冬の富士山をぐるり一周!正月絶景ドライブ旅
「お正月はいつも晴れている」──これは実際、データでも裏付けがとれているらしいです(関東太平洋側)。雲ひとつない青空が広がっている日も多いですよね。
そんな時に、ひとり自宅でごろごろしていてもどうかということで、今年のお正月は愛車ひよこ豆号と一緒に、富士山外周ぐるっと一周ドライブ旅をしてきました。きれいな富士山をいろいろな角度から撮影したので、自分の旅記録としてレポートします。
元旦の大福山トレッキングを終えた後、東京湾フェリーの金谷港に向かい対岸の神奈川県・久里浜港へ渡りました。そして小田原へ。24時間営業の滞在型温泉施設「万葉の湯小田原店」で朝まで過ごしました。元旦は流石にどこも高騰していますからね。
翌朝は小田原城へ。
今まで表側からしか見たことありませんでしたが、裏の神社があるほうにまわると、石垣が地震で崩れた跡も残っています。なかなか迫力あって面白い場所です。
小田原城の一画にある観光情報センターのパンフレットで初めて知ったのが「総構(そうがまえ)」。
お城を取り囲むようにいくつものスポットがあり、歩きながらぐるっと回ることもできるのだとか。ちなみにそのひとつ「小峯御鐘ノ台大堀切東堀」(絶対に覚えられないよこの名前)がこれです。
■秀吉を震撼させた「総構」とは?
総構(そうがまえ)とは、お城の本丸や二の丸といった中心部だけでなく、城下町全体を巨大な堀や土塁でぐるりと囲い込んだ防御ラインのことです。
戦国時代末期、小田原を治めていた北条氏(後北条氏)は、関東の覇者として君臨していましたが、天下統一を目指す豊臣秀吉の大軍(なんと約20万人!)が攻めてくることが確実となっていました。 そこで北条氏政・氏直親子は、城下町の人々ごと守り抜くため、周囲約9kmにも及ぶ長大な防御壁を築き上げたのです。
これにより、小田原城は当時「世界最大級」の要塞都市となりました。結果として、圧倒的な兵力差があったにもかかわらず、秀吉軍は無理な力攻めを諦め、長期の「兵糧攻め(包囲して降伏を待つ戦法)」を選ばざるを得なかったと言われています。
つまり、現在私たちが歩いている小田原の市街地や住宅街の多くは、かつての「城内」にあたるのです。街全体が巨大な文化遺産と言っても過言ではありません。
↑Geminiにまとめてもらいました。
この「小峯御鐘ノ台大堀切東堀」もそんな堀の中のひとつ。住宅街から少し入ったところにあるのですが、足を踏み入れると、そこはまるで別世界。ちょっと平衡感覚が狂うような視覚体験ができます。通常、お城の堀というと、直角に切り立った石垣や、整然とした水堀をイメージしますが、ここは「空堀(からぼり)」といって水がなく、左右が緩やかな、そしてな圧迫感を感じるような斜面になっていて、その底が道となっています。
お正月ということもあってか、犬の散歩をしている近所の方以外、観光客は誰もいませんでした。こんなにすごい史跡が、ひっそりと日常の中に溶け込んでいる、それが小田原の魅力なのかもしれません。今度また時間がある時に訪れて、総構散策してみたいと思います。
「そろそろ富士山に向かって移動するか・・・でも今日は箱根駅伝があるから交通規制チェックしておかないと」と思ってスマホを見始めたところ、気付けば箱根登山鉄道に乗って風祭駅に降り立っていました。
ここには、かまぼこで有名な鈴廣(すずひろ)の本店、「鈴廣かまぼこの里」があります。広い店内で購入したのは、648円で数種類の一口サイズの練り物が楽しめる盛り合わせパック。これが観戦のお供に最高でした!
しばらくすると、遠くから中継ヘリの音が聞こえ、沿道の観客のボルテージが一気に上がります。 そして、目の前を選手たちが駆け抜けていきました!
「速い!!」
本当に一瞬です。テレビで見ているとゆっくり走っているように見えることもありますが、実際は時速20km近いスピードで走っています。 当時トップ争いをしていたのは國學院大學だったか、中央大学だったか......正直、選手のスピードが速すぎて、ユニフォームの色を確認する間もなく「シュン!」と通り過ぎてしまいました。早稲田大学も一瞬。
今回ドラマチックな展開を見せてくれたのはやはりなんといっても青山学院大学。私は4区から5区へとタスキが渡される小田原中継所から数百メートル手前にいたのですが、その時点では1位や2位とかなりの差があり、周りで見ていた人たちも「今年は青学、残念だな」と口にしていました。
何より感動したのが、監督車からの「檄」です。最も苦しいラストスパートの場所だと思うのですが、スピーカー越しに、 「いける! いけるぞ!」「お前ならやれる!」という熱い言葉が連打されます。沿道の自分達もそれを聞きながら苦悶の表情を浮かべ、頭を振りながら極限状態で歯を食いしばって走る選手たちの姿を見ていると、思わずウルッときてしまいます。生観戦だとレース展開は全くわかりませんが、それでもテレビ越し観戦とは違った感動があります。
ふたたび市内に戻って車に乗り、箱根峠を越えて辿り着いたのが静岡県三島市。
巨大な直売所のような「伊豆・村の駅」というところで買い物をしながらスマホで宿を探すと、市内のホテルが割と手頃な価格で予約できました。
夜は、ホテルのすぐ近くにあった三嶋大社へ初詣に。
伊豆国一の宮として古くから信仰を集める名社で、かつて伊豆に流刑となっていた源頼朝が、源氏再興を祈願し、見事に成就させたことから、「旗挙げの神社」としても知られています。
夜でも多くの参拝客で賑わっていて、参道に並ぶ屋台の明かりが幻想的でした。
翌朝、ホテルの窓から撮影した富士山。見事です!
翌朝(1月3日)、ホテルをチェックアウトした後に、少しだけ三島の街を散歩することにしました。
三島市は「水の都」とも呼ばれ、富士山に降った雪や雨が地下を通ってこの地で湧き出しているのだとか。実際、ごく普通の住宅街の中を、清流のような美しい川が流れていて、小さな橋が架かっていたり水草が揺れていたりして、なかなか風情のある街並みでした。
白滝公園に隣接して大きな池があり、その一角に小さな観音堂が建っていました。
写真を撮っていると、中から一人の高齢の女性が出てきて「どうぞ、中にお入りください」。お言葉に甘えて小さな堂内に入りお線香を一本あげさせてもらいました。
静かな空気の中、見知らぬ土地で笑顔が素敵な地元の方と会話を交わし、お線香の香りに包まれるひととき。朝からとても幸せな気持ちになりました。
ここも、三島市中心部からすぐの場所にある「鮎壺の滝」。
まわりには高層マンションがいくつもたっていて、東海道新幹線もすぐ近くを走っている・・・とは全く思えないような風景ですよね。富士山からの溶岩が作り上げた荒々しい景観です。
ここから高速道路で富士宮市に移動し、友人達からも「絶対に行くべき!」と勧められていた静岡県富士山世界遺産センターにやってきました。
この世界遺産センター、建物自体がアートです。 「逆さ富士」をイメージした円錐形を逆さにしたような木格子の建物が、水盤の上にそびえ立っています。
館内の展示も非常にユニークです。 内部は長いらせん状のスロープになっていて、これを登っていくことで「富士登山を仮想体験」できる仕組みです。 壁面には、海抜0メートルから山頂までの景色が投影され、登るにつれて植生や景色が変わっていく様子がリアルに再現されています。
スロープ途中には展示室があり、
・富士山と文学:万葉集や竹取物語に描かれた富士。
・富士山と芸術:葛飾北斎や歌川広重の浮世絵。
・富士山の自然:溶岩の標本、湧水のメカニズム、動植物の生態。
・富士山信仰:なぜ人は富士山を拝むのか。
といったテーマごとに学ぶことができます。 展示はデジタル技術を駆使したものが多く、タッチパネルで自分の興味のある浮世絵を拡大して見たり、解説を読んだりと、マイペースで楽しめるのが良かったです。
最上階には展望ホールがあります。 ここがまさに絶景! 目の前に本物の富士山がドーンとそびえ立ち、遮るもののないパノラマを楽しめます。ボランティアガイドの方もいて、一人旅の私にも親切に声をかけてくれ、シャッターを押してくれました。
その後は、お隣の「富士山本宮浅間大社」へ。
全国に1,300社以上ある浅間神社の総本宮です。 やはり三が日ということですごい人出!参道には屋台がずらりと並び、熊手や破魔矢といった縁起物を売るコーナーも大盛況。三嶋大社もそうでしたが、この地域の神社の初詣熱はすごい。
御神輿も見れました。
続いて向かったのは、車で30分ほどの場所にある名勝「白糸の滝」。
ここも多くの観光客で賑わっていました。 中国人観光客の数はかなり減っていると思いますが、それでも台湾や東南・南アジア、欧米からの旅行者がたくさん訪れていました。みんな滝をバックに楽しそうに写真を撮っていて、TikTokにあげるのかな?と思われる踊り動画撮影をするグループも。滝よりそっちを見ているほうが楽しかったです。
■白糸の滝の秘密
白糸の滝は、高さ20m、幅150mの湾曲した絶壁から、大小数百の滝が流れ落ちています。 実はこの水、川の水が落ちているのではありません。 ほとんどが富士山の湧き水なんです。
富士山の「新富士火山層」(水を通す層)と「古富士火山層」(水を通さない層)の境目がこの崖になっていて、その間から地下水が湧き出しているため、雨が降っていなくても常に美しい水が流れ続けています。 晴れた日の午前中には、滝にかかる虹が見られることでも有名です。
白糸の滝を後にし、いよいよ富士五湖方面へ標高を上げていきます。樹海の中の道を走っていると路面の状況が一変しました。道路脇には雪が積もり、日陰の路面はアイスバーン。ハザードを付けながら時速30キロ以下で走っている車もありました。ノーマルタイヤで来てしまった観光客かもしれません。
実はこの2週間前、私の愛車は初めてスタッドレスタイヤに履き替えていたんです。今回のドライブはその効果の確認も目的でした。新品タイヤなので当然ではありますが、滑ることも一切なくしっかりとグリップしてくれる冬タイヤの威力を身を持って体感できました。
とは言え、凍結した山道を夜走るのは危険すぎるので、道の駅なるさわまで来たところでその日の運転は終了。
写真は、道の駅に隣接する日帰り温泉「富士眺望の湯 ゆらり」から撮影した夕暮れで赤く染まった富士山です。
そして翌朝。
氷の結晶シールを貼っていたのですが、オーガニックなものが増殖していました。
今年最初の車中泊でしたが、電気毛布のおかげでむしろ熱いくらいでした。
1月3日の朝。 キリッとした冷気の中、最初に向かったのは、青木ヶ原樹海にある二つの洞窟、「富岳風穴」と「鳴沢氷穴」です。
「富岳風穴」、以前夏に来た時は「外は30度越え、中は0度」という温度差で、「まさに天然のオアシス!」と感動したのですが、冬に来ると「外も寒い、中も寒い」であまり変わりません(笑)。 それでも、天井から下がる小さなツララが成長している様子は神秘的でした。
こちらは竪穴型の「鳴沢氷穴」。途中、つるつるの坂道をしゃがみながら下る箇所もあり、手すりにしがみつかないと滑ります。ここは初めて来ましたが、なかなかの冒険スポットです。「閉所恐怖症」の方は絶対に入っちゃだめな場所です。
西湖(さいこ)近くの道はこんな感じでした。
洞窟探検の後は、セット券を買っていた河口湖の観光遊覧船「天晴(あっぱれ)」に乗るため、河口湖畔へ。
戦国時代の甲斐武田軍の水軍「安宅船(あたけぶね)」をモチーフにした和風の遊覧船です。
船に乗り込み、波もほとんどない穏やかな湖上へ。そこからの景色は...
...言葉を失う美しさでした。
夏の富士山も素敵ですが、冬の富士山は格別です。
空気が澄んでいて、視界がクリア。空の青さが深く、雲ひとつない快晴。山頂から麓まで、雪化粧した姿がくっきりと見える。
特に感動したのは、山頂付近の雪が強風で巻き上げられ、白い煙のように舞い上がっている、いわゆる「雪煙」が、地上からもはっきりと見えたことです。
乗船時間は約20分。大人1,000円ですが、この絶景が見られるなら安いものです。「また何回でも乗りに来たい」と心から思いました。
船を降りた後は、湖畔を散策。 実は私、2021年のTOKYO2020で4か月程スタッフをしていました。このエリアは自転車ロードレースの会場となっていて、その時に選手村のひとつとなっていたのが、老舗の「富士レークホテル」です。私はその担当でした。
ホテルの中に人気のパン屋さんがあるのを思い出し、行ってみようとしたところ、駐車場スタッフの男性が「パン屋は、道路を挟んだ向かいに移転したよ」と。
行ってみると、当時は空き地だった場所に真新しい建物が建っていました。新しいお店の名前は「パン・ダニエル(Le Pain de Daniel)」。フランス人のシェフ、ダニエル・パケ氏が監修する本格的なパン屋さんで、2022年7月にオープンしたばかりの新しい店舗だそうです。
サクサクのパイ生地のパンを買い、湖畔の溶岩がゴロゴロ転がっている場所に座っていただきました。
車で移動中、「富士見バイパス」から見た富士山があまりに美しく、思わず沿道にあったユニクロの駐車場に吸い込まれてしまい、ついでに初売りで靴下を買ってしまいました。
富士吉田市にある「ふじさんミュージアム」へ。
富士宮市の「世界遺産センター」が富士山を多角的に学ぶ施設だとすれば、ここは富士山信仰と登拝者で賑わった地元の歴史に特化した博物館です。
ここ富士吉田市は、かつて「御師(おし)の町」として栄えました。富士山に登る人たちに宿を提供し、登山の案内もするガイド兼神職のような人々のこと。 館内には、実際に御師の家で使われていた道具や、富士講の指導者が着ていた行衣などが展示されており、江戸時代の人々がいかに富士山を崇め、憧れていたかが伝わってきます。
そして、ここの目玉は「ふじさんVRシアター」です。 8分程の映像なのですが、これがすごい! 360度、四方の壁だけでなく床にまで映像が投影され、麓から山頂までの富士登山を擬似体験できるんです。最初は緑豊かな林道から始まり、次第に木々がなくなり、ゴツゴツとした岩場へ。 厳しい環境の中で懸命に登る登山者たちの姿。そして山頂へ到達し、眼下に広がる雲海や満天の星空。 映像美と没入感が素晴らしく、見終わった後にはちょっとした達成感すら感じてしまいました。これも非常におすすめです。
営業時間が限られている店が多い名物「吉田うどん」ですが、その中で数少ない夕方まで営業しているのがここでした。
食べたのは980円の「全部乗せ」贅沢メニュー。
■【ご当地グルメ】日本一硬い!?「吉田のうどん」
富士吉田市の名物「吉田のうどん」は、**「日本一硬い」**とも言われる強烈なコシが特徴です。 なぜこんなに硬いのか? 昔、この地域は織物産業が盛んで、女性たちが織機を動かしている間に、男性たちが力任せにうどんをこねたから、あるいは忙しい合間に腹持ちを良くするため、といった説があります。
具材には茹でキャベツが乗るのが定番。そして、薬味には「すりだね」と呼ばれる、唐辛子やゴマ、山椒などを油で炒めた調味料を入れて食べるのが流儀です。
少し甘めのスープで、とっても美味しかったです。
山中湖からすぐの場所にある「赤富士の湯」。
露天風呂も充実していて、目の前に富士山がそびえたつ温泉です。
富士山周辺はいい温泉施設も多いのがうれしいですよね。次は温泉巡りをしながら一周なんてのもいいかもしれません。
そして今年2泊目の車中泊をした翌日、向かった先が山中湖の親水公園駐車場。
ここが大正解!
駐車場の目の前がすぐ山中湖で、その向こうに「ドーン!」と巨大な富士山が鎮座しています。 駐車場の一番端っこに車を停め、バックドアを全開に。
車内から山中湖と富士山を眺めながら、買っておいたパンとコーヒーで朝食タイム。2年間のカーライフの中で史上最高の「借景」でした。
最後に、TOKYO2020スタッフの時もよく通っていた山中湖近くのスーパー「オギノ山中湖店」で、吉田うどんとほうとうと専用スープを自分土産に購入。
1月5日でUターンラッシュも落ち着いた高速道路に乗って帰途につきました。
1月2日から5日までの3泊4日旅でしたが、富士山満喫・大満足。
撮った富士山の写真もたくさん。どの角度から見ても何度見ても、富士山は見飽きることがありません。昔の人が信仰対象にしたのも納得です。見ているだけで心に沁み込んでいく神々しさがあります。
特に「冬の富士山」はいいですよね。
また来ます♪




























