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復興支援ボランティア体験@石巻(5)炊き出し&物資配布

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私たちのチーム20班は、物資配布や炊き出しを担当する「デリバリー」班。その中でもさらに遊軍的な感じで、週3日夕方に雄勝町というところに炊き出しに行く以外は、当日朝にならないと、何の作業が割り振られるかわからない状況だった。

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「炊き出し」というと、避難所などで食事を作り配膳するイメージだったが、ピースボートでは、車で50分くらいの遠方の集落も含め数か所で炊き出しを行っており、テント村の倉庫裏で大量の料理を作り、ご飯を炊き、デリバリーチームがジャーやずんどうごと運んで、被災地の一角で炊き出しを行うという形だった。

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料理だけでなく、生活用品なども一緒に運ぶ。
それらは、石巻専修大学の倉庫を借りて管理されていた。

洋服や食品、日用品など。
水がまだ通っていない地区も結構あり、ペットボトルの水も運ぶ。

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各コーナーに積み上げられた物資。

「応援しています」「元気だしてください」など、贈った人たちの寄せ書きや可愛いイラストが段ボール脇に書かれているものも多かった。

仕分けがされているので、必ずしも箱と中身が同じものではないかもしれないが、実際にデリバリー担当が被災地に物資を運ぶ際にもこれらの段ボールが使われているので、こうしたメッセージは、あちこちで被災者の目に入ることになる。

毎日たくさんの物資が搬入され、
たくさんの物資が搬出されていった。

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冬物衣料など滞留してしまっているものもあるが、大きな避難所だけでなく、小さな集落や、最近避難所から自宅に戻った人のところにも、モノは運ばれるようになっているみたいという印象。

もちろん、行政もボランティア団体も人手が圧倒的に足りないので、
ニーズ全体からいったら全然足りてないのだろう。

コーディネートしている人達には、「物資あれど届けられない」「偏りすぎない配布の難しさ」「ボランティア人員が減る中、どこを切るのか」「どこまで支援するのか(自立視野に)」など、非常にもどかしく悩ましい状況があるようだ。私たちのように指示に従って動くだけのボランティアにはわからない部分だけどね。

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話戻って炊き出し。

何時にどこというような話は、毎朝のデリバリー担当のチームでの分科会で指示があり、料理ができあがったら即運び込んで出発できるよう、こうしてワゴン車に他の荷物を積み込んで、待機している。

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この日は、一階部分がどこも壊滅状態の地区のまとめ役的な方のおうちのガレージで炊き出し。流れ着いた他人の自動車が前の通りにあり、何か書類のようなもの張り付けられた状態で置かれていたのだが、うちらが帰る時に、二か月ぶりに持ち主がやってきて車と対面なんていう出来事もあった。

持っていった長机を広げ、ジャーやずんどうを並べ、近所の人によそって手渡しする。

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これは自分が段ボールで作った風防。
発砲スチロールのお椀は、そのままだと安定感がなく、風で倒れてしまったりするので朝方これを作った。

なかなかいい感じ♪と自画自賛してみる。

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同じチームの女性が書いた「本日のメニュー」。
悩みながら書いたまいたけ、その時は「サニーレタス?」とかからかったけど、今見ると、なかなか上手かったかも。

あと一番下のは、本人いわく「和之(かずゆき)じゃなく“あえ”だからね!」。
とにかく明るくて元気で、楽しい人。コミュニケーション能力も高く、炊き出し先でも、地元の人を何かと爆笑させていた。

ボランティア活動では、こんな感じの手書きモノ・手作りモノが至る所で生まれる。文化祭的なノリもあり、書いたり作ったりするのが好きな人には活躍の場がかなりあるかも。

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時にはこんな場所での炊き出しも。

その地区で初めての炊き出しという場所では、ご飯をよそって手渡しした瞬間、「あっ!」と言われて驚いた。次の瞬間でてきた言葉は「あったかいっ!!!」だった。

すると次に渡す人もその次の人も、ご近所さん同士、互いに目を合わせながら「あったかいわねえ」「ご飯が炊きたて」「あー、ずっと冷たいものばかりだったものね」「うれしいわ~」と、両手で容器を抱えたまま、何度も同じことを言い続けていた。

別にご飯が温かいことに何の違和感も感じず、当たり前のようによそって渡した自分、

うっかり涙しそうになってしまった。

「本当にありがとうね」

そう言われても、この料理を作っているのはキッチンの人達だし、その食材を買う資金を提供してくれているのは、東京でピースボートの街頭募金に協力してくれた人達。私はただここに運んでよそっているだけなのにと、何だか本当に申し訳ない気持ちになった。

東京に戻ったら、炊き出し後方支援のため、
最前線で活動しているNPOなどに継続的に寄付をしようと堅く誓った瞬間だ。

>続く・・・(6)段ボールサンバイザー

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