房総竹部「竹細工スタート講座」に参加
1月18日(土)19日(日)の2日間、房総竹部が主催する合宿形式の「竹細工スタート講座」に参加してきました。
全6日間のコースで、この後2月・3月にも2日間ずつ開催されるもの。
会場は木更津市の山間に立つ築100年以上の古民家。
詳細は公式サイトを見てもらえたらと思うけど、かなりガチな内容。
おそらく2日間の竹細工講座に参加してきたといったら、「えー、2日間も!」とまず驚かれ「それで何作ったの?と聞かれると思うんだけど・・・
2日間ずっと「ひご作り」。
しかもひご作りの課程の前半部分しかやっていなくて、一番難しい、どんどん薄くはいでいくところはまだレクチャーを受けただけ。
参加者11人に対して講師が4名もついてくれ、実際に手を動かしながらの練習中もかなり細やかに指導してくれているにもかかわらず、なかなかうまくできるようにならず、同じミスばかり連発して凹みマックス。
いやー。。。
ひご作り、こんなに難しいとは!
そんな、身体で覚える系が本当に苦手な自分の問題はともかく、講座自体は本当に濃厚で素晴らしいものでした。
まずは、会場となった房総竹部の部室の裏山でまずは竹のお勉強。
真竹と孟宗竹の違い、どんな竹が竹細工に適しているのか、切り方などなどを、竹林の中で実際の竹を見ながらレクチャーしてもらう。
そして早速、講座で使う竹の切り出し。
以前、災害ボランティアで福島県内の除染で竹林伐採活動に参加していたことはあったけど、処分するのではなく使う竹を切るのは初めて。
そしてまずは、房総竹部・部長の田崎さんがひご作りの課程を解説しながら実演。
切り出した竹をさくさくと割っていくと、あっという間に細くて長い棒状のものが完成。さらにそれをスイスイと割いて薄いひごができた。
力も入れている感じがなく、手の中で竹がスイスイ泳いでいくよう。
初めて見るひご作りは、マジックを見ているような感じでもあった。
そして、講座の最終段階で作る六つ目網もささっと作って見せてくれた。
そして古民家の広い畳の部屋に場所を変え、専用の包丁の使い方、竹の持ち方、腕の角度、動かし方、力の入れ方などなど細かく教えてもらって実際に練習をしていく。
だけど、「おっしゃ~!いけた!」と無邪気に喜べたのは・・・
一番最初の、竹を半分に割るところだけ。
そこから先は、冒頭で書いたように
本当に難しい!
意識しないといけない箇所がいっぱいありすぎて、「ここが違う」と指導してもらって直すと、今度は別の個所で間違える。迫力ある刃の包丁を振り回しているということ自体も怖かったりするし、何回も頭が真っ白になってしまった。
「わー、このカゴも素敵~」
「こんなの作りたいね」
と他の参加者と目をキラキラさせていたのは、ひご作りの大変さを実感する前までで、一本のひごを作るまでの道のりがこんなに大変なのかということを知った後は、この巨大な背負子とかカゴが「試練の権化」のようにすら見えてくる。
それでも何回も何回も繰り返し、コツとかいろいろ教えてもらいながらちょっとずつ直していったら、途中でぶちっと切れずにつながった状態ではぐことができる確率もちょっとずつ高まってきた。
2日目の最後のほうではやっと「練習すればできるようになるかも」という気持ちも芽生え始めた。
練習用の竹ももらってきたので、2月の合宿までには、自主練習して今の苦手意識をちょっとでも減らしたい。
+ + +
想定以上に大変ではあったけど、講座自体は参加して本当によかったと思っている。
発酵料理のプロの方がきて昼食と夕食を作ってくれ、それを囲炉裏などもある土間で美味しくいただいた。
ちょうど一年前に同じ講座に参加して竹細工を始めたという先輩にあたる方々もきていて、夜は飲みながらこの一年間で作った作品の話なども伺うことができた。
自分が今回申し込んだのは、現在進行中の実家セルフリノベにおいて、壁材などの建築材料として竹が使えないかと考えたのと、洗面所のミラー上の照明のシェードなどを自作したかったから。
そんな思いのきっかけは、2年前に訪れた長南町の築200年超の古民家。
10年以上かけてリノベした家主の武田さんが、裏山でとった竹を使って風呂場を作っていたのだ(運営する素掘りトンネルサイトの取材として訪れた)。
●長南町の築200年以上の古民家敷地内の素掘りトンネル群|房総半島素掘りトンネルナビ
ホームセンターで売られている木材は輸入材が多く、国産は種類も限られお値段も高くなる。
竹だったら、うちのまわりも竹林だらけで、伐採してもっていってくれるなら無料でいいというところも見つかる。
強度もあり、持ちもいい竹の加工ができるようになれば、アイディア次第でいろいろ面白いことができそうだし、小さなものから大きなものまで作れる竹細工なら将来的にも楽しめるかなと。
そんなわけで、3月までこの竹細工スタート講座に参加して、「竹」をライフワークにできたらと思います。