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野生のクジャクが駆け回りウミガメ&ヤシガニに触れる島~黒島

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パナリこと新城島を後にし次に向かったのは「黒島」。場所は竹富島と新城島の間で別名「ハートアイランド」。なぜそう呼ばれるかは地図を見るとわかる。


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↑八重山諸島の島々。
このサイズだとちょっとわかりにくいかな?

もちょっと拡大してみよう。


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おわかりだろう。

石垣島から南南西17kmに位置する。「牛の島」として知られる。島の形がハート型であることから、ハートアイランドとも呼ばれる。(Wikipedia「黒島」より)

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港のターミナルの一角には小さなお店。
覗いてみるととってもかわいいお土産品がたくさん並んでいた。

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畜産業が盛んで、人口の10倍の「牛」が飼育されている黒島。2月には牛一頭があたる(!?)「黒島牛まつり」も開催されるそう。

●第20回黒島牛まつり(八重山観光フェリー)・・・あ、昨年は2頭だったんだ!

そのPRなのかたまたまなのか、この日港や島内で出会った地元の人は、やたら「牛まつり」Tシャツを着ていた。

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黒島は周囲12.6km。
歩いてぐるっと一周しても2~3時間なんだけど、少し雨もぱらついていたのでレンタカーを借りて島をまわることにした。

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走り始めてすぐ感じるのは

「ここは北海道か!?」

というような風景。

信号がないまっすぐな道。
その両脇に地平線まで広がる広大な牧草地。

島には珍しいほとんどアップダウンがない土地。一番高いところでも15mしかないそう。日本最大のサンゴ礁内の島ならではの地形なのかもしれない。

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そして黒牛もたくさん。
台風とか自然災害以外は、本当にストレスなく育っているんだろうなあ。

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最初に訪れたのは「黒島研究所」。
NHK朝ドラ「ウェルかめ」のロケも行われた場所で、ウミガメの研究を行っている。

●黒島研究所

一般の人も入館料300円で入り、様々な展示見学できる他、時期によるかもしれないけど、ナイトガイドやシュノーケルツアーなどのガイドサービスも行っている。

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○マリンガイド
研究員が黒島のサンゴ礁の海中散歩をサポートします。安全にシュノーケリングを楽しむための簡単なトレーニングと、海洋生物の分類や興味深い生態のお話や、観察の方法をガイドします。原則として2名以上から開催します。

これ、面白そう!
一般のシュノーケルツアーとは違った知識も得られる気がする。次に来たらこれ参加してみたい。

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あと「カメロンパン」というウミガメの形のパンも人気お土産アイテムらしい。NHK朝ドラの中では「亀人(かーみんちゅ)」Tシャツも登場していた。

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まずは資料展示室。
こっちにはなんというか、巨大なウミガメのはく製など"乾きモノ"がたくさん展示されている。

与論島でダイビングした時にも亀たくさん見たけど、こんな大きさのは出会ったことがないかも。

そしてウミガメだけでなく、実はサンゴの標本がすごかったりする。
ハードコーラルっていろんな形状のものがあるんだ!

収集しているサンゴの標本数でも有名なところらしい。

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さらに脈絡はない気がするけど「宇宙からの漂流物」として、海に落ちてきたロケットの一部も展示されていた。

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もうひとつ、ウミガメともサンゴとも関連がないのがこれ。
クジャクだ。

窓の外を見てびっくり。
クジャクが何羽も歩いているじゃないか!!!

八重山諸島では、1979年に小浜島のリゾートに観賞用として持ち込まれ、その後他の島にも寄贈されました。しかし管理の不備により各地で脱走し、野生化しています。長距離を飛ぶこともできますが、飛んで他の島に移動することはないようです。

本土だったら動物園に行かないと見れない鳥だが、なんとここでは、野生化して増えてしまい、害鳥扱いらしい(もともとの生態系に影響を及ぼす外来種として)。

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それにしてもあれだ。
こんな派手で体も大きな鳥が、数羽逃げ出したくらいで繁殖しちゃうんだ!!!

閉鎖された島内という特殊環境もあったんだろうけど不思議。

無理やり連れてこられた南の島で見事脱走を果たしたクジャク同士が、出合い、愛をはぐくみ、子孫を産み育てていくなんて、考えてみたらロマンティックな話だ。いや、害鳥なんだけどね。

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この後島内を車で走っている時、牧草地で何回も「クジャクの群れ」(!)を見かけた。彼らは二世だろうか三世だろうか。警戒心が強いため、写真を撮ろうと車をとめて近づくとすぐ走って逃げてしまうのだが、多いところでは10羽弱が群れを作って草むらで餌をついばんでいた。

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うーん、こんな普通にクジャクが歩き回っている島とは。
実際に来るまで全然知らなかった!!!

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話は戻って黒島研究所。
展示スペースの他、生物飼育室では生きているウミガメが飼育されている。

・・・だけじゃない!!!

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ヘビも(ハブだったかな?)

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なんとサメも!

「予算がないので手作り感たっぷりの展示です」と館長さん。

設備整った大きな水族館と違い、ものすごい近い距離で見れるので子供も大興奮とのことだが、確かにそう。雰囲気としては「水族館のバックヤード」。じっくり観察することができ大人も楽しめる。

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かわいかったのは、ウミガメ。
淡水ガメとの大きな違いは、首や手足を甲羅の中に完全に収納してしまうことができない点なのだという。

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そんな説明展示もある。

で、この亀。
よく見ると両手を甲羅の上にちょこんと置いたまま泳いでいる。

背中の後ろで両腕くんでるお年寄りみたいでかわいい。

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館長さんが同行してくださっていたので、許可頂いてウミガメの子供を触らせてもらった。持ち上げた瞬間びっくりしてぱたぱた手足動かしてもがいたけど、その後は静か。

(もちろん勝手に触ったり持ち上げたりしちゃ駄目です/修学旅行の団体などがくると、館長さんやスタッフの指導のもと触らせたりするそう)

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こちらはヤシガニ。・・・と館長さん。
生きているヤシガニを見たのはもちろん初めて。青いボディは神秘的。

ウミガメが、海に生活圏をうつした亀であるのに対し、ヤシガニは逆に陸にあがってきたヤドカリ。そして産卵時にウミガメは陸にあがってきて、ヤシガニは逆に海に入る。ウミガメを解説する時にその対比としてヤシガニを登場させるのだという。

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外にはこちらも手作りのビオトープ。

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ウミガメもたくさん泳いでいた。

予想外に楽しめた黒島研究所。

石垣島から日帰りでもいけるので(石垣港から25分で毎日何本も船がでている)、ぜひウミガメを見に行ってみてほしい。

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ちなみにこれが「カメロンパン」という名前のメロンパン。本物の「カメ」は連れて帰れないのでボクで我慢してねってwww

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他にも黒島ビジターセンターや・・・

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かなり規模の大きなプズマリも。
プズマリは、新城島の「タカニク」同様、周辺海域を航行する異国船などを監視するための高台として琉球王府時代に建設された「火番盛」のひとつ。

八重山諸島の各島に設置され、船が見えると、火や煙を使ってプズマリから別の島のプズマリへと合図が次々送られ、石垣島にある蔵元(琉球王府の役所)まで通報されたと解説板に書かれていた。

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美しいビーチもある(この日は小雨降る天気で海の色も今一つだったけど)。

ここは南側にある仲本海岸。ビーチからそれほど遠くない距離にサンゴ礁が広がっていて、シュノーケルが楽しめるという。

黒島研究所では、ライフジャケットの無料貸し出しもしてくれ、シュノーケルセットもそのすぐ横のダイビングセンターで借りることができるらしい。

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周辺にパナリ島含め絶好のシュノーケルポイントが多数あるため、観光で訪れる人も多い島だそう。島内には民宿や飲食店もある。この時は残念ながら、シーズンオフなので閉まっているところが多かった。

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そして集落には伝統的な赤瓦の家屋。
周辺を積み上げた石の塀で囲われている。

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お土産に人気の品があるということで、「たま商店」にも立ち寄った。

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黒島牛のしぐれ煮、アーサつくだ煮2種。
小さな瓶に入ってかわいいラッピングがされていた。

でもそれ以上に興味ひかれたのは、お店のおばあに教えてもらったこれ。

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「うちかび」。

沖縄でお盆の時などに燃やす、ご先祖様が使うあの世のお金。台湾で見たことがあったけど、沖縄でも同じなんだ!

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お線香も違う。
見た目は似ているんだけど、実は5本が連なって平たい形になっている。

今でもずっと祖先崇拝の様々な習慣や風習がしっかり根付いている沖縄。

琉球処分によって日本の領土の一部となったのは1879年、わずか百数十年前のことだ。長い間琉球王朝として、独自に外交を行い、日本や中国、東南アジアの国々との中継貿易で栄えたひとつの国だった。途中から薩摩藩の支配下になるが同時に清にも朝貢をしていた海洋国家としての歴史をもつ。

独自の文化や習慣が今もたくさん残っている。
時間できたら本を探して勉強したい。

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このやたら長い桟橋は「伊古桟橋」。
島の北東にあり、今はもう使われていない。

非常に長く、まるで海の中の道を歩いているような錯覚に陥る。

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北風が吹くこの季節は、島の北側にいろいろな漂流物が流れ着くという。よく見ると中国語。台湾から流れ着いたものなのだろうか。

数時間の黒島滞在の後、また上地観光のチャーター船で石垣島に戻ってきた。

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朝11時に石垣港をでて、パナリこと新城島の下地島・上地島に上陸し、黒島ではレンタカーであちこちドライブし、再び戻ってきたのは18時半過ぎ。

一日曇天で雨まで降ってしまったけど、本当にたくさんの人にお話を聞くことができ、いろいろなものを見せてもらい、充実した島めぐりの一日だった。

石垣島を拠点にすると、そのすぐ近くにたくさんの個性あふれる離島があるので、定期船やチャーター船を利用して、こうした島めぐりを楽しむことができる。

●次は八重山公式サイト

沖縄旅行といっても、那覇や慶良間島、あるいは石垣島・宮古島止まりになってしまいがちだが、「石垣島のさらにその先」にも非常に魅力的な島と海が存在する。

「次は八重山」プランはありだと思う。

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そして初日は石垣港ターミナルから徒歩1分の"泡盛飲み放題"なホテルに宿泊。
翌日は最南端の島、波照間島に向かった。

>続く

[旅]八重山離島めぐり2013年1月の記事一覧