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復興支援ボランティア体験@石巻(15)最後に~参加してよかった

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今日は金曜日。先週の今頃は「今日で作業も最終か。明日には東京に戻ってしまうんだなあ~」と寂しくて仕方なかった。

滞在していた8日間は本当に長く感じられ、
一方で帰宅してからの一週間はあっという間に過ぎ去った。

最初の記事でも書いたけど、本当に濃い~日々だったなと思う。

参加して本当によかった。

正直、自分はそんなボランティア精神もさほどない人間だし、地元にいた時は、田舎なので地域活動の一環でやっていたこともあるけど、東京でてきて一人暮らししてからは全然。

母がずっと高齢者施設でボランティア活動してるのを見て、自分もいつか・・・と思ったりはしたけど、結局、継続的な活動は一切やっていない。

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そんな人間が、大震災で大変なことになったからいきなりボランティア!とかって、単に自分の不安を解消するためだったり、テレビ見て「何かしなくちゃ」的な焦りを感じてる気持ちを落ち着けたいがための、極めて自己満足な行為だよなあとか思い葛藤も。

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そしてもひとつ、自分に自信がなかった。

アラフォー女性。東海道53次を通しで歩いてるので、耐久力だけはそこそこあれど、体力は落ちてきてるし、何より腰痛持ち。

泥だし作業はもちろん、テントとか8日分の食糧とか荷物たくさん背負って現地入りするだけでぎっくり腰になっちゃうんじゃないか自分?と、ピースボート説明会でかなり脅し入った説明を聞いて、びびっていた。

現地にいって役にたてるのか?
逆に周囲に迷惑かけることになったら最悪だぞ。

今まで通り、地元で募金に専念が正しい選択肢じゃないのか?

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でも実際に現地に行って、個性的キャラばかりの20班の人達や、その他のボランティア仲間と一緒に活動に参加させてもらって、考えは変わった。

自己満足だって全然いいじゃん。

思いきって来ちゃって本当によかったよ!

現地ではやっぱり人手が足りていない。
避難所から自宅に戻る人が少しずつ増えている今、再び「生活に必要なものがない」状況が生まれている。物資あれど配布できずの状況はある。

家屋泥だしも公園の土除去作業も、大勢でやれば一気に片付くが、家の人だけ・地元の人だけでは、重たくなった畳ひとつ持ち上げるのも大変だし、効率も悪く全然はかどらない。

特別な技術を何も持たない自分みたいな微力すぎる人間でも、手足計4本を提供することで多少の役にはたつ。それだけで十分だなと思った。

何より、自分にとって得るもの大きかった。

まず出会い。

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一週間前までは存在も知らなかった人達なのに、初日から思い切り意気投合したチームメイト。目が覚めたら笑顔でおはよう。朝からテンション高く一緒に朝ご飯。みなが率先して積極的に仕事引き受けていくから、不慣れな作業でも効率よかった。目的共有できてるチームワークは素晴らしい。

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夜はテント内LEDランタンの灯りのもと、まったり語り合い。
普段接する機会がないジャンルの人達と、楽しいことも重たいことも話し、時に熱い議論なんかも起きる中、自分自身いろいろ考えさせられた。

最終日の朝、チームメイト女性とテントの中で寝袋芋虫状態のまま語った内容は今も鮮明に覚えている。人生を突如断たれた被災者や、4月に亡くなった女優の田中好子さんの最後のメッセージのこと。

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「日常生活の中で当たり前だと思っていた小さなことすべて」が、決していつまでも当たり前に存在するわけではない。ひとつひとつのことすべてが、愛おしくて仕方なく感じるようになったと涙しながら語り続けた彼女。確かに本当にそうだなあと思った(←普段、めちゃめちゃ時間の無駄遣いし続けてる自分)。

避難所の担当ではなかったので地元の人とゆっくり話す機会などはなかったけど、炊き出し・物資配布などで会った被災地の方の話で認識変わったことも多々あるし、心に染みたこともある。

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危機管理・安全管理という点でも、得たものはある。

ボランティアが被災地で怪我しては現地に迷惑かけるので、装備や安全な作業方法など、いろいろ指示される。こんな機会でもなかったら、底に鉄板の安全長靴なんて絶対買わなかっただろう。ヘドロがちょっとはねただけで赤くかぶれたチームメイトの腕を見て、津波後の地面って本当に危険なんだと思った。

同じチームのリーダーが消防士だった方なので、その人の話を聞いているだけでも非常に勉強になった。

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最終日の夜には、全員で津波被災者のバンダイさんから体験談を聞くというイベントがあった。津波に対して認識が甘かったと語るバンダイさん。

子供たち・孫たち・その先の世代においても二度と同じ失敗を繰り返さないよう、多くの人に語り広めていきたいと、物静かな口調で淡々と語り続けている姿が印象的だった。

誰かを責めることもなく、過去ではなくただただ将来に向けた話には、強い説得力があり、津波被災地以外の人にももっと聞いてほしいと思う内容。

災害の備え、自分は割としているほうだと思うけど、今回見聞きした体験をもとに、もう一度全面的に見直そうとも思った(物資支援やボランティア活動で自宅の備蓄食糧も尽きちゃったし)。

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あと実際のところ、テント生活は楽しかった。

被災地で不便な避難所生活送っている人も多い中で不謹慎発言だということは承知だが、「テント生活でボランティア活動なんて、辛すぎて無理」と尻ごみする人も多いと思うので(私もそうだった)、あえて言っておく。

テント生活も、大広間での寝袋雑魚寝も、割と一瞬で慣れちゃうもの。

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毎晩、水をなるべく汲み置きして、炊き出しの鍋洗う時もすすぎの水を大事に使いまわす。
ガス限られてるので、レトルト温めながらニンジンも煮る。

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足りないものは、あるもので代用。

二か月が経過し、テント村自体の環境が非常によくなっていたというのが大きいけど、一週間が限度・・・どころか、あと数週間ここで生活できたらどんなに幸せかというくらい、快適で楽しく、生活力アップもちょっと図れるアウトドア体験だった。

夜の暴風雨はさすがにしんどかったけどね。
石巻、風強すぎ・・・!

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↑床上浸水したテントを干してるチームメイト

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おととい、20班のメンバーで打ち上げでもしようかとメールをまわしたら、6人中2人が、来週再び、短期・長期で東北に向かうということを知った。

一度参加すると、もう一度行きたくなる。
もうちょっと自分やれるんじゃないか、やれることあるんじゃないかと欲もでる。

「次はどこへ行こう」「遠野かな」
「ここは個人で行っても仕事あるらしい」
「福島だと・・・」

自分含めほぼ大半が初参加だったのだが、
帰りにはそんな話が結構かわされていた。

ピースボートでも今週から短期派遣の受付を開始したが、これから週末だけ/週末+アルファで参加できる形態がどんどん増えてくるはず。

軽い気持ちで全然いい。
どんなものなんだろう?という好奇心で参加するだけでも問題ないと思う。
(もちろん、準備手薄だったり迷惑かけたりしちゃダメだけど)

誰かのため・・・とかじゃなく、
単純に自分のために参加すると割り切っちゃったって許されるはず。

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緊急支援・救難というフェーズを抜け、復興支援という段階に入ってゆくここからが、一般ボランティアの出番。

自分が一度参加したくらいで「みんな行くべき」とか義務感の押し付けするのは大きな間違いだけど、そうではなく、行ってみたら予想外にいい体験だったので、「興味あるなら思いきって行っちゃえば!自分のためになるよ」とは伝えたい。

最後に。

温かい言葉かけてくれた地元の方、ボランティア活動一緒に楽しく取り組んだ仲間、特に延長滞在してコーディネート役してる人達、そして災害ボランティア未経験者にこういう機会与えてくれたピースボートに深く感謝。
地元で震災復興に頑張り続けている人達、自治体の方や自衛隊の方々を応援しています。

私もまた行きます。
その時まで、もっと体力つけて腰も強化しておこう。
いざという時に、ちょっとでいいから役にたつ人間になりたい。

今年は自分のボランティア元年♪

(長いレポートにお付き合いいただき、ありがとうございます。時に不快に感じる部分などもあったかとは思いますが、ご容赦いただけると助かります)

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