐ近く。
北海道旅行の際、余市&小樽日帰り観光して、おいしいウイスキーとウニ丼食べ、北海道の海を電車から眺めながら帰ってくるなんていうコースを盛り込んだらいいかも!

ちなみに今はもう・・・

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完全な冬景色とのこと。
日本って広いよね。

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一方の宮城峡蒸溜所は、今年40周年を迎える森と川に囲まれた蒸留所。

●宮城峡蒸溜所(ニッカウヰスキー)

作並温泉の近くで、関東からこのためだけに行くのはちょっと大変そうだけど、いつか仙台に行く機会があったら、足を延ばして訪れてみたい。

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面白かったエピソードは、この宮城峡蒸溜所の南側を流れる川の話。
あれ?南側でよかったのかな?

そういう時はGoogleマップにご登場いただく。


大きな地図で見る

うん、大丈夫。
あってる。

ついでに衛星写真も!


大きな地図で見る

すごい、貯蔵庫が並んでいるのもよくわかる。
白くなっている地面は雪、季節は冬なのだろうか。

秋は紅葉が見事な場所なんだとか。
いくなら秋だな!

あ、そうだ。
川の話を書こうとして完全に忘れていた。

宮城峡蒸溜所の南側を流れる川の名前は「新川川(にっかわがわ)」。
どう考えても、川が一個多い気がするんだけど、地元の人は最後の「川」をつけず「にっかゎ」と呼ぶのだという。

まさに約束の地!!!
(ちなみに偶然の一致だそうです)

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そうして全く違う環境で作られた、力強いモルト「余市」と華やかなモルト「宮城峡」をバッティングして作られたウイスキー「竹鶴」。

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・・・の試飲。

(ちょっと順序は違っちゃっているけど/実際には一番最初に「竹鶴21年」を試飲し、余韻を味わいながらのセミナー聴講だった)

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香りがとってもいい。
飲まずに香りだけ楽しんでいてもいいなあと。

よく二日酔いの朝は「お酒の匂いだけでもつらい」なんてことがあるけど、これだったら大丈夫かもと思ってしまうような高貴な香り。

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で、香りも味も、言葉で表現しろなんていわれると全くでてこないんだけど、
こうして解説を受けながら体験すると、うんうんそうそう、華やか!甘いフルーツの香りがする!と納得する。

蒸留所見学だったり、こうしたセミナー参加の大きなメリットはやはりここ。
知識を得るまでは、単純に


「おいしい、ウイスキーの、いい香り」


としか理解できていなかったものが、「よく熟成したピーチやトロピカルフルーツのような果実香。豊かで濃厚な香り。リッチで華やかな樽熟成香。程良いピート香」というのを、さらに詳しくチーフブレンダーから丁寧に解説してもらうと、それまでひとつの塊だった香りが、ちゃんと分解して鼻に届くようになることだ。

日本には「雨」という表現が非常にたくさんあり、
それもあって、日本人は雨を非常に情緒的に受け止め眺めることができるが、
単に「雨」という言葉しかない別の国では、雨は雨でしかない。
それに似ているかもしれない。

香りは鼻で、味は舌で味わうものだが、
言葉で綴られた知識が、それに深みを与えてくれる。

(なんて偉そうなこと言いながら、すぐ忘れちゃうんだけどね、実際は)

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もうひとつ試飲させてもらったのは「竹鶴12年」。
660mlで2,000円台とで買えてしまうかなりお手頃価格なウイスキーなのだが、マーケサイドが決定したその価格帯が製品開発側としては納得できない、安すぎるというような話もされていた(ニュアンスはちょっと違うけど)。

21年もちろんとても香ばしくおいしいんだけど、
個人的にはむしろこちらの香りのほうが好きかもと思ってしまう。

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よし、今度誰かうちに遊びに来る時、これ買ってみよう!

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そして会場を地下の「ブレンダーズバー」に移し、懇親会。
自分が面識あった方は二人だけで、ブロガーではdh memoranda平田さんがいらしていた。

知ってる人いてよかった~!!!

(シャイなもんで知らない人に話しかけられず、迷惑じゃないといいなあと思いつつ平田さん脇にべったり・・・)

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これが「トロフィー」。

部門で10点に授与される金賞のうち、1点のみが選ばれてこのトロフィーが渡されるのだという。巨大なテイスティンググラス型をしている。

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これに竹鶴21年入れて、みんなで祝杯まわしのみ!・・・とかしていたのかなあと勝手な夢想(大相撲の優勝力士の祝杯シーンを思い浮かべながら)。

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用意されていたおつまみもおいしかったです。
でも何よりおいしかったのは・・・

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これ。

確か、中に竹鶴21年を練り込んだと説明されていたトリュフ。
大人な味です、まさに。

特注品らしいが、1粒いくらするんだろう???

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その後も、竹鶴など飲みながら(体調不良でちょっとしか飲めませんでした)

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最後にもう一度、久光チーフブレンダーと一緒に乾杯をしてお開きに。

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今回も本当にいろいろ勉強させていただきました。
本当にありがとうございました。


●関連記事:ニッカ限定販売ビンテージシリーズ「余市1987」(MONO-PORTRAL)


【おまけ】

今知ったのですが、「BLENDER'S BAR BLOG」というのがあるんですね!セミナーの時しか行ったことないので、今度誰かご一緒しましょう。ブログ記事見てもう一個知ったんだけど、竹鶴21年の受賞記念ラベルが限定販売されているそうです。ブログ記事内のはリンク切れしてるけど、これですね。

あと「まるでナッツ」と「もろみの見た夢」もまだ買えるみたい。また買っちゃおうかなあ。どっちもすごくおいしかったっけ。

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