第一回100km歩け歩け大会 in 川湯温泉郷(4)
「ゴールまであとわずかよ!ひとつめの信号を左に曲がれば、すぐ硫黄山。その道をまっすぐ行けば、川湯温泉の街だから!」
サポートの人達は目をキラキラさせながらすごく嬉しそうに言ってくれる。気持ちよい朝の日の光の中、こちらも「あとわずか」という言葉にウキウキ。国道をすこし進んで、あの信号を左に曲がれば、遂に川湯温泉が!!!
・・・と期待に胸を膨らませて、左に曲がったんだけど、
硫黄山はあった。
今年の3月、流氷を見にひとりで知床を訪れた時、2日目にバスで立ち寄った。その時は、雪で覆われていた。まさか3ヵ月後に、こんな風に歩くことになるとは思いもしなかった。
硫黄山の標識。
なんで撮影したかというと、ローマ字表記が「ろざん」と読めたから。
(そんな小さな理由でもカメラを構えるのがブロガーという生き物なんです)
うーん、しかし本当にこの先に、温泉ホテルが立ち並ぶあの川湯温泉があるんだろうか?
それでも、ゴールに向かっての最後の直線ルートとしては、最高のシチュエーションだ。市川先生とそんなことを言いながら先を進む。
道路の両脇には、今が満開のシロツツジが群生している。
街がある方向から、サポートの人が迎えに歩いてきてくれた。
疲れなど全く見せず、柔和な笑顔で、腕も指も感覚がなくなるまでマッサージをし続けた一人だ。
あとはゴールのところで待つだけという時間帯なんだろうけど、待ちきれずに次のチェックポイントまで迎えに行こうと思ってやってきたのかもしれない。
「本当にあと少しですから!」
車の中からずっと明るい励ましの声をかけ続けていた、笑顔が素敵な女性も温泉街から歩いてこちらに向かってきた。声が完全に枯れてしまっている。それでも、花が咲いたような笑顔がまぶしい。
それにしても!!!
最後の最後まで、なんて広大な(広大すぎる)大地なんだ!
「北海道どうだった?」
東京に戻ってそう聞かれたら、自信を持って答えようと思った。
「満喫した」と。
街はどこだぁ!!!ゴールはどこだぁ!!!
そう言いながらも、主催者のコース設定の見事さを同時に感じていた。
左手には熱蒸気がもくもくと立ち上がる硫黄山、満開のシロツツジ、標高150mの場所なのにハイマツが群生する、まるで高山の頂上付近を歩いているような不思議な風景。
さんさんとふりそそぐ朝の太陽の光までが、舞台演出みたいだ。
(前日の日中がこんな天気だったら、絶対にばてていたな・・・)
シロツツジの花。
そして、一歩一歩、歩き続けたら、いつの間にか長い直線コースは終わり、アカマツや白樺の林にたどり着き、そこが川湯温泉の入り口だった。
そして・・・
遂にゴール!
同じ場所でスタートしてから約23時間。
長い、そして濃い一日だった。
あ、なんかあれだ。
ドラマ「24」みたい♪
たくさんの人のおかげでゴールさせてもらったことに感謝♪
こんな長いレポートを読んでくださった方にも感謝♪
来年はサポートとして参加したい。
そう思っている。
+++
おまけ写真。
マメ防止のために貼ったテーピング。
・・・の周辺は軽度のマメがいっぱい。やっぱ半端はだめだなという教訓。
ゴールの川湯温泉ふるさと館に用意された布団でぐっすり眠る参加者達。
そんな間も黙々と立て看板などを片付けているのは、主催の観光協会の人か。
主催側の人にはちゃんと御礼言えてなかった気がするけど、本当にありがとうございました。
体験発表会でだされたカニおにぎりと、カニ汁。
忘れられない味になりそう。
体験発表会では、他の参加者やサポートの人達の感謝、感激、感動ストーリーに、思わず目がうるんでしまった。特に、すごい頑張ったのに、支えてくれる人達の気持ちに応えようと必死で頑張ったのに、最後どうしても足が動かなくなって、無念のリタイアをせざるをえなくなってしまった人の話や、ハラハラしながらも「ここまで頑張ったこの人をゴールさせてあげたい」と応援し続けたサポートの人達の話は泣けた。
そして、最後はやはりこれ。
おいしかったです、ビール♪
完
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